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月夜に 29

こんばんは。🎵
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴




メープルホテルのロビーにあるティーラウンジでは
朝から総二郎と類が滋と桜子を待っていた

呼び出したのは滋

だけど・・

呼び出した張本人がまだ来ない・・

一体どんな用件でこんな朝早くから呼び出されたのかは聞いていなけど
どうせロクな用じゃないだろう

と思う・・・

それにしても遅い!!

約束の時間はもうとっくに過ぎているのに

俺は待たされるのは大嫌いなんだよ!

総二郎は時計を睨み付けながら苛立っていた

類は滋達が遅れていることを気にしている様子はなく優雅にお茶を飲んでいる

「・・ったく、遅い!何やってんだよ!」

「総二郎、さっきからうるさいよ。
 もうすぐ着くって電話あったんでしょ?
 じゃぁいいじゃん、そんな怒んなくても」

類は涼しい顔でティーカップを口に運んでいる

「お前も少し怒れよな!」

「どうして?怒る理由も無いのに怒れないよ。」

ったく・・・・!

イライラしながら総二郎はティーサロンから見えるロビーに目をやった

総二郎はロビーの一角に見覚えのある後ろ姿を見つけた

一瞬自分の目に移っている光景が錯覚に思えたが・・・・

親父・・・・だよな?

見間違うはずなど無いのだが何故自分の父親が
こんな時間にこんな場所に居るのかさっぱり見当がつかなかった

そして、さらに親父の横にいる人物に目がテンになる・・・・

あれは確か・・・・?

類の親父さんだよな・・?

総二郎は今自分の見ている光景が夢じゃない事を確かめる為に類に話し掛ける

「類!あそこに居るのってお前の親父さんだよな?」

「父さん?」

俺の問いかけに一瞬だけ怪訝な表情を浮かべて
類は俺の視線の先を追いかけた

ロビーからは類達のいるラウンジの中は見えにくくなっているが
逆にラウンジの中からはロビーの様子がはっきりと見えていた


「本当だ、父さんだね。
 でもその隣に居るのって総二郎のお父さんだよね?」

「ああ、そうだけど。あの二人、こんな所で何してんだ?」

「知らないよ。けど、変わった組み合わせだね?
 俺、父さんと総二郎のお父さんの仲が良かったなんて初めて知ったよ」

「ああ、俺も今初めて知った。
でも誰かを待ってるみたいだな?」

親父達はロビーにあるソファーに二人仲良く並んで座って楽しそうに話をしている

「なぁ、類?親父達、なんか楽しそうじゃないか?
 俺、親父のあんな顔見たの初めてだ」

「そうだね。俺も父さんのあんな顔見たことない・・・・・」

しばらく信じられない思いで親父達を見ていたが
二人で話をしていた親父達がふいにソファーから立ち上がった

つられて親父達の視線の先にいる人物を目で追って俺も類も固まってしまった

類なんてカップを持ったままだ・・・・

俺達の見た光景・・・

驚くなって言うほうが無理だ

「あきら・・?」


そうあきらだ・・

あきらが女の子と手をつないでこちらに歩いてくる

その少し後ろには・・・・

ま、牧野だよな・・・・?!

呆然としたままその光景を見ているとあきらと手を繋いでいた少女が親父達を見つけ
笑顔で駆け寄り抱きついている

抱きつかれた方はというと

息子である俺たちが見たことも無い様な満面の笑みで

少女を抱きしめている・・・・・

なんだこれは・・・・・・俺は夢でも見てんのか?

夢だとしたら間違いなく悪夢だよな・・?

少女のかん高い声がここまで響いてきている

おじいちゃま~

・・・・って言ったぞ!

ど、どういう事だよ・・・・?

もう何が何だか全然わからない

何であきらが牧野と一緒なんだ?

あの女の子は誰なんだ?





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kirakira
Posted bykirakira

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