月夜に 2
こんばんは。
少しずつでごめんなさいm(__)m
それではどうぞ~✴
つくしのバイト先の団子屋さん
「ハァ~」
タメ息ばかりが零れ落ちているつくし
本人は無意識なのだろうけれど一緒に仕事をしている優紀は
先程からタメ息ばかりのつくしの様子が気になってしかたがない
「どうしたの?つくし?
さっきからため息ばっかりついてるよ。」
「えっ…?私、ため息なんてついてた?」
「ついてたよ、今日は今ので8回目」
「…やだ…数えてたの?」
「ねぇ、つくし?本当に大丈夫なの?なんか顔色も悪いし
ちゃんとご飯食べてる?」
「大丈夫だよ、ちゃんと食べてるし。
ちょっと疲れが溜まってるだけだから」
「分かった。でもね、つくし?話せるようになったらちゃんと言ってね。
私、待ってるから」
「ありがとう、優紀」
優紀には笑顔で答えたものの、話せるようになったら……か、
本当にそんな日が来るのだろうか?
どれぐらいの時間がたてばこの想いを断ち切る事ができるんだろう?
おつかれさまでした~!
あ~疲れた~
でも、がんばらなきゃね!
もう一人じゃないんだし
団子屋の裏口から出て大通りへと向かって歩き始めた所で
後ろから声を掛けられた
呼び止められた声に従い振り向くと
そこに立っていたのは海ちゃん‥
今は彼女には会いたくなかった
だけどそんな私の気持ちには全く気づく様子はない彼女は
変わりない屈託のない笑顔で私に近づいてくる
「つくしちゃん!おつかれさま~!」
「う、海ちゃん…どうしたの?」
「あのね私、つくしちゃんにはちゃんと報告しとこうと思って!」
報告?
彼女が私に何を報告したいのかは分からないけれど
道明寺の事なら何も聞きたくない…
これ以上、自分が嫌な女になっていくのを自覚したくないから
彼女に対して沸いてくるのは嫉妬だとか苛立ちばかりで
私の中に黒くてドロドロとした塊が湧き出してくる
そんな感情ばかりに支配されて上手く笑えなくなる
「別に私はもう関係ないから・・」
彼女を振り切って歩き出そうとしたけど諦めてくれないて
後ろから彼女が着いて来る足音が聞こえる
何なの?
今さら私に何の報告があるっていうのよ!
無神経な女!
大嫌い!
だけど‥
彼女の事そんな風にしか見れない自分がもっと嫌いなの‥
だからもう‥
そう思っているのに‥
背中から追い掛けてきた彼女の言葉に息が止まる
「今日、司に告白したの!そしたら司OKしてくれたんだ。
だから私達付き合うことになったから、ごめんね。
それだけ言っておこうと思って!」
嬉しそうな彼女の声が頭の中でリフレインしている
何なの?
そんな事を言うために待ってたの…?
もういい加減やめてよ
もう何も考えられないや…
何も感じないし……
全てがどうでもいい……
忘れよう……
忘れてしまおう……
彼女の言葉にもう振り返る事なく歩き始め
いつのまにか涙が零れ落ちてきていた
どこをどう歩いたんだろう・・・・・・?
ここって何処なんだろう・・・?
いつから雨…降ってるんだろう……?
体が重い…
さっきからお腹の辺りに刺すような痛みを感じる…
足も痺れてきたみたい…?
もう歩け‥な、いの‥
歩きたく‥ないの‥
助け‥て‥誰か‥
‥お願い‥花沢‥類‥!
つくしはそのまま道の真ん中でうずくまってしまった
道行く人々は怪訝な顔を彼女に向けるだけで
誰も声をかける人はいなかった
身体に感じる雨の冷たさの中
誰かに呼ばれた気がした‥
「‥‥誰?」
美作家のリムジンの中
あ~あ~今日はついてない
せっかくマダムとのデートだったのに
急にダンナが帰ってきたとかでドタキャンされるし
おまけに雨は降ってくるし
このまま帰んのもなぁ~クラブでも行くか?
総二郎来てるかな?
そんな事を考えながら頬杖ついて窓の外に流れる景色に目を向けていた
今朝の天気予報では雨が降るなんて言っていなかったせいか
傘をささずに雨を避けながら
小走りで駅の方へと走って行く人々が見える
夜になるとかなり冷える
その上雨まで降ってきたので一気に気温が下がってきている
道行く人の中には寒そうに歩く姿が見える
そんな中で道端でうずくまってる変な女が目に飛び込んできた
なんだ?
何やってんだ?
あの女・・・って、あの制服って‥オイ!
「おい、車止めろ!」
雨のために少し渋滞していたので車はそれ程スピードは出ていなかった
それでもすれ違いざまに一瞬だけだけどはっきりと顔が見えた
突然のあきらの怒鳴り声にびっくりした運転手が
慌てて車を路肩に寄せた
まだ完全に止まっていない車から飛び出し
うずくまっている女性にあわてて駆け寄る
「おい、牧野!どうしたんだ?大丈夫か!?」
あきらの呼びかけにつくしは少しだけ反応した
よかった、意識はある・・
「おい!しっかりしろ!」
「おな・か・・イ・タ・・の・・赤・ちゃ・・が・・」
そう言うとつくしは意識を失ってしまった
「おい!牧野!」
慌ててぐったりするつくしを抱きかかえ車に飛び乗る
クソッ!!
なんなんだよ!?
あきらはつくしを膝の上に抱きかかえたまま意識を失う直前に
つくしが言った言葉を思い出していた
こいつ確かに”赤ちゃん”がって言ったよな?
どういうことだ??
まさかこいつ妊娠してるのか?
ハァ~~??
あきらは急いで携帯を取り出し自宅へ掛け
つくしを抱きかかえたままで屋敷へ駆け込み
ゲストルームのベッドへと寝かせる
連絡してあったのですでに美作家の主治医である今野が到着していた
診察の間、リビングで考え込んでいた
もしもの場合を考えて、今野には牧野が妊娠している
可能性がある事は伝えてあるが
どうする?
この状況をどうすればいい?
類たちにも知らせるべきか?
でも・・もし牧野が本当に妊娠しているなら?
今はまだ知らせないほうがいいだろう
父親は・・司・・以外には考えられない・・・よな?
マジかよ?
あいつら何時の間に・・
ったくあのバカ!
避妊ぐらいちゃんとしとけよな!
自身の思考が行き着いた先に頭を抱えていると
診察を終えた今野がリビングに入ってきた
彼はあきらが産まれる前から美作家の主治医をしていて信頼できる人物だから
もしもの場合を考えて病院には連れて行かず
自宅に連れ帰り彼に診察をお願いしていた

応援ありがとうございます。
少しずつでごめんなさいm(__)m
それではどうぞ~✴
つくしのバイト先の団子屋さん
「ハァ~」
タメ息ばかりが零れ落ちているつくし
本人は無意識なのだろうけれど一緒に仕事をしている優紀は
先程からタメ息ばかりのつくしの様子が気になってしかたがない
「どうしたの?つくし?
さっきからため息ばっかりついてるよ。」
「えっ…?私、ため息なんてついてた?」
「ついてたよ、今日は今ので8回目」
「…やだ…数えてたの?」
「ねぇ、つくし?本当に大丈夫なの?なんか顔色も悪いし
ちゃんとご飯食べてる?」
「大丈夫だよ、ちゃんと食べてるし。
ちょっと疲れが溜まってるだけだから」
「分かった。でもね、つくし?話せるようになったらちゃんと言ってね。
私、待ってるから」
「ありがとう、優紀」
優紀には笑顔で答えたものの、話せるようになったら……か、
本当にそんな日が来るのだろうか?
どれぐらいの時間がたてばこの想いを断ち切る事ができるんだろう?
おつかれさまでした~!
あ~疲れた~
でも、がんばらなきゃね!
もう一人じゃないんだし
団子屋の裏口から出て大通りへと向かって歩き始めた所で
後ろから声を掛けられた
呼び止められた声に従い振り向くと
そこに立っていたのは海ちゃん‥
今は彼女には会いたくなかった
だけどそんな私の気持ちには全く気づく様子はない彼女は
変わりない屈託のない笑顔で私に近づいてくる
「つくしちゃん!おつかれさま~!」
「う、海ちゃん…どうしたの?」
「あのね私、つくしちゃんにはちゃんと報告しとこうと思って!」
報告?
彼女が私に何を報告したいのかは分からないけれど
道明寺の事なら何も聞きたくない…
これ以上、自分が嫌な女になっていくのを自覚したくないから
彼女に対して沸いてくるのは嫉妬だとか苛立ちばかりで
私の中に黒くてドロドロとした塊が湧き出してくる
そんな感情ばかりに支配されて上手く笑えなくなる
「別に私はもう関係ないから・・」
彼女を振り切って歩き出そうとしたけど諦めてくれないて
後ろから彼女が着いて来る足音が聞こえる
何なの?
今さら私に何の報告があるっていうのよ!
無神経な女!
大嫌い!
だけど‥
彼女の事そんな風にしか見れない自分がもっと嫌いなの‥
だからもう‥
そう思っているのに‥
背中から追い掛けてきた彼女の言葉に息が止まる
「今日、司に告白したの!そしたら司OKしてくれたんだ。
だから私達付き合うことになったから、ごめんね。
それだけ言っておこうと思って!」
嬉しそうな彼女の声が頭の中でリフレインしている
何なの?
そんな事を言うために待ってたの…?
もういい加減やめてよ
もう何も考えられないや…
何も感じないし……
全てがどうでもいい……
忘れよう……
忘れてしまおう……
彼女の言葉にもう振り返る事なく歩き始め
いつのまにか涙が零れ落ちてきていた
どこをどう歩いたんだろう・・・・・・?
ここって何処なんだろう・・・?
いつから雨…降ってるんだろう……?
体が重い…
さっきからお腹の辺りに刺すような痛みを感じる…
足も痺れてきたみたい…?
もう歩け‥な、いの‥
歩きたく‥ないの‥
助け‥て‥誰か‥
‥お願い‥花沢‥類‥!
つくしはそのまま道の真ん中でうずくまってしまった
道行く人々は怪訝な顔を彼女に向けるだけで
誰も声をかける人はいなかった
身体に感じる雨の冷たさの中
誰かに呼ばれた気がした‥
「‥‥誰?」
美作家のリムジンの中
あ~あ~今日はついてない
せっかくマダムとのデートだったのに
急にダンナが帰ってきたとかでドタキャンされるし
おまけに雨は降ってくるし
このまま帰んのもなぁ~クラブでも行くか?
総二郎来てるかな?
そんな事を考えながら頬杖ついて窓の外に流れる景色に目を向けていた
今朝の天気予報では雨が降るなんて言っていなかったせいか
傘をささずに雨を避けながら
小走りで駅の方へと走って行く人々が見える
夜になるとかなり冷える
その上雨まで降ってきたので一気に気温が下がってきている
道行く人の中には寒そうに歩く姿が見える
そんな中で道端でうずくまってる変な女が目に飛び込んできた
なんだ?
何やってんだ?
あの女・・・って、あの制服って‥オイ!
「おい、車止めろ!」
雨のために少し渋滞していたので車はそれ程スピードは出ていなかった
それでもすれ違いざまに一瞬だけだけどはっきりと顔が見えた
突然のあきらの怒鳴り声にびっくりした運転手が
慌てて車を路肩に寄せた
まだ完全に止まっていない車から飛び出し
うずくまっている女性にあわてて駆け寄る
「おい、牧野!どうしたんだ?大丈夫か!?」
あきらの呼びかけにつくしは少しだけ反応した
よかった、意識はある・・
「おい!しっかりしろ!」
「おな・か・・イ・タ・・の・・赤・ちゃ・・が・・」
そう言うとつくしは意識を失ってしまった
「おい!牧野!」
慌ててぐったりするつくしを抱きかかえ車に飛び乗る
クソッ!!
なんなんだよ!?
あきらはつくしを膝の上に抱きかかえたまま意識を失う直前に
つくしが言った言葉を思い出していた
こいつ確かに”赤ちゃん”がって言ったよな?
どういうことだ??
まさかこいつ妊娠してるのか?
ハァ~~??
あきらは急いで携帯を取り出し自宅へ掛け
つくしを抱きかかえたままで屋敷へ駆け込み
ゲストルームのベッドへと寝かせる
連絡してあったのですでに美作家の主治医である今野が到着していた
診察の間、リビングで考え込んでいた
もしもの場合を考えて、今野には牧野が妊娠している
可能性がある事は伝えてあるが
どうする?
この状況をどうすればいい?
類たちにも知らせるべきか?
でも・・もし牧野が本当に妊娠しているなら?
今はまだ知らせないほうがいいだろう
父親は・・司・・以外には考えられない・・・よな?
マジかよ?
あいつら何時の間に・・
ったくあのバカ!
避妊ぐらいちゃんとしとけよな!
自身の思考が行き着いた先に頭を抱えていると
診察を終えた今野がリビングに入ってきた
彼はあきらが産まれる前から美作家の主治医をしていて信頼できる人物だから
もしもの場合を考えて病院には連れて行かず
自宅に連れ帰り彼に診察をお願いしていた

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト