続・ミッションインポッシブル 2
こんばんは。🎵
スーパーサラリーマンシリーズ『ミッションインポッシブル』の続編です。🎶
それではどうぞ~✴
日曜日、牧野先輩のお宅にお邪魔するのに
流石に手ぶらなのはマズイと思ったので
乗り換え駅にあるデパートでケーキを手土産に買った
牧野先輩に教えて貰った住所の最寄り駅で下車
牧野先輩には徒歩だと駅から少し遠いので迎えに行くわねと言われていた
改札を抜け駅前のロータリーの所で牧野先輩を待っていると
目の前にすっーとベンツが滑り込んで来た
俺の目の前で止まったベンツから運転手らしき男性が降りてきて声をかけてきた
「浦添様でございますか?」
「はい」
「お待たせして申し訳ございません。
私、道明寺家で運転手をさせていただいております竹本と申します。
若奥様のご命令でお迎えにあがりました。どうぞお乗り下さい」
そう言うと恭しく開けられたドア
促されて乗り込むとすぐに車は静かに走り出した
座席は革貼りで乗り心地は最高なんだけど
俺はてっきり牧野先輩が迎えに来てくれるものだとばかり思っていたので驚いている
運転手付きのベンツ
それもランクは最高クラス
やっぱり俺はまだまだ分かっていなかったのかもしれない・・・
道明寺さんに呼び出されたあの豪華なプライベートスペースに度肝を抜かれ
庶民の生活との違いを十分すぎるほど分かっていたつもりだったのに
牧野先輩の態度があまりにも普通で
今までと変わらなかったから油断していた
やべぇ・・・今頃になってドキドキしてきた
車は順調に走っている
空調の効いた車内から外の景色を眺める
緑が多く閑静な住宅街で
心なしか一軒一軒の家の大きさが大きくなってきているような気がする
駅から5分ほど走った所で車は大きな鉄の門の前でいったん停止して
ほどなく目の前の大きな鉄の門が軋むような少し甲高い音を立てて開いた
車はその中へ吸い込まれゆっくりと進んで行く
車窓にはよく手入れされている広大な森のような空間が広がっている
やがて目の前にまるでヨーロッパの宮殿のような建物が見えてきた
ここは何処だ・・・?
まさかあれが家か?
車から降りると見計らったように大きなドアが開き
牧野先輩が出迎えてくれた
「いらっしゃい!」
「お、お邪魔します・・・お招きありがとうございます・・・」
家と言うより宮殿のような建物の内部はまた凄かった
豪華な内部にただただポカ~ンとするだけで
表現する言葉が見当たらない・・・
マジでこれが個人の自宅・・・?
「あの・・・ここが牧野先輩のご自宅なんですか?」
「一応ね・・・」
「ハァ~凄いですね・・・」
「私は全然凄くないのよ。
元々は道明寺のお屋敷だし
今はみんなNYで誰も使ってないから勿体ないでしょ」
「はぁ・・・」
勿体ないとかいうレベルなのか?
屋敷の中に一歩足を踏み入れると
高級ホテルのロビーのような空間が広がっていて
天井は高くシャンデリアが吊り下げられていて絵画や彫刻などが飾られている
とてもここが個人の住宅だなんてとても信じられない・・・
そんな中、数多くのお手伝いさんが整列して俺を出迎えてくれている
場違いだ俺・・・
緊張感のカケラさえ持ち合わせないで
ふらりと休日の散歩を楽しむお父さんみたいなラフな恰好で
デパ地下のケーキを手土産に晩餐会に紛れ込んでしまった
今さら焦っても仕方ないのだけれど
ちゃんとスーツを着てくればよかったなんて後悔している
全てが豪華で手を触れるのも躊躇する廊下を
牧野先輩の後ろからついて行く
「あの・・・牧野先輩、ここってどれくらい部屋があるんですか?」
「う~ん、100は超えてると思うんだけど私もよく知らないの」
部屋数だけで100を超えてる・・・?!
だったらトイレは幾つあるんだ?!
なんてどうでもいい事を真剣に悩み始めていると
牧野先輩は一際大きなドアの前で歩みを止め振り返った
「もうみんな来てるの。
みんな浦添君に会えるのを楽しみにしてるのよ」
「はぁ・・・そ、そうですか・・・」
ため息と共にそう返事するのが精一杯
牧野先輩によって目の前のドアが開かれ視界が広がる
中はNYで道明寺さんに呼び出された時の部屋の二倍ぐらいの空間が広がっていて
案内されて中へ入ると牧野先輩が言っていた
”みんな”がいっせいに振り返った・・・
ゲッ!!!
振り返ったその顔を見て歩みを進めていた足が止まる・・・
あ~自分の馬鹿さ加減に腹が立つ!
どうして俺は気が付かなかったんだ?!
当然、予想出来たはずなのに・・・
道明寺さんとの約束にばかり気を取られていて
この人達との繋がりを予測出来ていなかった・・・
そこに居たのは・・・
美作専務に花沢物産の花沢専務に西門流の次期家元
ここに道明寺さんを加えれば
言わずと知れたF4だ・・・
この四人の誰かしらが毎週、週刊誌を賑わせているから
俺だってF4ぐらい知っている
直接、会った事も話した事もないけれど
美作専務は自分の会社の重役なのだから知っていて当然
雲の上の存在のような人達が目の前に勢揃いしている・・・
足が止まってしまっている俺に牧野先輩は振り返り
「紹介するわね。
奥に居るのが西門さんでその隣が花沢類でこっちは知ってると思うけど美作さんよ。
みんな、こちらがさっき話した浦添君よ」
”へぇ~これがあの鉄屑アーティストの弟か”
”そういえばなんとなく似てるな”
なんて・・・
なんだか値踏みされている心境だ
「浦添君もこっちに来て座ってね」
相変わらず動けないままの俺を笑顔で手招きしている牧野先輩
牧野先輩に促されてようやくみなさんが座るソファーの所まで来たけれど
気後れしてソファーに腰を下ろせない俺・・・
この人達を写真で見た事はあったけど
生でこんなに近くで見るとやっぱり迫力がある
NYで会った道明寺さんのそれとはまた少し違うような気はするけど
どちらも近寄りがたい空気がある
牧野先輩は普段からこんな人達と一緒にいるのか・・・
「どうぞ遠慮しないで座って」
「・・・し、失礼します・・・」
再度、促されてやっと腰を下ろす事の出来た俺だけど
あまりの緊張に当初の目的なんてすっかり忘れていた・・・
「オイ!そんな緊張すんな!何か飲むか?」
「は、はい!ありがとうございます!」
美作専務に話しかけられただけで
思わず立ち上がりお辞儀をしてしまう
「だからそんな緊張すんなって!
今日はプライベートな集まりなんだから普通にしてろ!」
「・・・は、はい」
普通ってどんなだ?
緊張しすぎてて普通が分からない・・・
”これでも飲んでとりあえず落ち着け!”
と目の前に置かれたワイングラス
それを手に取ろうとして
手土産にと買ってきたケーキをまだ持ったままだった事に気付いた
「あ!あの・・・これ!
先輩のお口に合うか分からないですが・・・」
「ありがとう。
後でみんなで食べましょうね。」
そう言って牧野先輩はケーキを持って部屋から出て行ってしまった
部屋には男ばかり四人・・・

応援ありがとうございます。
スーパーサラリーマンシリーズ『ミッションインポッシブル』の続編です。🎶
それではどうぞ~✴
日曜日、牧野先輩のお宅にお邪魔するのに
流石に手ぶらなのはマズイと思ったので
乗り換え駅にあるデパートでケーキを手土産に買った
牧野先輩に教えて貰った住所の最寄り駅で下車
牧野先輩には徒歩だと駅から少し遠いので迎えに行くわねと言われていた
改札を抜け駅前のロータリーの所で牧野先輩を待っていると
目の前にすっーとベンツが滑り込んで来た
俺の目の前で止まったベンツから運転手らしき男性が降りてきて声をかけてきた
「浦添様でございますか?」
「はい」
「お待たせして申し訳ございません。
私、道明寺家で運転手をさせていただいております竹本と申します。
若奥様のご命令でお迎えにあがりました。どうぞお乗り下さい」
そう言うと恭しく開けられたドア
促されて乗り込むとすぐに車は静かに走り出した
座席は革貼りで乗り心地は最高なんだけど
俺はてっきり牧野先輩が迎えに来てくれるものだとばかり思っていたので驚いている
運転手付きのベンツ
それもランクは最高クラス
やっぱり俺はまだまだ分かっていなかったのかもしれない・・・
道明寺さんに呼び出されたあの豪華なプライベートスペースに度肝を抜かれ
庶民の生活との違いを十分すぎるほど分かっていたつもりだったのに
牧野先輩の態度があまりにも普通で
今までと変わらなかったから油断していた
やべぇ・・・今頃になってドキドキしてきた
車は順調に走っている
空調の効いた車内から外の景色を眺める
緑が多く閑静な住宅街で
心なしか一軒一軒の家の大きさが大きくなってきているような気がする
駅から5分ほど走った所で車は大きな鉄の門の前でいったん停止して
ほどなく目の前の大きな鉄の門が軋むような少し甲高い音を立てて開いた
車はその中へ吸い込まれゆっくりと進んで行く
車窓にはよく手入れされている広大な森のような空間が広がっている
やがて目の前にまるでヨーロッパの宮殿のような建物が見えてきた
ここは何処だ・・・?
まさかあれが家か?
車から降りると見計らったように大きなドアが開き
牧野先輩が出迎えてくれた
「いらっしゃい!」
「お、お邪魔します・・・お招きありがとうございます・・・」
家と言うより宮殿のような建物の内部はまた凄かった
豪華な内部にただただポカ~ンとするだけで
表現する言葉が見当たらない・・・
マジでこれが個人の自宅・・・?
「あの・・・ここが牧野先輩のご自宅なんですか?」
「一応ね・・・」
「ハァ~凄いですね・・・」
「私は全然凄くないのよ。
元々は道明寺のお屋敷だし
今はみんなNYで誰も使ってないから勿体ないでしょ」
「はぁ・・・」
勿体ないとかいうレベルなのか?
屋敷の中に一歩足を踏み入れると
高級ホテルのロビーのような空間が広がっていて
天井は高くシャンデリアが吊り下げられていて絵画や彫刻などが飾られている
とてもここが個人の住宅だなんてとても信じられない・・・
そんな中、数多くのお手伝いさんが整列して俺を出迎えてくれている
場違いだ俺・・・
緊張感のカケラさえ持ち合わせないで
ふらりと休日の散歩を楽しむお父さんみたいなラフな恰好で
デパ地下のケーキを手土産に晩餐会に紛れ込んでしまった
今さら焦っても仕方ないのだけれど
ちゃんとスーツを着てくればよかったなんて後悔している
全てが豪華で手を触れるのも躊躇する廊下を
牧野先輩の後ろからついて行く
「あの・・・牧野先輩、ここってどれくらい部屋があるんですか?」
「う~ん、100は超えてると思うんだけど私もよく知らないの」
部屋数だけで100を超えてる・・・?!
だったらトイレは幾つあるんだ?!
なんてどうでもいい事を真剣に悩み始めていると
牧野先輩は一際大きなドアの前で歩みを止め振り返った
「もうみんな来てるの。
みんな浦添君に会えるのを楽しみにしてるのよ」
「はぁ・・・そ、そうですか・・・」
ため息と共にそう返事するのが精一杯
牧野先輩によって目の前のドアが開かれ視界が広がる
中はNYで道明寺さんに呼び出された時の部屋の二倍ぐらいの空間が広がっていて
案内されて中へ入ると牧野先輩が言っていた
”みんな”がいっせいに振り返った・・・
ゲッ!!!
振り返ったその顔を見て歩みを進めていた足が止まる・・・
あ~自分の馬鹿さ加減に腹が立つ!
どうして俺は気が付かなかったんだ?!
当然、予想出来たはずなのに・・・
道明寺さんとの約束にばかり気を取られていて
この人達との繋がりを予測出来ていなかった・・・
そこに居たのは・・・
美作専務に花沢物産の花沢専務に西門流の次期家元
ここに道明寺さんを加えれば
言わずと知れたF4だ・・・
この四人の誰かしらが毎週、週刊誌を賑わせているから
俺だってF4ぐらい知っている
直接、会った事も話した事もないけれど
美作専務は自分の会社の重役なのだから知っていて当然
雲の上の存在のような人達が目の前に勢揃いしている・・・
足が止まってしまっている俺に牧野先輩は振り返り
「紹介するわね。
奥に居るのが西門さんでその隣が花沢類でこっちは知ってると思うけど美作さんよ。
みんな、こちらがさっき話した浦添君よ」
”へぇ~これがあの鉄屑アーティストの弟か”
”そういえばなんとなく似てるな”
なんて・・・
なんだか値踏みされている心境だ
「浦添君もこっちに来て座ってね」
相変わらず動けないままの俺を笑顔で手招きしている牧野先輩
牧野先輩に促されてようやくみなさんが座るソファーの所まで来たけれど
気後れしてソファーに腰を下ろせない俺・・・
この人達を写真で見た事はあったけど
生でこんなに近くで見るとやっぱり迫力がある
NYで会った道明寺さんのそれとはまた少し違うような気はするけど
どちらも近寄りがたい空気がある
牧野先輩は普段からこんな人達と一緒にいるのか・・・
「どうぞ遠慮しないで座って」
「・・・し、失礼します・・・」
再度、促されてやっと腰を下ろす事の出来た俺だけど
あまりの緊張に当初の目的なんてすっかり忘れていた・・・
「オイ!そんな緊張すんな!何か飲むか?」
「は、はい!ありがとうございます!」
美作専務に話しかけられただけで
思わず立ち上がりお辞儀をしてしまう
「だからそんな緊張すんなって!
今日はプライベートな集まりなんだから普通にしてろ!」
「・・・は、はい」
普通ってどんなだ?
緊張しすぎてて普通が分からない・・・
”これでも飲んでとりあえず落ち着け!”
と目の前に置かれたワイングラス
それを手に取ろうとして
手土産にと買ってきたケーキをまだ持ったままだった事に気付いた
「あ!あの・・・これ!
先輩のお口に合うか分からないですが・・・」
「ありがとう。
後でみんなで食べましょうね。」
そう言って牧野先輩はケーキを持って部屋から出て行ってしまった
部屋には男ばかり四人・・・

応援ありがとうございます。
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