続・ミッションインポッシブル 8
こんばんは。🎵
スーパーサラリーマンシリーズのミッションインポッシブルの続編です。🎶
それではどうぞ~✴
会社をクビになって牧野先輩の荷物を抱えたままの俺を乗せた車が
予定通りに成田空港に到着すると
どうやって手に入れたのか・・・
部屋のテレビの横のキャビネットにしまっていたはずのパスポートを持った
美作専務のSPにガードされているというか・・・
逃げないようにガッチリと両脇を固められ
先月も両親と共に乗り込んだ飛行機に放り込まれた・・・
離陸前の慌ただしい機内
エコノミーとは全く違う雰囲気に落ち着かない
やがて乗客も全て乗り込み離陸の許可が出た機体が
ゆっくりと滑走路へと向けて動き始めた
離陸直前になって荷物を膝に抱えたままの俺に
スチュワーデスが
”お荷物をお預かりいたしましょうか”
と言ってきたが
オフィスを出る直前に美作専務から言われた
”司は牧野の物を他人、特に男が触るのを極端に嫌がるから
その私物は何があっても他人に預けるなよ!バレたらクビどころじゃ済まねぇからな!”
という言葉を思い出し断った
これだけは何があっても絶対に他人の手に渡すわけにはいかない
乗り心地満点の地獄への護送機が
閻魔大王様が待つNYへ向けて旅立ってしまった
もう逃げも隠れも出来ない・・・
NYでどんな未来が待ち受けているのか分からないが
親に貰った命だけは大切にしようと心に固く誓った俺だった・・・
降り立ったケネディ国際空港は快晴
無事イミグレーションを抜けターンテーブルに回る荷物を待つ人々を横目に
手荷物が箱一つだけの俺は足早に通り抜けた
到着口から吐き出されるように出ると
つい先日も経験した独特の空気に圧倒される
足早にそれぞれの目的地へと向かう人々
耳に飛び込んでくる言葉は英語
そんな人ごみの中を縫うように歩みを進めるけれど・・・
俺は何処へ行けばいいんだ?
道明寺さんからも美作専務からも詳しい事は何も聞いていなくて
ただただ有無を言わさず飛行機に放り込まれただけだったから
いざ到着してみてもここから何処へ向かえばいいのか分からない・・・
しばらく頭上の案内板と睨めっこしていたけれど
いつまでも此処でこうしているわけにはいかないと思い
とりあえず持ち合わせの僅かな現金をドルに変え
タクシー乗り場を目指して歩き始めた
タクシー乗り場で順番を待つ人々の列に並びながらふと空を見上げる
空は空でどこの空でも変わりは無いはずなのに
薄い雲が張るNYの空が特別な物に感じてしまう
あれ?なんか俺・・・感傷的になってないか・・・?
やべ・・・涙が・・・
あまりの急展開に未来どころか明日さえも読めない状況と
異国の雰囲気とに浦添宏幸26歳日本男子
NYのタクシー乗り場で思わず男泣き
その間にもタクシーは前の乗客を乗せて走り去って行く
俺の番まで後二人
両手に抱えたままの荷物を持ち直し
前に空いたスペースを埋めるようと一歩前へと足を出そうとした時、
目の前にスッーと濃緑のスポーツカーが滑り込んできて
俺が立つタクシー乗り場の少し先で停車した
そしてそのスポーツカーに続くように前後を黒塗りのバンに挟まれたリムジンも停車した
先頭のスポーツカーのドアが開き運転席から女性が飛び出してきたのを合図に
停車した車からいっせいに大勢の大男が飛び出してくる
高級車から飛び出してくる大勢の人間に何事かと
タクシーを待つ人々もみな注目している
「浦添君!」
そんな状況の中、スポーツカーから降りてきた女性が
俺の名前を呼びながら駆け寄ってくる
「ま、牧野先輩!?」
「こら!つくし待ちやがれ!!」
スポーツカーから降りて来たのは牧野先輩で
リムジンから降りてきたのは道明寺さん・・・
そして道明寺さんと牧野先輩をガードするように周りを取り囲んだ黒いスーツの大男達
その男達がこの前、道明寺さんに呼び出された時に居た
ボディガードだって事に気付くのに時間は掛からなかった
ほんの数メートルの距離を突進してくる一団に思わず腰が引ける
道明寺さんの”待て!”との言葉を軽くスルーした牧野先輩は
もう一度、名前を呼びながら俺の元までたどり着いた
「せ、先輩・・・どうしたんですか?」
目の前に立つ牧野先輩の息は荒く髪も少し乱れていて
相当慌ててここまで来た事がその様相から見て取れる
「浦添君!大丈夫だった?」
大丈夫だったかと問われると・・・
全体的にいろいろと大丈夫じゃないですけど・・・
まぁ・・・今はなんとか大丈夫なのかな?
「なんとか・・・」
「よかった」
そう言うと心底ホッとしたような表情を浮かべた牧野先輩が抱きついてきた
両手が牧野先輩の荷物で埋まっているから
飛び付いてきた牧野先輩を首だけで受け止めてしまい
大きくのけ反ってしまったけれど
牧野先輩がすぐに後ろに居た道明寺さんに引き戻されたので
今度はその反動で前のめりになる俺
つんのめりそうになるのを寸での所で爪先だけで回避したけれど
勢いで二三歩前へと出てしまった
両手に荷物を持ったまま硬いアスファルトに激突だけは
どうにか避ける避ける事が出来てホッとして顔を上げると
目の前にはしっかりと牧野先輩を抱え込んだまま
鬼のような形相で俺を見下ろす道明寺さん・・・
「テメェ!ぶっ殺すぞ!」
いっその事ぶっ殺された方が楽なのかも・・・?
なんて一瞬だけ思ってしまうぐらい迫力満点の道明寺さん
「ちょっと!なんで浦添君を脅すのよ?!
抱き着いたのは私の方でしょ!」
「うるせぇ!お前は黙ってろ!」
「黙るのはあんたの方よ!」
そう言うが早いか道明寺さんの臑をピンヒールで蹴った牧野先輩
「イッテェ~!!」
蹴られた臑を押さえながら思わず後ずさりする道明寺さん
牧野先輩は道明寺さんの体が離れた一瞬の隙に俺の腕を掴み引っ張った
「浦添君、行くわよ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!
どこに行くんですか?!」
「日本に帰るのよ!」
そ、そんな・・・俺、今来たばっかなんですけど・・・
「こら!待ちやがれ、つくし!
オイ!弟!つくしから手を離せ!ぶっ殺すぞ!!」
離したいのはヤマヤマなんですけど・・・
どっちかって言うと掴まれてるのは俺の方なんで・・・
だけどそんな細かい事を説明出来る状況じゃなくて
前から俺の腕を引っ張りターミナルビルに入って行こうとする牧野先輩
そして後ろからはそれを阻止しようと道明寺さんが俺の襟首を掴んでいる
どちらもバカ力で俺を引っ張るもんだから
腕は抜けそうだし息は苦しいし・・・
「グヘェ・・・せ、先輩~・・・!▽※○□×◇!!」
情けない声で離して下さい・・・と続けようとして
腕がビリッと鳴った・・・
正確にはスーツの肩口の辺りから音がして
ボーナスで大枚叩いて買ったブランド物のスーツが・・・
俺の一張羅のスーツの肩口が嫌な音を立てて裂けた・・・
「あ、あぁぁ~!!」
我ながらよくもここまで情けない声が出るもんだ・・・
けど出てしまった物は仕方がない
「ごめん~浦添君!大丈夫?!」
スーツが破れたんすよ!
大丈夫なわけないじゃないですか!?
咄嗟に浮かんだのはそんなセリフだったけど口には出せず

応援ありがとうございます。
スーパーサラリーマンシリーズのミッションインポッシブルの続編です。🎶
それではどうぞ~✴
会社をクビになって牧野先輩の荷物を抱えたままの俺を乗せた車が
予定通りに成田空港に到着すると
どうやって手に入れたのか・・・
部屋のテレビの横のキャビネットにしまっていたはずのパスポートを持った
美作専務のSPにガードされているというか・・・
逃げないようにガッチリと両脇を固められ
先月も両親と共に乗り込んだ飛行機に放り込まれた・・・
離陸前の慌ただしい機内
エコノミーとは全く違う雰囲気に落ち着かない
やがて乗客も全て乗り込み離陸の許可が出た機体が
ゆっくりと滑走路へと向けて動き始めた
離陸直前になって荷物を膝に抱えたままの俺に
スチュワーデスが
”お荷物をお預かりいたしましょうか”
と言ってきたが
オフィスを出る直前に美作専務から言われた
”司は牧野の物を他人、特に男が触るのを極端に嫌がるから
その私物は何があっても他人に預けるなよ!バレたらクビどころじゃ済まねぇからな!”
という言葉を思い出し断った
これだけは何があっても絶対に他人の手に渡すわけにはいかない
乗り心地満点の地獄への護送機が
閻魔大王様が待つNYへ向けて旅立ってしまった
もう逃げも隠れも出来ない・・・
NYでどんな未来が待ち受けているのか分からないが
親に貰った命だけは大切にしようと心に固く誓った俺だった・・・
降り立ったケネディ国際空港は快晴
無事イミグレーションを抜けターンテーブルに回る荷物を待つ人々を横目に
手荷物が箱一つだけの俺は足早に通り抜けた
到着口から吐き出されるように出ると
つい先日も経験した独特の空気に圧倒される
足早にそれぞれの目的地へと向かう人々
耳に飛び込んでくる言葉は英語
そんな人ごみの中を縫うように歩みを進めるけれど・・・
俺は何処へ行けばいいんだ?
道明寺さんからも美作専務からも詳しい事は何も聞いていなくて
ただただ有無を言わさず飛行機に放り込まれただけだったから
いざ到着してみてもここから何処へ向かえばいいのか分からない・・・
しばらく頭上の案内板と睨めっこしていたけれど
いつまでも此処でこうしているわけにはいかないと思い
とりあえず持ち合わせの僅かな現金をドルに変え
タクシー乗り場を目指して歩き始めた
タクシー乗り場で順番を待つ人々の列に並びながらふと空を見上げる
空は空でどこの空でも変わりは無いはずなのに
薄い雲が張るNYの空が特別な物に感じてしまう
あれ?なんか俺・・・感傷的になってないか・・・?
やべ・・・涙が・・・
あまりの急展開に未来どころか明日さえも読めない状況と
異国の雰囲気とに浦添宏幸26歳日本男子
NYのタクシー乗り場で思わず男泣き
その間にもタクシーは前の乗客を乗せて走り去って行く
俺の番まで後二人
両手に抱えたままの荷物を持ち直し
前に空いたスペースを埋めるようと一歩前へと足を出そうとした時、
目の前にスッーと濃緑のスポーツカーが滑り込んできて
俺が立つタクシー乗り場の少し先で停車した
そしてそのスポーツカーに続くように前後を黒塗りのバンに挟まれたリムジンも停車した
先頭のスポーツカーのドアが開き運転席から女性が飛び出してきたのを合図に
停車した車からいっせいに大勢の大男が飛び出してくる
高級車から飛び出してくる大勢の人間に何事かと
タクシーを待つ人々もみな注目している
「浦添君!」
そんな状況の中、スポーツカーから降りてきた女性が
俺の名前を呼びながら駆け寄ってくる
「ま、牧野先輩!?」
「こら!つくし待ちやがれ!!」
スポーツカーから降りて来たのは牧野先輩で
リムジンから降りてきたのは道明寺さん・・・
そして道明寺さんと牧野先輩をガードするように周りを取り囲んだ黒いスーツの大男達
その男達がこの前、道明寺さんに呼び出された時に居た
ボディガードだって事に気付くのに時間は掛からなかった
ほんの数メートルの距離を突進してくる一団に思わず腰が引ける
道明寺さんの”待て!”との言葉を軽くスルーした牧野先輩は
もう一度、名前を呼びながら俺の元までたどり着いた
「せ、先輩・・・どうしたんですか?」
目の前に立つ牧野先輩の息は荒く髪も少し乱れていて
相当慌ててここまで来た事がその様相から見て取れる
「浦添君!大丈夫だった?」
大丈夫だったかと問われると・・・
全体的にいろいろと大丈夫じゃないですけど・・・
まぁ・・・今はなんとか大丈夫なのかな?
「なんとか・・・」
「よかった」
そう言うと心底ホッとしたような表情を浮かべた牧野先輩が抱きついてきた
両手が牧野先輩の荷物で埋まっているから
飛び付いてきた牧野先輩を首だけで受け止めてしまい
大きくのけ反ってしまったけれど
牧野先輩がすぐに後ろに居た道明寺さんに引き戻されたので
今度はその反動で前のめりになる俺
つんのめりそうになるのを寸での所で爪先だけで回避したけれど
勢いで二三歩前へと出てしまった
両手に荷物を持ったまま硬いアスファルトに激突だけは
どうにか避ける避ける事が出来てホッとして顔を上げると
目の前にはしっかりと牧野先輩を抱え込んだまま
鬼のような形相で俺を見下ろす道明寺さん・・・
「テメェ!ぶっ殺すぞ!」
いっその事ぶっ殺された方が楽なのかも・・・?
なんて一瞬だけ思ってしまうぐらい迫力満点の道明寺さん
「ちょっと!なんで浦添君を脅すのよ?!
抱き着いたのは私の方でしょ!」
「うるせぇ!お前は黙ってろ!」
「黙るのはあんたの方よ!」
そう言うが早いか道明寺さんの臑をピンヒールで蹴った牧野先輩
「イッテェ~!!」
蹴られた臑を押さえながら思わず後ずさりする道明寺さん
牧野先輩は道明寺さんの体が離れた一瞬の隙に俺の腕を掴み引っ張った
「浦添君、行くわよ!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!
どこに行くんですか?!」
「日本に帰るのよ!」
そ、そんな・・・俺、今来たばっかなんですけど・・・
「こら!待ちやがれ、つくし!
オイ!弟!つくしから手を離せ!ぶっ殺すぞ!!」
離したいのはヤマヤマなんですけど・・・
どっちかって言うと掴まれてるのは俺の方なんで・・・
だけどそんな細かい事を説明出来る状況じゃなくて
前から俺の腕を引っ張りターミナルビルに入って行こうとする牧野先輩
そして後ろからはそれを阻止しようと道明寺さんが俺の襟首を掴んでいる
どちらもバカ力で俺を引っ張るもんだから
腕は抜けそうだし息は苦しいし・・・
「グヘェ・・・せ、先輩~・・・!▽※○□×◇!!」
情けない声で離して下さい・・・と続けようとして
腕がビリッと鳴った・・・
正確にはスーツの肩口の辺りから音がして
ボーナスで大枚叩いて買ったブランド物のスーツが・・・
俺の一張羅のスーツの肩口が嫌な音を立てて裂けた・・・
「あ、あぁぁ~!!」
我ながらよくもここまで情けない声が出るもんだ・・・
けど出てしまった物は仕方がない
「ごめん~浦添君!大丈夫?!」
スーツが破れたんすよ!
大丈夫なわけないじゃないですか!?
咄嗟に浮かんだのはそんなセリフだったけど口には出せず

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト