修羅場ってる？ｰＮＹ編ｰ １

昨夜から今朝に掛けて無茶したせいで
結局、道明寺と一緒にＮＹ行きはドクターストップが掛かってしまい

私は当初の予定通り西門家で静養している

一緒にＮＹへ行けないと分かった道明寺は
一頻りドクターを脅し大暴れしていたけれど
西田さんの命令で屈強なＳＰさんが五人係りで彼を縛り上げ
プライベートジェットに放り込んでしまった

お世話を掛けます、西田さん‥


ＮＹへ行ってからも毎日、何十回と掛かってくる電話に少々ウンザリしながらも
一週間、西門家でのんびりと過ごさせて貰ってすっかり傷は癒え


西門さんのお母様に涙ながり見送られＮＹへと旅立った

私はＮＹへ遊びに行った訳じゃない！

私は仕事の為に来たはずなのに
夫という立場を振りかざしまとわりついてくる道明寺がウザい！


楓社長に付き従い世界中を飛び回っていたけれど
生活の拠点はＮＹだったから
こちらでの生活には困らないし
仕事にしても復帰しただけだから
基本は分かっている

だから今は誰にも邪魔されずに西田さんから仕事を引き継ぎたいだけなのに‥

道明寺は仕事中もプライベートも一日の時間の全てを
自分の為だけに費やす事を要求してくる

まるでベビーシッターの気分

楓社長の秘書として２年

道明寺の妻としても２年

計４年の年月を私はＮＹで過ごしているのだから

行きつけのコーヒーショップがあればBarだってあるし
知り合いだって沢山いる

それは彼の知らない時間だけど
だからってそれらの全てを禁止されるのは我慢ならないし

顔見知りだったコーヒースタンドのマスターと
久しぶり！って挨拶していただけで
あんなに怒鳴り捲られたら先が思いやられる


だからルールを決めた


って‥

一方的に私が決めて彼に突きつけただけのルールっていうより
条件って言った方がいい内容なんだけどね


ＮＹでの私の立場はあくまでも西田さんの補佐
そして日本赴任の為の引き継ぎ作業だから基本は内勤

出張への同行はしないし例え妻という立場であっても
オフィス内では他の社員と同様に扱い
公私混同はしないしＳＰさんによる監視も無し


そして一番大事なのがプライベートについて

ＮＹでの引き継ぎ作業は考えていた以上に大変で
資料を読み込み覚えなきゃいけない事が多い

それなのに仕事が終わり自宅として使っているアパートに帰りつくと
直ぐ様、ベッドへと引き摺り込もうとしてくる‥

って言うか‥

実際、引き摺り込まれるし

日を追う毎に我慢が効かなくなっていて
夕べなんてリムジンの中で襲われた！

腕力じゃ到底太刀打ち出来なくて
どこまでも夫としての立場と権利を振りかざしてくる道明寺


信じられる？

ＮＹへ来てから毎晩なのよ！


毎晩、当たり前のように抱き潰されて
小娘みたく意識を飛ばして気づいたら朝って感じ


喉はカラカラで声は掠れてるし
身体はダルいし全身キスマークだらけで
寝不足でお肌はボロボロだし！


だからＮＹで病室以来、久々に会った楓社長に
それとなく窮状を訴えたんだけど
軽く”あなたもまだまだね。夫くらい甘やかさずきちんと操縦なさい。”
って返されただけ


だから決めた！


日本へ赴任までの期間、別居する！









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