月夜に 18
こんばんは。♥
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
静かにゆっくりと話し始めた彼の言葉に私は何も言えなかった
彼がこの6年間抱えてきた物の大きさに涙が溢れ出す
「牧野つくしは今、パリで生活している」
「やっぱり、見間違いじゃなかったのね」
「あぁ・・」
「だったら何故、隠そうとするの?
わざわざこんな物まで作って隠す必要があるの?
つくしちゃんが会いたくないって言ったの?」
「・・・・・」
「何とか言ってよ」
「・・・牧野は何も言ってないよ」
「だったらどうして?
つくしちゃんに一体何が起きてるの?」
「何かが起こってるって・・どうしてそう思うんだ?」
「だって、普通じゃないでしょ?この6年間、類も司も思いつく限りの
手を使ってつくしちゃんを探してるのに、つくしちゃんどころか彼女の家族の
手掛かりすら出てこないのよ?誰だっておかしいと思うわよ!」
「そうだな・・・類も電話で同じような事を言ってた・・
とにかく、牧野も牧野の家族も元気だよ」
「だから、その事をどうしてあきらが知ってるのかって聞いてるのよ?
もしかして・・その事があなたが日本に帰らない事と関係しているの?」
「・・・・相変わらず厳しいな・・」
「はぐらかしてないでいい加減、ちゃんと話してくれないかしら?」
「分かったよ。まず牧野つくしって名前は現在は存在しないんだ」
「名前が変わってるって事?」
「そうだ、あいつの今の名前は美作櫻なんだ。
それから、櫻に関する情報は家族の事も含めて一切が伏せられている。
いくら類達が探したところで何も出てはこないようになってるよ」
「どうして・・・・?つくしちゃんが・・美作って・・
まさか、あなた・・つくしちゃんと結婚してるとかって言うんじゃないわよね?!」
「違うよ、俺も櫻も独身だ。
あいつは今、戸籍上は俺の妹になってる」
「いもうと…?」
「そうだ、6年前からパリで一緒に暮らしてる」
「どうして、そんな事になってるのよ?」
「静、櫻が・・牧野つくしが姿を消した時の事ってどれぐらい聞いてる?」
「一応、類から一通り聞いて知ってるけど・・」
「そうか」
失踪
6年前、類からの電話で司が刺された事を聞いた
そして、目を覚ました司がつくしちゃんの事を忘れてしまったことも
つくしちゃんが居なくなったって聞いたのはそれからほどなくしてだった
『静?!』
珍しく慌てた声の類からの電話で目が覚めた
「類?どうしたの?」
「牧野が・・・・牧野が何処にもいないんだ!
牧野の家族も・・・いないんだ・・・・」
「どう言うことなの?どうしてつくしちゃんがいなくならなきゃいけないの?
もしかして、司の事・・?」
「多分、理由はそれしか考えられない・・
牧野、学校もずっと休んでて俺たちもしばらく会ってなかったんだ」
「どうして、あなた達はつくしちゃんに会いに行ってあげなかったの?」
「学校には欠席届が出されてて・・
司の事もあったから今はそっとしといた方がいいんじゃないかって思ったんだ
あいつが落ち着くまで・・・って・・・」
類の言葉から後悔だけが伝わってくる
「司はどうしてるの?記憶は戻ったの?」
「まだだよ・・司は今別の女と付き合ってて・・
牧野が居なくなった事にも無関心で・・・・」
「どうしてそんな事に・・?」
「最近は非常階段にも来なくなってたから、あいつが自分の気持ちに整理を
つけるまで、俺達の顔を見るのも辛いのかなって思ってたんだ!
そしたら今日、和也が牧野の退学届けが出されたって!
急いでアパートに行ったけど何も残っていなくて‥
あいつの家族もいないんだ!」
最後は悲鳴に近い声で類が叫んでいる
類のこんな声を聞いたのは初めてだった
「俺も総二郎も心当たりを探してるけど何も見つからなくて・・・
もう、どうしていいのか分かんなくて・・・」
「落ち着いて類、大丈夫よ!
あなた達が探してるんだからきっとすぐに見つかるわよ」
「う・・・ん・・・そうだといいんだけど・・・」
「大丈夫よ。
しばらくしたらきっとつくしちゃんの方から連絡があるわよ」
その時の私は本当にすぐに見つかると思っていた
だが実際には6年たっても何一つ分からなかった
その間、記憶を取り戻した司の動揺は激しく
現在の司は自分を傷つける事でかろうじて正気を保っている
でも、それもそろそろ限界にきているらしい

応援ありがとうございます。
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
静かにゆっくりと話し始めた彼の言葉に私は何も言えなかった
彼がこの6年間抱えてきた物の大きさに涙が溢れ出す
「牧野つくしは今、パリで生活している」
「やっぱり、見間違いじゃなかったのね」
「あぁ・・」
「だったら何故、隠そうとするの?
わざわざこんな物まで作って隠す必要があるの?
つくしちゃんが会いたくないって言ったの?」
「・・・・・」
「何とか言ってよ」
「・・・牧野は何も言ってないよ」
「だったらどうして?
つくしちゃんに一体何が起きてるの?」
「何かが起こってるって・・どうしてそう思うんだ?」
「だって、普通じゃないでしょ?この6年間、類も司も思いつく限りの
手を使ってつくしちゃんを探してるのに、つくしちゃんどころか彼女の家族の
手掛かりすら出てこないのよ?誰だっておかしいと思うわよ!」
「そうだな・・・類も電話で同じような事を言ってた・・
とにかく、牧野も牧野の家族も元気だよ」
「だから、その事をどうしてあきらが知ってるのかって聞いてるのよ?
もしかして・・その事があなたが日本に帰らない事と関係しているの?」
「・・・・相変わらず厳しいな・・」
「はぐらかしてないでいい加減、ちゃんと話してくれないかしら?」
「分かったよ。まず牧野つくしって名前は現在は存在しないんだ」
「名前が変わってるって事?」
「そうだ、あいつの今の名前は美作櫻なんだ。
それから、櫻に関する情報は家族の事も含めて一切が伏せられている。
いくら類達が探したところで何も出てはこないようになってるよ」
「どうして・・・・?つくしちゃんが・・美作って・・
まさか、あなた・・つくしちゃんと結婚してるとかって言うんじゃないわよね?!」
「違うよ、俺も櫻も独身だ。
あいつは今、戸籍上は俺の妹になってる」
「いもうと…?」
「そうだ、6年前からパリで一緒に暮らしてる」
「どうして、そんな事になってるのよ?」
「静、櫻が・・牧野つくしが姿を消した時の事ってどれぐらい聞いてる?」
「一応、類から一通り聞いて知ってるけど・・」
「そうか」
失踪
6年前、類からの電話で司が刺された事を聞いた
そして、目を覚ました司がつくしちゃんの事を忘れてしまったことも
つくしちゃんが居なくなったって聞いたのはそれからほどなくしてだった
『静?!』
珍しく慌てた声の類からの電話で目が覚めた
「類?どうしたの?」
「牧野が・・・・牧野が何処にもいないんだ!
牧野の家族も・・・いないんだ・・・・」
「どう言うことなの?どうしてつくしちゃんがいなくならなきゃいけないの?
もしかして、司の事・・?」
「多分、理由はそれしか考えられない・・
牧野、学校もずっと休んでて俺たちもしばらく会ってなかったんだ」
「どうして、あなた達はつくしちゃんに会いに行ってあげなかったの?」
「学校には欠席届が出されてて・・
司の事もあったから今はそっとしといた方がいいんじゃないかって思ったんだ
あいつが落ち着くまで・・・って・・・」
類の言葉から後悔だけが伝わってくる
「司はどうしてるの?記憶は戻ったの?」
「まだだよ・・司は今別の女と付き合ってて・・
牧野が居なくなった事にも無関心で・・・・」
「どうしてそんな事に・・?」
「最近は非常階段にも来なくなってたから、あいつが自分の気持ちに整理を
つけるまで、俺達の顔を見るのも辛いのかなって思ってたんだ!
そしたら今日、和也が牧野の退学届けが出されたって!
急いでアパートに行ったけど何も残っていなくて‥
あいつの家族もいないんだ!」
最後は悲鳴に近い声で類が叫んでいる
類のこんな声を聞いたのは初めてだった
「俺も総二郎も心当たりを探してるけど何も見つからなくて・・・
もう、どうしていいのか分かんなくて・・・」
「落ち着いて類、大丈夫よ!
あなた達が探してるんだからきっとすぐに見つかるわよ」
「う・・・ん・・・そうだといいんだけど・・・」
「大丈夫よ。
しばらくしたらきっとつくしちゃんの方から連絡があるわよ」
その時の私は本当にすぐに見つかると思っていた
だが実際には6年たっても何一つ分からなかった
その間、記憶を取り戻した司の動揺は激しく
現在の司は自分を傷つける事でかろうじて正気を保っている
でも、それもそろそろ限界にきているらしい

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト