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Family 80

こんにちは。🎵

本日は『Family』です。🎶

なんてことのない休日の朝の光景です。♥


それではどうぞ~✴



私信です
☆様
こんにちは。🎵
コメントありがとうございます。❤
返事が遅くなってごめんなさいm(__)m
ウフフ💕恐らくつくしちゃんの方になると思います❗😆💕✨
このお話しのつくしちゃんは何故か司君にだけツンデレなので❗(笑)








2月の休日

久しぶりの休み

朝食を終えつくしはキッチンで数日後に迫ったバレンタインデーに向けてクッキーを焼いている
そんなつくしの姿を視界の端に捉えながらコーヒーを飲んでいると
双子が代わる代わる絵本を持ってきて読めとアピールしてくる

読むのは構わない

だけど二人それぞれにお気に入りの絵本が違う上に
二人同時に読めとお互いに譲らないず
俺の膝の右と左で先を争いケンカを始める

「パッパ!すぅ~ちゃ!ワンワン!チビ!」


菫のお気に入りは犬が主人公の絵本らしく
顔の前に絵本を差し出してくる


「分かったから!ちょっと待てって!」

「パッパ~!さっちゃ!
ブッブゥ~!」


桜は車‥

じゃねぇな‥


「ウォッ!痛ぇ!桜!
危ないって!」

桜が持ってきたのは乗り物の図鑑

かなりの重量のある図鑑を両手で持ち上げ
勢い余って俺の顔に図鑑をぶつけ
その反動で自分は俺の膝から落ちかけている

左手で菫を支えたまま膝から落ちかけている桜の背中を支えた


「桜?これ読むのか?」

「ブッブゥ~!」

って‥

図鑑なんて何処を読めばいいんだ?


「パッパ!すぅちゃ!ワンワン!」

「分かってるから!ちょっと待てって!」


「こら!桜!見えねぇって!」


膝の上でちっともじっとしていない双子

それぞれが本を持ち上げ視界を奪うから前が見えない


「母さん!黒の靴下どこ?」

「黒の靴下?いつものところに入ってるでしょ?」


「入ってないって!」


「入ってるでしょ?よく見たの?」


「見たって!」


双子に気を取られているとメゾネットになっている2階から響いてきた健の声


靴下を探してるみてぇだけど

靴下なんて他にもあんだろ?

健に答えながらもキッチンから出て来ないつくし

「母さんってば!」

「もぅ!なに?!」


「黒の靴下!」


「靴下なんてなんでもいいでしょ!
あるの履いとけば?!」


「無理!
母さん!」


「もぅ!」


何度もしつこく呼ぶ健の声に根負けしたつくしが
キッチンから出て健の部屋へと向かって行ったのと入れ代わるように
翼がリビングへと入ってきた


翼はテレビの横に置かれているチェストの引き出しを
上から順番に開けてゆき何やら探している


やがて全ての引き出しを探したがお目当ての物が見つからなかったのだろう
徐に大きな声でつくしを呼んでいる


「お母さ~ん!」


流石にここからじゃ健の部屋に行ったままのつくしには聞こえないのだろう

つくしからの返事は返ってこない


「お~母さ~ん!」

さっきよりさらに声を張り上げつくしを呼ぶ翼


「翼!でっけぇ声出すな!
お母さんなら健んとこだ!」


「え~父さん、お母さん呼んで来てよ!」

俺をパシリに使おうとする翼


「自分で行け!」


「え~だったらお父さんも探すの手伝ってよ!」


「何探してのか知んねぇけど
自分で探せ!俺は忙しいんだよ!」


「え~暇そうじゃん!俺は時間が無いんだって!
あれがないと電車に乗れない!」


「車呼べばいいだろ?!
なんでわざわざ電車なんだよ?」


「だってお母さんがダメだって言ったんだよ!」


「どうして?
ってか、お前、何処行くんだ?」


「これから真湖ちゃんと初デートなの!
お母さんが中学生はデートに車なんて使わないって!
だから、駅で待ち合わせしてんのに
あれがないと電車に乗れないじゃん!」


「金が必要なのか?」


「違うって!改札のところにピッ!ってする奴だよ!」


翼が探しているのは多分、アレだな‥

つくしも以前、電車でオフィスに通っていた時に使っていた
電子カードの事だと思い至り
仕方なく膝に乗ったままの双子を下に下ろし
チェストの中を探し始めたが見当たらない


「ほんとにここに入ってんのか?」


「うん、いつもはここに入ってるけど‥もぅ!お母さ~ん!」


だから呼びに行けって!

俺の耳元で叫ぶなよ!


「どうしたの、翼?」


やっと健の所から戻ってきたつくしが
翼の声に気付きリビングへと入ってきた


「あれは?ピッ!ってするやつ!
あれが無い!」


「夕べ、今日必要だからって翼に渡したでしょ?
どこにやったの?」


「えっ!?‥えーっと‥あっ!
リュックに入れた!」


慌てて足元に置いていたリュックの中を確認した翼にため息


「もぅ!しっかりしてよ!
そんなんで大丈夫なの?」


「大丈夫!大丈夫!」


余程、時間がなかったのだろう
上着とリュックを手に飛び出して行く翼の後をつくしが追う


「ちょっと、翼!
帰りはちゃんと時間通りに真湖ちゃんをお家まで送って行くのよ!
それから、真湖ちゃんのお家の人にちゃんと挨拶するのよ!」


「分かってるって!
行ってきま~す!」


「行ってらっしゃい!
気をつけてね!」


ハァ~行っちゃった‥


ため息と共にリビングへと戻ってきたつくしは
気が抜けたようにドサッとソファーへと座った


「どうしたんだよ?」


「だって!なんかちょっと寂しくない?
ずっと好きだった真湖ちゃんとデート出来るのは良かったなぁ~って思うんだけど‥
母親としてはちょっと複雑なのよ!ハァ~」


「その複雑さは分かんねぇーけど
解消する方法は知ってんぞ!」


「何?どうすればいいわけ?」


「次は男を産めばいいんだよ!
協力してやるぞ!」



「ゲッ!またそれなの?!
もぅ!いい加減にしてよ!」


横に座り抱き寄せようとする俺から逃れるように
慌ててソファーから腰を上げたつくし

「逃げんな!」


「もぅ!止めてってば!」


引き戻そうと伸ばした手をペシッ!叩き
つくしは再びキッチンへと入って行った


そして入れ替わるようにリビングへと入ってきたのが
靴下を連呼していた健


だが‥


高等部に進学し急に色気付いてきたというか

オシャレというか‥

着る物に興味が出てきた健は
元来の凝り性を発揮していて
つくしに”なんでもいいでしょ?!”と怒られてやがる

外見が益々、高等部の頃の俺に似てきた健


身長もつくしはとうに追い越されていて
もう少しで俺に並ぶ勢いでぐんぐんて成長していて

後ろ姿だとあきら達でさえ見間違う程になっている


そんな健の今日の格好は黒のハイネックのセーターに
黒の細身のジーンズを履き真っ赤なダッフルコートを羽織っていて
あの頃の俺のようにシルバーのアクセサリーを身につけてやがる

一丁前の格好しやがって!


「お前はどこ行くんだよ?」


「ん?俺はチビの散歩に行くだけ。」

散歩だけかよ!?

「気をつけて行けよ!」


「ん。行ってくる。
チビ!行くぞ!」


“ワン!”と一鳴きしたチビが健の後を付いて行く


そしてその一人と一匹を追って
つくしも慌ててキッチンから出てきた


「健!ちょっと待って!
ちゃんとお散歩バッグ持って行きなさいよ!」


「ん。SPに渡しといて!」


バシッ!


「痛ぇ!」


チビのフンを始末する為の用具が入っているバッグをSPに持たせようとした健が
つくしに頭を叩かれてやがる


「それぐらい自分でやりなさい!」


叩かれた頭を擦りながらも何も言わずに出て行った健の背中につくしのため息が響く


「もぅ!全く、誰に似たんだろう?」


誰にとかいいながら俺を睨むんじゃねぇーよ!


「何で俺を睨むんだよ?!」


「だって!あの子!
外見も身長も益々パパにそっくりになってきて!
性格まで似てきちゃって!
時々、あの頃のパパと話してるみたいで
ドキッ!とする時があるんだもん!」



「お前、あの頃の俺にドキドキしてたんかよ?」


「ん?ドキドキじゃなくて‥
ムカムカしてた!」


何を思い出したのか知らねぇーけど
笑いながら言うんじゃねぇーよ!


「冗談なんだからそんな本気で睨まないでよ!」


「睨んでねぇっつうーの!」


ハハハと笑い声だけを残し

“クッキー焼いちゃわないと!”


と再びキッチンへと入って行ったつくし


「パッパ!ワンワン!」

「パッパ!ブッブゥ~!」

「分かってるよ!
順番に読んでやるからケンカすんなよ!」



腰を屈め両腕で双子を掬い上げるように抱き上げると
ソファーへと座り直した

けどよ‥


図鑑って何処を読めばいいんだ?











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kirakira
Posted bykirakira

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