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意地っ張りで可愛くない彼女を素直で可愛い彼女にする方法──その2

こんにちは。🎵

本日は積み残し分のUPです。
このお話しはタイトル通りその1があります。
続き物ではありませんがまだの方はそちらも合わせてどうぞ~✴

つくしちゃん‥いつもと違って可愛いです🎶



いつも応援ありがとうございます。(#^.^#)
現在、少しバタバタしておりますので
頂いたコメントのお返事は後ほど‥m(__)m











俺の彼女は意地っ張りで可愛くない


だけど本当は意地っ張りで可愛げの無い仮面の下に


素直で可愛い彼女が隠れている事も
俺はちゃんと知っている



今夜もその仮面の下の彼女に会うために俺は彼女の部屋をノックする・・





今夜、俺が手にしている物はワインじゃなく一枚のDVD


昨年暮れに彼女が使っていた目覚まし時計が壊れたのを機に


二人で家電量販店に出向きいくつかの電化製品を新しくしていた


彼女はそんな高価な物いらないと渋っていたが


俺が欲しいからと買った物の中にDVDプレイヤーが含まれている


実際、二人で過ごす時間の中でテレビを点けている事は稀だけど
たまに映画を見たりしている


今夜、俺がチョイスしたのはハリウッドでもリメイクされたホラー映画だ

人間って苦手な物にもそれぞれ特徴がある

例えばスピード狂なのに高い所はダメだとか

ジェットコースターなんかの絶叫系のマシーンは大丈夫なのに

お化け屋敷はからっきしダメだとか


まぁ、いろいろあると思うけど


俺の彼女はまさに絶叫系はOKだけどお化け屋敷は全くダメ


俺はその逆で絶叫系のマシンは苦手だけどお化け屋敷なんかは全然楽勝だ!


特に人間がやっているお化け屋敷なんてのは何が怖ぇんだ?!って感じだけど


俺の彼女はお化け屋敷に一歩足を踏み入れた途端


俺の腕にしがみつき顔を隠しながら最後までほんの些細な音にまで
面白いように反応していた


つまり俺の彼女はお化けが苦手って事はホラー映画も苦手って事だろ?


俺がそれを見逃すと思うか?


さぁ、今夜もたっぷりと素直で可愛い彼女を堪能させてもらうとしよう


今夜、帰りに寄るって事は伝えてある


ドアをノックするといつものように中から声がして

ドアが開けられる


知り合った頃の幼さはすっかり抜け


最近ではほんのりと色気を漂わせるようになってきた彼女


性格は相変わらず鈍感だから自覚はしてねぇーようだけど
勤め先でもかなりモテている・・・


お陰で俺様の気が休まる暇がねぇ!


笑顔で俺を出迎えた彼女


「おかえりなさい」


「おう!」


彼女が開けてくれたドアから部屋へと上がりこむ


後ろから付いてきていた彼女に脱いだコートとスーツの上着を手渡すと
いつものようにハンガーにかけながら


「ご飯食べた?」


「あぁ、会食だったからな」


「お腹すいてない?」


「あぁ、もういい」


「そう。
 ねぇ、今日はワインないの?」


「あぁ、持ってこなかったけど
 飲みたかったのか?」


「ううん、そういうわけじゃないけど・・
最近はいつもワイン持って来てたでしょ?
だから今日も持ってくるかなって思っておつまみ用意してたんだけど・・
今夜はお酒飲まない?」


「あぁ、酒はもういい。
 コーヒー淹れてくれないか?」

「うん、分かった」


そう言うと俺専用のカップと自分用のカップにコーヒーを淹れ

俺の隣へと腰を下ろした彼女


「ねぇ、なに見るの?」


「こないだ財閥で買収した映画会社の新作の映画のDVDだ」


「ふ~ん・・どんな内容なの?
 面白いの?」



「詳しくは知らねぇーけど。
 アメリカでは結構、客が入ったらしいぞ」


「そーなんだ・・楽しみだね」


そう言いながら自分のカップに口をつけている
彼女を横目で窺う


映画が始まると


彼女の視線はテレビに向けられたまま


始まってしばらくは普通に画面を見つめていた彼女だったが

ストーリーが進むに従ってだんだんと様子が変わってきた・・


少しずつ映画の内容がホラーっぽくなってくると
彼女はコーヒーカップを握り締めたまま固まってしまっている


「・・ねぇ・・ねぇ・・これって・・もしかしてホラー?」


「そーみてぇーだな」


「知らなかったの?」


「あぁ、どうした?怖ぇーのか?」


こう言えば意地っ張りな彼女の反応は分かっている


「そ、そんなわけないでしょ!
 つ、司こそ怖いんじゃないの?!」


「俺様がこんな作りもんにビビるわけねぇーだろ」


「・・あああたしだってだ、大丈夫よ!」


すげぇしどろもどろになりながらも強気の姿勢を崩さない彼女


「だったら問題ねぇーだろ。
 続き見るぞ!」


心の中でほくそ笑みながら視線を彼女から外しテレビ画面へと移動させる

彼女も手に持ったままだったカップをテーブルに置くと
視線を画面に戻した

映画が始まって1時間を過ぎる頃にはもう完全なるホラー映画で
予想通りの展開に俺としてはこんなもんのどこが怖いんだと思うけれど

隣に座る彼女はと言うと・・

これまた全くの予想通りで笑ってしまいそうになる

映画が始まった当初は少し空いていた俺と彼女の間のスペースも
いつの間にか無くなっていて俺の腕に腕を絡め
俺の肩口で顔を隠すようにして画面を見ている

そしてお決まりの場面でお決まりの反応を示す彼女・・


時折"キャ!"と言う短い悲鳴と共に身体をビクリを震わせる彼女に
笑いが零れるけど

当の彼女は俺のそんな様子を気にする余裕はないようで
怖いのに画面から目が離せない・・

自分が矛盾する状態に陥っている事に気がついていない


2時間足らずのストーリーの中で後半のほとんどは彼女の嫌いなシーンの連続で

目を見開き固唾を呑み動きが止まってしまっている彼女は
俺の腕にしがみ付いたまま

腕に感じる彼女の胸の感触が心地よくて
後半のほとんどはそっちの方に気を取られていて
映画なんて全く頭に入ってこねぇ


映画が終わり画面にエンドロールが流れ始めると
俺に密着していた彼女の身体も離れていく


やっとホッとしたのか隣の彼女は俺に気付かれないように
小さく息をついている


そんな姿にも心の中で小さくほくそ笑む

ここまできてもまだ怖がっていた事を俺に悟られないようにしている
彼女の気の強さがたまらなく可愛い

さて、そろそろ作戦の最終段階と行きますか・・

エンドロールも終わりに近づいた頃
座っていたソファーから腰を上げ
わざとゆっくりと上着を手に取った

彼女が俺の行動を見つめているのは見なくても
背中に感じる視線で分かる


「・・も、もう・・帰るの・・?」


背中越しに届く小さな声

その声は俺の耳にしっかりと届いているのに
ワザと聞こえていないフリで聞き返す


「ん?どうしたんだ?」


上着に腕を通しながら振り向くと
少し戸惑ったような彼女の潤んだ瞳が俺を見上げている


「・・えっ・・今日はは、早いんだね・・」

「あぁ、明日朝一で会議があるからな」

「・・そ、そっか・・それじゃあしょうがないね・・」



俺の彼女は意地っ張りで嘘つきだ

だけど本当は素直で正直者だ

しょうがないね・・と口では言っていても

彼女の表情は明らかに俺に帰って欲しくないと言っている


「あぁ、悪いな。
 今度はもっとゆっくり出来るように時間作るから」


「う、うん・・」


玄関へ向かう俺の後をついてくる彼女

靴を履いているとスーツの裾を小さく掴む感触がした

もう一押しだな

スーツの裾を掴む彼女の指先には気付かないフリをして
そのままドアノブへと手を掛けると


「・・つ、つかさ・・」

俺の名前を呼ぶ普段からは考えられないくらいか細い彼女の声に振り返る


「どうしたんだ?」

「・・えっ!?・・あ・・うん・・あのね・・
 もう少しだけ一緒に居て・・欲しいんだけど・・」


作戦成功!

俺のスーツの裾を掴んだまま真っ赤になって俯く彼女に
心の中でガッツポーズ


「しょうがねぇーな、
 もう少しだけだぞ!」


「う、うん・・ありがとう・・」


そんな彼女の頭に手を置き微笑みソファーへ逆戻りすると
無意識のうちに俺にぴったりと身体を寄せて座る彼女

そんな彼女を抱き寄せるように肩に腕を回す


明日、朝一で会議があるって言うのは本当だけど
会議があるのはいつもの事だし特に屋敷に帰る必要など無い


だけど彼女はその事実を知らない

たった一本の映画が連れて来てくれる素直で可愛い彼女

俺達の夜はこれから始まる・・・




      ~ Fin ~





応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2019/05/10 (Fri) 15:08 | EDIT | REPLY |   

kirakira  

悠○様

こんにちは。(#^.^#)
コメントありがとうございます。😆

続きは‥ムフフ💕ですね🎶
甘えるつくしちゃんにニンマリの司君です。♥

2019/05/11 (Sat) 15:55 | EDIT | REPLY |   

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