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螺旋 7

こんばんは。🎵

本日二度目の更新は『螺旋』です。🎶

大して進んでおりませんが‥😅

それではどうぞ~✴













お姉さんと話をするためリビングのソファーに腰を落ち着けた

「つくしちゃん?」

「はい。」

「司の事、よろしくお願いします。」

いきなりソファーから立ち上がり深々と頭をさげたお姉さん

「お、お姉さん!
頭を上げてください。
大丈夫ですから!私、司と一緒に居ますから。」

「ありがとう・・」

「コレ、見てください。」

私はさっき病室で彼がくれた指輪をお姉さんに見せた

「この指輪、さっき司がくれたんです。
 まだいろいろと問題は残ってますけど、一つずつクリアしていこうと思ってますから。」

「つくしちゃん、本当にありがとう‥」

真っ直ぐに私を見つめているお姉さんの瞳から再び涙が零れ落ちた

「ハァ~とにかくつくしちゃんが一緒に居てくれるって聞いて安心したわ
それじゃぁ、さっき司の主治医から聞いたあの子の病状を伝えておくわ。」

「は、はい‥」


お姉さんから聞いた司の状態は思っていた以上に深刻なものだった

ドクターから指示されたことはとにかくストレスを与えないこと
落ち着いた環境でゆっくりと身体と心を休める事が重要だと言われたらしい

お姉さんの言葉を聞きながら何度も心の中で司の名前を繰り返していた

彼と別れて18年

私には駿と莉緒が居たけど

彼はずっと一人だったんだ

ずっと一人で戦い続けてきて

心と体が疲れきってしまったんだ







その夜、夕食後に子供達の意見を聞いた

今日の出来事を知らなかった莉緒は戸惑っている様子だったけれど
駿があっさりとOKしたのを見て何も言わなかった

「ねぇ、ママ?」

「なに?」

「お父さんもここに一緒に住むの?」

「ん~ここじゃあ無理だと思うけど‥」

「どうして?」

「一緒に住むことになったとしてもここじゃあセキュリティーの問題で難しいと思うからよ。
ここじゃ警護するSPさんが大変だもの。」

「じゃあ、引っ越すの?」

「そうなると思うけど‥莉緒は嫌?」

「ううん、嫌じゃないけど‥」

「けど、なに?」

「う~ん、お父さんってすっごくお金持ちなのよね?」

「そうだけど‥」

「だったら私、新しいお家には時間を気にしないでバイオリンの練習が出来る部屋が欲しいの!ダメかな?」

「ダメじゃないと思うわよ。けど、どんな部屋が欲しいのかちゃんと伝えないと
音楽ホール作られちゃうから気をつけてね。」

「ホールって‥まさか?」

「お父さんならそんなもの簡単よ。
それに限度ってものを知らないんだから。」

「わ、分かった‥ちゃんと言うよ。」

「そうしなさい、で、駿は何かあるの?」

「俺か?俺はバスケのゴールポストと自分の車がありゃいいよ。」

「自分の車って‥車ならあるじゃない?
あれじゃあ不満なの?」

「あれはお袋のだろ?
俺は俺専用のスポーツカーが欲しいんだよ!」

「あんた専用の車は許してもいいけど高い車はダメ!!」

「なんでダメなんだよ!?」

「ダメ!あんたバカみたいにスピード出すでしょ?!
それに学校に行くだけなんだから動けばいいでしょ!?」

「いーだろ!それに早い車なら遅刻しなくてすむぞ!」

「朝、もう10分早く起きればいつもあんなに慌てなくて済むんでしょ!?
とにかくスポーツカーはダメ!
車種は後で話し合って決めましょう!いいわね?」

「‥‥‥」

駿からの返事はない

「いいわね?」

「チェッ!わかったよ!」

それだけ言うとプイッとそっぽを向いてリビングから出て行ってしまった

全く!

すぐに拗ねるんだから!

身体は大きいけどまだまだ中身は子供

とにかく二人とも一緒に住むことはOKしてくれてホッとしている

後は司だけ

翌日は日曜日

一緒に病院に行こうと思ったのに子供達はそれぞれ忙しいらしく
二人とも朝早くから出かけてしまった

まぁ、莉緒はバイオリンのレッスンがあるから仕方がないけど
駿は何やってんのか分かったもんじゃない!

朝食を手早く済ませて犬の散歩もいつものコースをショートカットで終わらせ
少し不満そうな2匹にお留守番をお願いして車で司の病院へと向かった









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kirakira
Posted bykirakira

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