月夜に 11
こんにちは。(#^.^#)
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
俺は出発直前に空港から総二郎の携帯に連絡を入れた
「もしもし、総二郎か?」
『おう!あきらか?どうしたんだ?』
「俺、今からパリに行ってくるわ」
『あん?何しに行くんだ?』
「留学だよ。あっちの大学に通うことになったから」
『はぁ~?何言ってんだよお前!そんな事、一言も言ってなかったじゃねぇーか?
どういうことだよ?』
「急に決まったから、連絡する暇もなくて悪かったな。
しばらくは忙しくて戻れないと思うけど元気でな。
類達にもよろしく言っといてくれな」
『えっ・・・って、お前今どこに居るんだ?』
「空港だよ。もう時間だから切るな」
『あっ、おい、あきら・・・・!!』
切れてるよ
あきらからの電話の後、総二郎はあわてて類に電話をしていた
「もしもし、類か?」
『ダレ?』
「俺だよ!総二郎だよ。
おい!類、寝ぼけてんのか?」
『ちゃんと起きてるよ。慌てて何かあったの?』
「今、あきらから電話があったんだ!
あいつ今からパリに行くって!」
『どうして?』
「留学するからしばらく帰ってこれないからって」
『ふ~ん、そうなんだ』
緊迫感の全く感じられない類の声に総二郎は自分が慌てているのが馬鹿らしく思えてくる
「ふ~んって、お前、やけに落ち着いてんな?知ってたのかよ?」
『知らないよ。でも俺たちっていつまでもこのままじゃいられないでしょ?
たまたまあきらが最初だったってだけじゃないの?』
「まぁ・・そうだけど、何かおかしくねぇーか?
俺達に何にも言わないで行くなんてあいつらしくねぇーし」
『そうだけど、休みの日には帰ってくるんでしょ?
それにパリだったらこっちから遊びに行けばいいんじゃない』
「あぁ、そうだな・・」
『それより、司には知らせたの?』
「いいや、まだだ。お前にしか連絡してない」
『そっ!じゃ教えてあげれば?俺は眠いからまたね』
「あっ、おい!類!」
切れてるよ・・・
ったくどいつもこいつも!
やっぱ司にも伝えなきゃいけねぇよなぁ~
でもなぁープロム以来会ってないっちゅうか話もしてねぇーしな~
あーでも何で俺なんだよ!?
気が重い・・・けど・・・電話するか・・・・
あぁ~
総二郎への電話を終えると櫻が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた
「あきら、どうしたの?大丈夫?電話、もういいの?」
「・・えっ・・あぁ?」
「なんか、すっごい顔してるよ?」
「そうか?何でもないよ」
そう言って櫻に微笑んでみせると安心したよう櫻も微笑を返してくれる
「そう、よかった。
ねぇ、私って飛行機乗ったことあるのかな?」
「あるよ」
「ふ~ん、でも、憶えてないんだから初めてと同じだよね?」
「そうだな」
「フフフッ・・・」
「なんだよ?何、急に笑ってるんだ?」
「えっーとね、記憶が無いのもこんな時は楽しいかなぁ~って思って。
だって、初体験な事がいっぱいあるんだもの」
「ハハハハ…お前らしいなぁ、その考え方」
「私らしい…?
そっか、やっぱ記憶が無くても性格までは変わらないのかな?」
頬を薄っすらと赤く染めて少し俯き加減で私らしいと言う言葉を喜んでいる
記憶を失くしてしまい自分が17年間使ってきた牧野つくしと言う名前さえも
分らなくなってしまった彼女は自分の言動、行動、全てにおいて自信が持てず
懐疑的になっている
確かに明るさを取り戻し少しづつだが笑顔を見せてくれるようにはなった
だけど今、俺の目の前にいる彼女はあの頃の牧野つくしとは別人だ
「そうかもな‥」
「ほら、そろそろ時間だぞ。行くか?」
俺は櫻の手を取り歩きはじめる
これから先、パリでどんな未来が待っているかは分からない
でもこの手を離さずに行ける所まで行ってみよう
大丈夫だ、櫻と一緒ならなんとかなる
「うん」
あきらが差し出した手を取り歩きはじめる
バイバイ、牧野つくし・・・・・・・また、いつか
私は私にさよならを告げ、搭乗口へと向う・・・・
今、私の手を取り少し先を歩いている彼を信じて
行ける所まで行ってみよう大丈夫、あきらが一緒なら不安は無い

応援ありがとうございます。
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
俺は出発直前に空港から総二郎の携帯に連絡を入れた
「もしもし、総二郎か?」
『おう!あきらか?どうしたんだ?』
「俺、今からパリに行ってくるわ」
『あん?何しに行くんだ?』
「留学だよ。あっちの大学に通うことになったから」
『はぁ~?何言ってんだよお前!そんな事、一言も言ってなかったじゃねぇーか?
どういうことだよ?』
「急に決まったから、連絡する暇もなくて悪かったな。
しばらくは忙しくて戻れないと思うけど元気でな。
類達にもよろしく言っといてくれな」
『えっ・・・って、お前今どこに居るんだ?』
「空港だよ。もう時間だから切るな」
『あっ、おい、あきら・・・・!!』
切れてるよ
あきらからの電話の後、総二郎はあわてて類に電話をしていた
「もしもし、類か?」
『ダレ?』
「俺だよ!総二郎だよ。
おい!類、寝ぼけてんのか?」
『ちゃんと起きてるよ。慌てて何かあったの?』
「今、あきらから電話があったんだ!
あいつ今からパリに行くって!」
『どうして?』
「留学するからしばらく帰ってこれないからって」
『ふ~ん、そうなんだ』
緊迫感の全く感じられない類の声に総二郎は自分が慌てているのが馬鹿らしく思えてくる
「ふ~んって、お前、やけに落ち着いてんな?知ってたのかよ?」
『知らないよ。でも俺たちっていつまでもこのままじゃいられないでしょ?
たまたまあきらが最初だったってだけじゃないの?』
「まぁ・・そうだけど、何かおかしくねぇーか?
俺達に何にも言わないで行くなんてあいつらしくねぇーし」
『そうだけど、休みの日には帰ってくるんでしょ?
それにパリだったらこっちから遊びに行けばいいんじゃない』
「あぁ、そうだな・・」
『それより、司には知らせたの?』
「いいや、まだだ。お前にしか連絡してない」
『そっ!じゃ教えてあげれば?俺は眠いからまたね』
「あっ、おい!類!」
切れてるよ・・・
ったくどいつもこいつも!
やっぱ司にも伝えなきゃいけねぇよなぁ~
でもなぁープロム以来会ってないっちゅうか話もしてねぇーしな~
あーでも何で俺なんだよ!?
気が重い・・・けど・・・電話するか・・・・
あぁ~
総二郎への電話を終えると櫻が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた
「あきら、どうしたの?大丈夫?電話、もういいの?」
「・・えっ・・あぁ?」
「なんか、すっごい顔してるよ?」
「そうか?何でもないよ」
そう言って櫻に微笑んでみせると安心したよう櫻も微笑を返してくれる
「そう、よかった。
ねぇ、私って飛行機乗ったことあるのかな?」
「あるよ」
「ふ~ん、でも、憶えてないんだから初めてと同じだよね?」
「そうだな」
「フフフッ・・・」
「なんだよ?何、急に笑ってるんだ?」
「えっーとね、記憶が無いのもこんな時は楽しいかなぁ~って思って。
だって、初体験な事がいっぱいあるんだもの」
「ハハハハ…お前らしいなぁ、その考え方」
「私らしい…?
そっか、やっぱ記憶が無くても性格までは変わらないのかな?」
頬を薄っすらと赤く染めて少し俯き加減で私らしいと言う言葉を喜んでいる
記憶を失くしてしまい自分が17年間使ってきた牧野つくしと言う名前さえも
分らなくなってしまった彼女は自分の言動、行動、全てにおいて自信が持てず
懐疑的になっている
確かに明るさを取り戻し少しづつだが笑顔を見せてくれるようにはなった
だけど今、俺の目の前にいる彼女はあの頃の牧野つくしとは別人だ
「そうかもな‥」
「ほら、そろそろ時間だぞ。行くか?」
俺は櫻の手を取り歩きはじめる
これから先、パリでどんな未来が待っているかは分からない
でもこの手を離さずに行ける所まで行ってみよう
大丈夫だ、櫻と一緒ならなんとかなる
「うん」
あきらが差し出した手を取り歩きはじめる
バイバイ、牧野つくし・・・・・・・また、いつか
私は私にさよならを告げ、搭乗口へと向う・・・・
今、私の手を取り少し先を歩いている彼を信じて
行ける所まで行ってみよう大丈夫、あきらが一緒なら不安は無い

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト