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あいのことば 後編

こんばんは。🎵
本日は『あいのことば』後編です。🎶
それではどうぞ~✴


私信です
☆様
こんばんは。💕
コメントありがとうございます。😆
言わないですよねぇ~❗
大変な騒ぎになっちゃいますもの~✴ムフフ💕









カフェのテラス席

頭上から降り注ぐ太陽の光と髪を揺らす爽やかな風を感じながら
フォークで突き刺した目玉焼きと睨めっこ

"泣いたら負けよアップップ!"で
あたしの勝ち?負け?


「食いもんに八つ当たりしてんじゃねぇーよ!」


目の前に影が出来て頭上から降り注いだ声に
顔を上げると逆光の中に浮かび上がる見慣れたくるくる頭


「八つ当たりなんてしてないもん!」


逆光だから彼の表情は見えないけれど
その口調から機嫌は悪くないのが分かる

いや‥むしろ上機嫌かも


でね

その上機嫌さがなんだかムカつく


あたしは怒ってるんだからね!


この2週間


ず~っとムカついてるんだからね!

それなのに!

なんなのよ?!


なんで笑ってんのよ?!


「2週間ぶりなんだぞ!
んな睨むな!」

ガタリと音をさせて椅子を引き
あたしの前に腰を下ろすと
彼の腕が伸びてきて
頬に掛かっていた髪を後ろへと流し
耳へと掛け
綺麗な指先があたしの頬を滑るように撫でる


「なんでここに居るのよ?
帰国は明後日でしょ?」


「お前」

テーブルに肘をついたままあたしを指差した彼


「は?あたし?が何よ?」


「あんな熱烈なメール送ってこられたら
帰ってこねぇわけにはいかねぇーだろ?
だからソッコー終わらせて帰って来てやったぞ!」

帰って来てやったぞ!だなんて
頼んでないわよ!

可愛くないのは百も承知

これがあたしなんだから今さらでしょ?


「熱烈なメール?
あたしはそんなもの送ってないわよ?」

あたしが彼に送ったのは昨夜の酔った勢いの分だけ

他には送っていないはず‥

不思議に思いつつ横に置いていた
自分のスマホを確認してみるけど
やっぱり酔った勢いの分だけ


「ほら!これだ!」


彼があたしの目の前に差し出した
スマホの画面には夕べの酔った勢いメール


「これの何処が熱烈なのよ?」



だって内容が"ば~か!"と"くるくるあたま!"だけなのよ

これの何処が熱烈なわけ?


「熱烈じゃねぇーかよ!
お前から愛してるって言われてんだぞ!」

ん?


「とうとうひらがなまで読めなくなった?」


「馬鹿にすんな!それぐらい読める!」


「だったらなんで?」


本気で心配になってきた


「俺ん中ではお前からのバカは愛してるでくるくるあたまは会いたいだ!」


「なに?そのポジティブな変換機能は?」


「意地っ張りで素直じゃねぇ女と7年も付き合ってたらこうなんだよ!」


酷い言われようじゃない?


確かに素直じゃないかもしれないけど‥


張らなくていい所で意地張っちゃうけど‥

だけど


認めるのがちょっとだけ悔しくて‥


ほら!また天の邪鬼が顔を出す


「そんな女に惚れたのはあんたでしょ?」


「おぉ!だから俺様がちゃんと責任取って
一生幸せにしてやるよ!」


「どさくさに紛れてなに言ってんのよ?!」


「どさくさでもなんでもこれは俺の本心だ!
で、返事は?まぁ、聞かなくて分かってるけど
一応、聞いといてやる!」

出会った頃から変わらない俺様に
変わらない事が愛しくて
きっと一生このままなんだろうなぁって事が嬉しくて

どんなにムカついても
どんなにケンカをしても
やっぱりあたしは目の前に座る彼を17歳の頃から大好きで
どうしようもないくらい大切で
幸せにしてあげたいって思う唯一の相手なの


「バ~カ!」

笑いながらそう言ったあたしに
本当に嬉しそうに笑う彼

「おぅ!俺も愛してる!」


「プッ!」


ポジティブ変換に吹き出したあたしに
立ち上がった彼が手を差し出す

「行くぞ!」


その手に掴まり立ち上がる


「どこに行くの?」


「決まってんだろ!
区役所だ!」


「へっ?」


「届け出しに行くぞ!」


「今から?!」


「おぅ!善は忙しいだ!」

もぅ!なんでそこ間違うかな?!


「それ、急げ!だから」


「そう言っただろ?!」


「言ってないから!」


「どっちでもいいだろ?!
早く来い!」

繋いだままの手を自分の方へと引き寄せ歩き始めた彼


相変わらず日本語に弱いくせに
意地っ張りなあたしの言葉だけは
正しく変換してくれる彼に後ろから声をかけた


「ねぇ?道明寺?」


「ん?どうした?」

「くるくるあたま!」

振り返った彼の顔は逆光でよく見えなかったけれど
シルエットで笑っているのが分かる

「おぅ!俺も会いたかったぞ!」

繋いだ手を引き寄せ抱き寄せられた身体


"バ~カ!"


声には出さずに口の形だけで伝えた言葉


「おぅ!俺も愛してる!」


25センチ上から近づいてきた影

耳元で囁やかれた後、重なった唇


あたし達だけのあいのことばが
爽やかな初夏の風に乗り
幸せな未来へと歩き始めた





~fin~





久しぶりの短編いかがでしたでしょうか?💕
普段から糖度が足りないお話しばかりなので
たまにはケンカしながらも仲良しなつかつくをと思い
書きはじめたのですがやっぱりあまり甘くならない‥😅
どうすれば甘いの書けるんだろう?(T^T)


応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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