月夜に 27
こんばんは。🎵
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
総二郎には日本に帰る事を連絡しておいた
今ごろは総二郎が類達に電話している頃だろう
いよいよ明日、日本に帰る
俺にとっても櫻にとっても6年ぶりの日本
雛にとっては生まれて初めての日本
櫻の様子が気になっていたが、ここ数日は落ち着いてきている
東京 成田空港
「フゥー やっと着いたな。お前大丈夫か?」
「うん、大丈夫。それより、あなたの方が重いでしょ?大丈夫?」
「ああ、たしかに重い・・こいつ重たくなったな。
それにしてもよく寝てる」
「昨日からずっとはしゃいでて、飛行機の中でも興奮しちゃって全然寝なかったんだもん。
でも、さすがに疲れちゃったのね、本当によく寝てる」
眠ってしまった雛をあきらが抱いている
雛はあきらの腕の中で気持ちよさそうに寝息を立てている
あきらの肩に頬を乗せている雛の顔を覗き込むと顔に垂れている一筋の髪をそっとかき上げた
眠っている顔は本当に天使みたいだけど・・・・・
「ねぇ、雛、幸せそうな顔してるね。
どんな夢見てるんだろう?」
「そうだな。
きっと、ミッキーマウスやらドナルドダックなんかとダンスパーティーでもしてんじゃねぇか」
「そうだね・・」
雛の現在のお気に入りはディズニー
パリの家の雛の部屋は壁紙からカーテン
家具に至るまですべてがディズニーのキャラクターで統一されている
これは雛の
おじいちゃま~おねが~い
の攻撃にお父様達が競い合って特注で作らせた品々だった
現在、雛は毎日ミッキーやらドナルドやらに囲まれて生活している
「本当によく飽きないわよね?
私なんか雛の部屋にはいるだけで眩暈がしそうになるのに。」
「まぁ、そのうち飽きるだろ。それにディズニーも捨てたもんじゃないだろ?
こいついつのまにか英語が話せるようになってるし、今じゃお前より上手いんじゃないか?」
「たしかに、私より発音はいいわよね」
到着ロビーに出ると迎えがきていた
「あきら様、櫻様、お帰りなさいませ」
出迎えに来ていたのは美作家の運転手の篠田さんだった
「篠田さん、ご無沙汰してます」
「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
櫻様、お元気そうで何よりでございます」
「ありがとうございます。
篠田さんも元気そうで、ご家族のみなさんもお変わりありませんか?」
「はい、みな元気にしております。
ありがとうございます」
「おい、挨拶はそれぐらいでいいだろう?
重いんだよ」
「あっ、申し訳ございません。
お車までご案内いたします」
そう言って私たちの前を歩き出した篠田さんにあきらが声をかけた
「篠田、紹介しておくよ、櫻の娘の雛だ。
こっちにいる間はよろしく頼む」
「かしこまりました」
雛は相変わらずあきらの腕の中で気持ちよさそうに眠っている
雛も私と同じどんな状況でもよく眠る
そして一度眠ってしまうとなかなか目を覚まさない
6年ぶりの日本の家
屋敷に着くとお母様が待ち構えていた
エントランスで両手を広げてバックにバラの花を背負って登場し
お母様はいつ見てもかわいい・・
私なんかよりよっぽど若く見えるし・・お人形みたい・・
「さくらちゃ~ん、あきらく~ん、おかえりなさ~い。」
「ただいま戻りました」
お母様の大げさなお出迎えにすでにあきらの額には縦ジワが浮かんでいる・・
「あぁ、ただいま」
「あら、雛ちゃん寝むちゃってるのね。
それじゃぁ、お部屋用意出来てるから
あきらくんお部屋まで連れてってくれる?」
「分かった」
「お部屋は以前のままにしてあるから。
荷物届いてたからそれぞれのお部屋に運んであるわよ」
「ありがとうございます」
雛を抱いているあきらに着いて行こうとすると
「お前も疲れてるだろう。
雛は俺が寝かせてくるから部屋で着替えてこいよ!」
「じゃぁ、お願いね。
私、着替えてくる」
雛をあきらにまかせて私は自分の部屋に向かった
6年ぶりの部屋、ここで過ごしたのはほんの3ヶ月ほどだけど
なんだか懐かしい
あの頃の私はただただ不安であきらにずいぶん心配をかけていた
今でも大して変わらないかもしれないけれど、
それでも雛の分だけ少し強くなれたような気もする・・・・・
サッ!ぼやぼやしてられないわね、明日からさっそく仕事が入ってるし
とにかくがんばらなくちゃ!
とりあえずシャワーでも浴びよっかな~
軽くシャワーを浴びて着替えを済ませリビングに降りて行くと
あきらとお母様がお茶を飲んでいた
「お前も飲むか?」
「うん。ねぇ、雛は?」
「何しても全然起きないよ。
あの分だと朝まで起きないだろう」
「そう。でもお腹空かないのかしら?」
「機内食ちゃんと食ってたから大丈夫じゃないか?」
「そうね」
「フフフフッ・・なんだかあきら君と櫻ちゃんって仲のいい夫婦みたいね」
「へっ・・お母様、何言ってるんですか!・・そんな夫婦だなんて・・」
「お前、何そんなに焦ってるんだよ。
夫婦みたいだって言っただけだろうが!反応しすぎ!」
「////わ、分かってるわよ!バカ!」
「クククク・・・・」
「あきら君、そんな事ばっかりしてると櫻ちゃんに嫌われちゃうわよ」
「あ~そりゃぁー大変だな」
「何それ!全然大変そうに聞こえないんだけど!」
「クスクス・・・櫻ちゃんが元気そうでママも安心したわ」
「ごめんなさい、心配ばっかりかけちゃって」
「いいのよ、あなたと雛ちゃんがあきら君と一緒に居てくれて
ママすっごく嬉しいんだから。櫻ちゃんこれからもあきら君の事よろしくね」
「えっ・・あっ、ハイ!任せてください!」
「それじゃぁ、ママはそろそろ休むわね。
二人とも明日からお仕事でしょ、今日はゆっくり休んでね」
「あぁ、分かってるよ」
「おやすみなさい」
お袋が部屋を出て行き、俺と櫻だけの時間が始まる
「お前、大丈夫か?」
「うん、大丈夫よ。少し、時差ぼけみたいだけど。
寝たらよくなると思う」
「そうか、でも無理するなよ。
辛かったらすぐに俺に言えよ」
「分かってるよ。もう、そんなに心配しないで。
あきらって本当心配性だよね?」
「お前のせいだ」
「私のせい?」
「そうだよ。お前は何か問題があるといつも一人で抱え込むだろ。
そんで勝手に答えを出す。いいか、俺はいつもお前の側にいるんだぞ。
なのにお前はしょっちゅう俺の事を忘れて一人で考え込む。
俺ってそんなに頼りないか?」
「そんな事ないわよ。でも・・・・」
「でも?何だよ?」
「これ以上、あきらの負担になりたくないの」
「俺はお前や雛の事を負担になんて思った事一度も無いよ。
そんな風に考えるな」
「分かってるわよ・・分かってるけど・・いつまでもこのままじゃいけないでしょ?
だから、あんまり頼っちゃいけないと思って。
この6年間、ずっとあきらに守ってもらってたから
いつの間にか私、一人じゃ何も出来なくなってるから・・・・・」
それはずっと俺と一緒に居たいって事か?
俺はうぬぼれていいのか?
「お前が望むなら俺はいつまでもお前と雛の側に居てやるよ」
「また、そんな事・・言ってる。ダメだよ・・・・」
「どうして、ダメなんだ?」
「だって・・・・そんな事、不可能でしょ?」
「不可能じゃないよ」
「どういう事?」
「そのうち分かるよ。
でもな、大切なのはお前がどうしたいかだろ?」
「そうだけど・・・・・私に何か隠してる?」
「時期が来たらちゃんと話すから」
「そう・・・」
日本に帰る前、俺は心に決めたことがある
それは親父たちに言われた言葉
猶予はあと一年・・
一年後、もしこのままだったら・・・
記憶が無いままの櫻に結婚を申し込む・・・・
櫻はOKしないだろう
でも親父達の命令だと言えばどうだろう?
親父達を利用して俺は櫻と雛を手に入れようとしている
だけど、誰に何と言われようとも構わない
そう思えるほど俺は・・・
俺は櫻を手放したくないんだ・・・・
一生、この腕の中で守り続けて行きたいんだ
「俺はそろそろ寝るけど、お前どうする?」
「私も寝るわよ。ねぇ、明日の予定ってどうなってるの?」
「仕事は午後からブースを出す百貨店の担当者と打ち合わせが
入ってるだけだから夕方には終わるよ」
「そう、じゃぁ少しゆっくり出来るのね」
「ああ、打ち合わせが終わったらメシでも食いに行くか?」
「そうだね、明日は雛もいないし」
雛は明日、さっそく親父達とデートの予定が入っている
日本にいる間、恐らく一番忙しいのは雛だろう
「明日、何時に何処で待ち合わせなんだ?」
「えーっとね、朝10時にメープルホテルのロビーでっておっしゃってたけど?」
「メープル・・・そうか・・・」
まったくあの親父達は・・・・・・何考えてんだ?
「明日、俺もついて行くよ」
「いいの?」
「あぁ」
「分かったわ。じゃぁ、おやすみなさい」
「おやすみ」

応援ありがとうございます。
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
総二郎には日本に帰る事を連絡しておいた
今ごろは総二郎が類達に電話している頃だろう
いよいよ明日、日本に帰る
俺にとっても櫻にとっても6年ぶりの日本
雛にとっては生まれて初めての日本
櫻の様子が気になっていたが、ここ数日は落ち着いてきている
東京 成田空港
「フゥー やっと着いたな。お前大丈夫か?」
「うん、大丈夫。それより、あなたの方が重いでしょ?大丈夫?」
「ああ、たしかに重い・・こいつ重たくなったな。
それにしてもよく寝てる」
「昨日からずっとはしゃいでて、飛行機の中でも興奮しちゃって全然寝なかったんだもん。
でも、さすがに疲れちゃったのね、本当によく寝てる」
眠ってしまった雛をあきらが抱いている
雛はあきらの腕の中で気持ちよさそうに寝息を立てている
あきらの肩に頬を乗せている雛の顔を覗き込むと顔に垂れている一筋の髪をそっとかき上げた
眠っている顔は本当に天使みたいだけど・・・・・
「ねぇ、雛、幸せそうな顔してるね。
どんな夢見てるんだろう?」
「そうだな。
きっと、ミッキーマウスやらドナルドダックなんかとダンスパーティーでもしてんじゃねぇか」
「そうだね・・」
雛の現在のお気に入りはディズニー
パリの家の雛の部屋は壁紙からカーテン
家具に至るまですべてがディズニーのキャラクターで統一されている
これは雛の
おじいちゃま~おねが~い
の攻撃にお父様達が競い合って特注で作らせた品々だった
現在、雛は毎日ミッキーやらドナルドやらに囲まれて生活している
「本当によく飽きないわよね?
私なんか雛の部屋にはいるだけで眩暈がしそうになるのに。」
「まぁ、そのうち飽きるだろ。それにディズニーも捨てたもんじゃないだろ?
こいついつのまにか英語が話せるようになってるし、今じゃお前より上手いんじゃないか?」
「たしかに、私より発音はいいわよね」
到着ロビーに出ると迎えがきていた
「あきら様、櫻様、お帰りなさいませ」
出迎えに来ていたのは美作家の運転手の篠田さんだった
「篠田さん、ご無沙汰してます」
「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
櫻様、お元気そうで何よりでございます」
「ありがとうございます。
篠田さんも元気そうで、ご家族のみなさんもお変わりありませんか?」
「はい、みな元気にしております。
ありがとうございます」
「おい、挨拶はそれぐらいでいいだろう?
重いんだよ」
「あっ、申し訳ございません。
お車までご案内いたします」
そう言って私たちの前を歩き出した篠田さんにあきらが声をかけた
「篠田、紹介しておくよ、櫻の娘の雛だ。
こっちにいる間はよろしく頼む」
「かしこまりました」
雛は相変わらずあきらの腕の中で気持ちよさそうに眠っている
雛も私と同じどんな状況でもよく眠る
そして一度眠ってしまうとなかなか目を覚まさない
6年ぶりの日本の家
屋敷に着くとお母様が待ち構えていた
エントランスで両手を広げてバックにバラの花を背負って登場し
お母様はいつ見てもかわいい・・
私なんかよりよっぽど若く見えるし・・お人形みたい・・
「さくらちゃ~ん、あきらく~ん、おかえりなさ~い。」
「ただいま戻りました」
お母様の大げさなお出迎えにすでにあきらの額には縦ジワが浮かんでいる・・
「あぁ、ただいま」
「あら、雛ちゃん寝むちゃってるのね。
それじゃぁ、お部屋用意出来てるから
あきらくんお部屋まで連れてってくれる?」
「分かった」
「お部屋は以前のままにしてあるから。
荷物届いてたからそれぞれのお部屋に運んであるわよ」
「ありがとうございます」
雛を抱いているあきらに着いて行こうとすると
「お前も疲れてるだろう。
雛は俺が寝かせてくるから部屋で着替えてこいよ!」
「じゃぁ、お願いね。
私、着替えてくる」
雛をあきらにまかせて私は自分の部屋に向かった
6年ぶりの部屋、ここで過ごしたのはほんの3ヶ月ほどだけど
なんだか懐かしい
あの頃の私はただただ不安であきらにずいぶん心配をかけていた
今でも大して変わらないかもしれないけれど、
それでも雛の分だけ少し強くなれたような気もする・・・・・
サッ!ぼやぼやしてられないわね、明日からさっそく仕事が入ってるし
とにかくがんばらなくちゃ!
とりあえずシャワーでも浴びよっかな~
軽くシャワーを浴びて着替えを済ませリビングに降りて行くと
あきらとお母様がお茶を飲んでいた
「お前も飲むか?」
「うん。ねぇ、雛は?」
「何しても全然起きないよ。
あの分だと朝まで起きないだろう」
「そう。でもお腹空かないのかしら?」
「機内食ちゃんと食ってたから大丈夫じゃないか?」
「そうね」
「フフフフッ・・なんだかあきら君と櫻ちゃんって仲のいい夫婦みたいね」
「へっ・・お母様、何言ってるんですか!・・そんな夫婦だなんて・・」
「お前、何そんなに焦ってるんだよ。
夫婦みたいだって言っただけだろうが!反応しすぎ!」
「////わ、分かってるわよ!バカ!」
「クククク・・・・」
「あきら君、そんな事ばっかりしてると櫻ちゃんに嫌われちゃうわよ」
「あ~そりゃぁー大変だな」
「何それ!全然大変そうに聞こえないんだけど!」
「クスクス・・・櫻ちゃんが元気そうでママも安心したわ」
「ごめんなさい、心配ばっかりかけちゃって」
「いいのよ、あなたと雛ちゃんがあきら君と一緒に居てくれて
ママすっごく嬉しいんだから。櫻ちゃんこれからもあきら君の事よろしくね」
「えっ・・あっ、ハイ!任せてください!」
「それじゃぁ、ママはそろそろ休むわね。
二人とも明日からお仕事でしょ、今日はゆっくり休んでね」
「あぁ、分かってるよ」
「おやすみなさい」
お袋が部屋を出て行き、俺と櫻だけの時間が始まる
「お前、大丈夫か?」
「うん、大丈夫よ。少し、時差ぼけみたいだけど。
寝たらよくなると思う」
「そうか、でも無理するなよ。
辛かったらすぐに俺に言えよ」
「分かってるよ。もう、そんなに心配しないで。
あきらって本当心配性だよね?」
「お前のせいだ」
「私のせい?」
「そうだよ。お前は何か問題があるといつも一人で抱え込むだろ。
そんで勝手に答えを出す。いいか、俺はいつもお前の側にいるんだぞ。
なのにお前はしょっちゅう俺の事を忘れて一人で考え込む。
俺ってそんなに頼りないか?」
「そんな事ないわよ。でも・・・・」
「でも?何だよ?」
「これ以上、あきらの負担になりたくないの」
「俺はお前や雛の事を負担になんて思った事一度も無いよ。
そんな風に考えるな」
「分かってるわよ・・分かってるけど・・いつまでもこのままじゃいけないでしょ?
だから、あんまり頼っちゃいけないと思って。
この6年間、ずっとあきらに守ってもらってたから
いつの間にか私、一人じゃ何も出来なくなってるから・・・・・」
それはずっと俺と一緒に居たいって事か?
俺はうぬぼれていいのか?
「お前が望むなら俺はいつまでもお前と雛の側に居てやるよ」
「また、そんな事・・言ってる。ダメだよ・・・・」
「どうして、ダメなんだ?」
「だって・・・・そんな事、不可能でしょ?」
「不可能じゃないよ」
「どういう事?」
「そのうち分かるよ。
でもな、大切なのはお前がどうしたいかだろ?」
「そうだけど・・・・・私に何か隠してる?」
「時期が来たらちゃんと話すから」
「そう・・・」
日本に帰る前、俺は心に決めたことがある
それは親父たちに言われた言葉
猶予はあと一年・・
一年後、もしこのままだったら・・・
記憶が無いままの櫻に結婚を申し込む・・・・
櫻はOKしないだろう
でも親父達の命令だと言えばどうだろう?
親父達を利用して俺は櫻と雛を手に入れようとしている
だけど、誰に何と言われようとも構わない
そう思えるほど俺は・・・
俺は櫻を手放したくないんだ・・・・
一生、この腕の中で守り続けて行きたいんだ
「俺はそろそろ寝るけど、お前どうする?」
「私も寝るわよ。ねぇ、明日の予定ってどうなってるの?」
「仕事は午後からブースを出す百貨店の担当者と打ち合わせが
入ってるだけだから夕方には終わるよ」
「そう、じゃぁ少しゆっくり出来るのね」
「ああ、打ち合わせが終わったらメシでも食いに行くか?」
「そうだね、明日は雛もいないし」
雛は明日、さっそく親父達とデートの予定が入っている
日本にいる間、恐らく一番忙しいのは雛だろう
「明日、何時に何処で待ち合わせなんだ?」
「えーっとね、朝10時にメープルホテルのロビーでっておっしゃってたけど?」
「メープル・・・そうか・・・」
まったくあの親父達は・・・・・・何考えてんだ?
「明日、俺もついて行くよ」
「いいの?」
「あぁ」
「分かったわ。じゃぁ、おやすみなさい」
「おやすみ」

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