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続・かりゆしの島 2

こんにちは。(#^.^#)

本日は『続・かりゆしの島』です。🎶


それではどうぞ~✴



お呼び出しです。
パスご希望のご連絡くださった、いそべっち様
メールアドレスが未記載でした。
お手数ですが再度ご連絡をお願いいたします。



私信です
☆様
こんにちは。♥
コメントありがとうございます。😆
返事が遅くなってごめんなさいm(__)m
男の子に対しての男親って冷静に対処出来ますよね🎵
異性の親の方がなんだかモヤモヤしちゃって‥😅
きっと双子ちゃんの時は司パパが大変だと思います❗(笑)


ア○○ィ○○ョーク様
こんにちは。(#^.^#)
コメントありがとうございます。😆
つくしちゃんは母親としてお兄ちゃんの彼女の事が
気になって仕方がない様子ですが司パパは冷静に対処しています。
が、これが双子ちゃんに彼氏なんてなったらきっと‥
司パパは持てる権力をフルに使ってきそうで‥😅
周囲を巻き込んで大騒ぎする事だと思います❗😆💕✨







テレビ画面の中で嬉々として彼との関係を話す彼女


信じられない思いで画面の中の彼女を見ていられなくて
テレビを消したと同時に彼から今日は行けなくなったと連絡が入った


この瞬間、私は気づいてしまった

彼の裏切りに‥


あれだけ頑張って離れ離れの時間を乗り越えてきたはずだったのに

最高に幸せなはずのタイミングで
笑っちゃうほど最悪であっけない終わりだった


だけど笑ってる場合じゃないし

悲しんでいる時間も絶望している時間も私にはなかった

私の中で着実に大きくなっている新しい命

その命を産まないという選択肢はなかった

不安だったけれど
不安だけでもなかった
少しずつ大きくなってくるお腹に
一人じゃないって思えて
元気一杯にお腹を蹴りまくる小さな命に勇気づけられていた

職業柄、女性が多い職場だから妊娠中でも働き易いし
幸い収入は安定している
贅沢は出来ないけれど親子二人ぐらいなんとかなる

一人で産んで育てる

言葉にするのは簡単

現実はそんなに甘くなかったけれど

何度も挫けそうになるのをこらえ
二人で頑張ってきた


そんな私に転機が訪れたのは千尋が2歳の時だった

当時、私は千尋を病院附属の保育所に預けながら
総合病院の内科で看護婦として働いていた

仕事に育児に家事

一日が24時間じゃ足りない

それに加えて赤ちゃんの頃の千尋は体が弱く
夜中に病院に走るなんて事がしょちゅうあって
余裕のない毎日を送っていた

彼女の嘘が発覚し道明寺が婚約を解消したのは知っていたけれど
今さら連絡をするつもりはなくて

私の日常の中から彼は完全に姿を消していた

そんな時に婦長さんから持ちかけられた島の診療所への移動話

名前も聞いたことのない島

地図で探すけど見つけられず

やっと見つけた時には思わず声が出てしまったぐらい

南の海に浮かぶ小さな島

“本当に不便で何もない島だけど、
海は綺麗だし人もいいしのびのびと
子供を育てるのには最適な場所よ。”


婦長さんのその言葉に心が動いた

行ってみようと思った

新しい場所で頑張ってみようと思い
病院を辞め千尋を連れ島に渡った


島に来た感想

婦長さんの言葉通り

本当に何もない!


海と空とサトウキビ畑

信号もコンビニもないけれど

人は親切だった

島の診療所には50代の男性ドクターが診察にあたっているけれど
島の住人のほとんどが顔見知りだから
診療所の待合室は朝から近所のおじいちゃんおばあちゃんの憩いの場になっていた

診療所には千尋を連れて行っていたけれど
診察中は待合室で遊ぶ千尋を誰かしらが子守りをしてくれていた

ゆったりとした時間の流れの中で
いつしか千尋が体調を崩す回数が減り
成長した今では毎日のように放課後にはお友達と海で遊んでいる

日に焼けて色は真っ黒

今では立派な野生児



そして島に来て2ヶ月程が過ぎた時


あの人が何の前触れも無しに現れた






「楓さんね‥あっ、あんたのお母さんがそう呼べって言ったから‥」


隣に座り話す彼女はその時の事を思い出しているのか
少し俯き小さく笑っている


「お前、ずっとババァと連絡取ってたのか?」


「また‥ババァなんて呼んで!
ちゃんとお母さんって言いなさいよ!」


「うるせぇーよ。」


あの頃のような口調で言われた言葉が嬉しくて
あの頃のように軽く返し視線で続きを促した


「楓さんね‥私が島に移って2ヶ月ほどした時に
突然、訪ねて来て下さったの。」


「ババァがここに来てたのか?」


「うん、最初はびっくりしたんだけどね‥
秘書さんもSPさんも伴わずにお一人で来られて‥」


ババァが一人で?


こんな島まで?


予想外の答えに戸惑っている俺に構わず続けられる言葉


「当然、私は何しに来たの?って身構えるじゃない?
千尋の事もあるし‥もしかしたら千尋を取られちゃうんじゃないかとも思ったんだけど‥」

そこで一度、言葉を切った彼女は
目の前に広がる青い海原へと視線を向けた


「楓さん‥千尋に自分はおばあちゃんだって告げて‥
私には”千尋を産んでくれてありがと”って‥
来るのが遅くなってしまったって‥」


今さらながらに気付いた自身の愚かさと
ババァの想いが俺の体内にずっと眠ったままだった
滾るような感情を呼び覚まし
気付いたら頬を熱い物が流れ落ちていた

子供にするように背中を擦る彼女の手の温かさを感じながらも
涙が止まらない





泣き出してしまった道明寺の背中にそっと手を添えて
ゆっくりと擦ってあげる


少しだけ歳を取ったけれど端正な顔立ちは変わっていなくて


口元を押さえながら子供みたいに泣く彼の離れていた時間の孤独と後悔を見たような気がした


楓さんはそれ以降、2~3ヶ月に一度島を訪れていて
最初の頃は日帰りだったけれど
何度目かの訪問からは泊まっていくようになっていた


来る度に千尋に大量のお土産を持参されていて
小学校の入学式の時に着た洋服も
ランドセルも学習机も自転車も‥


全部、楓さんから贈られた物


千尋もすっかり楓さんに懐いていて
島を訪問中は”おばあちゃん!おばあちゃん!”と
普段なら学校から帰ったらすぐに遊びに出てしまうのに
それをせずずっと楓さんの後ろをついて回っていた


島に滞在中の楓さんは以前見ていたような険しい表情じゃなくて
この縁側に千尋と並んで座り海を見ながら
穏やかな表情で話をしていた

だから私の思い出の中にいる楓さんはいつも穏やかに笑みを浮かべている


最後の訪問の時だって‥


病気だって事を千尋にも包み隠さず正直に話をされ
治療の為に暫くは来られない事
必ず良くなってまた島に来るからと
千尋と約束されていた

その願いは叶えられなかったけれど


私と千尋の中では今でも楓さんは生きている


穏やかな笑みを浮かべてこの縁側に座り
海を眺めている姿を覚えている‥


いつまでも覚えている‥







応援ありがとうございます。

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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2019/03/03 (Sun) 20:32 | EDIT | REPLY |   

kirakira  

ゆ○た○う様

こんばんは。(#^.^#)
コメントありがとうございます。😆

どうしても悪役のイメージのある楓さんですが
二次でも酷い扱いの時もあるのですが‥😅
基本はやっぱり母親としての愛情をきちんと持っている人として
描きたいなぁ~と思っているので今回も楓さんに動いていただきました。
後で知る楓さんの母親としての愛情を坊っちゃんがちゃんと感じてくれていると思います。♥

2019/03/04 (Mon) 18:44 | EDIT | REPLY |   

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