月夜に 31
こんばんは。🎵
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
少女を見送った後、暫く立ち止まって話しをしていたあきらと牧野だったが
やがて手を繋いで行ってしまった
俺と類は呆然としたまま・・・
今、自分達が見たものが信じられなかった
類なんてまだカップを持ち上げたままあきら達が居たあたりに
厳しい視線を漂わせている
一体どうなってんだ・・?
ずっと探していた牧野があきらと一緒で
子供まで居た・・?
少女は二人の事をパパママと呼んでいた
あの子はあいつらの子供なのか・・?
そこに何で親父達が一緒なんだ?
わからない・・
わからない事が多すぎる・・
思わぬ光景に我を忘れて二人を追いかける事が出来なかった
「オ、オイ!類!今の夢じゃねぇーよな?」
「・・・多分・・・」
「あ、あれって・・牧野とあきらだよな・・?」
「そうだと思うけど、どうしてあきらが牧野と一緒なの?
それにあの子供、なに?」
類の口調は少し怒気を含んでいる
「そんな事、俺に聞くなよ!
とにかく牧野は見つかったけど・・どうするよ?
この状況・・」
「俺に聞かないでよ」
ぶっきらぼうに答えた類に一瞬言葉が詰まる
今、この状況で頼りになるのはお前だけなんだから
頼むからへそを曲げないでほしい
「と、とにかくあきらに聞くしかねぇよな?」
「それが一番だと思うけど、司はどうするの?
話すの?」
「言えるわけねぇーだろ!第一、なんて言えばいいんだ?
それに誰があいつに話すんだよ?俺はヤダかんな!!」
「俺だってヤダよ」
「ハァ~どうなってんだよ~あきら~」
大きなため息と共に口をついて出てきた言葉
頭を抱え込んで考えたところで湧き上がってくるのは疑問ばかり
頭の中が?マークだらけになっているところへやっと遅れていた滋と桜子が姿を現した
滋には俺と類の間に漂う空気の重たさなんて機敏に感じる事なんて出来るはずもなく・・
脳天から突き抜けるようなテンションの高さに疲労感が増す
「おっ待たせ~ごめんね~
すっごい渋滞にハマっちゃって、遅くなっちゃった!」
「・・・・・・」
返事する気力が沸いてこない
俺が黙ったままなのを遅刻してきた事を怒っていると
勘違いしたのだろう
「ほんとっ、ごめんね~~」
「・・・・・・」
「もぅ、総二郎!何とか言ってよ!!」
「・・あっ・・ああ・・」
そうだ!俺、怒ってたんだ・・っけ・・?
「お、遅せーよ!」
「だから、謝ってるじゃない!!」
滋の態度はおおよそ謝っているようには見えないが
この際どうでもいい・・
それよりもたった今、見たものの方が問題なんだよ!
「西門さん、何かあったんですか?
お二人共なんか変ですよ?」
到着してから滋の後ろでずっと様子を伺っていた桜子だった
声に反応して顔を上げると桜子の冷静な視線とぶつかった
「あぁ・・今、牧野を見た・・」
「えっ!・・つくし?
本当につくしだったの?」
「・・多分・・」
言い終えた瞬間、滋に思い切り胸倉を掴まれバカ力で揺さぶられる
「多分って・・どういう事よ!!
確かめなかったの?!」
グェッ!
息が詰まる・・
前後にぶんぶん振られて返事が出来ない
両手で滋の両手を掴んでなんとか動きを止め搾り出した言葉は
「忘れてた・・・」
本当だった・・
あまりにも突然すぎて俺も類も動けなかった・・・
「どういう事なのよ!!
つくしだったんでしょ?!二人してボーっと見てただけだったの?!」
再び滋に振り回される・・・
今度は桜子に助けられた・・・
「ちょっと滋さん、興奮しないでください!
それに声が大きすぎです!」
「うるさいわね!
桜子、あんたはなんでそんな冷静なのよ!?」
「冷静じゃないですよ。ものすごく驚いてますけど
とにかくお話しを聞きませんか?」
興奮しまくる滋にそう言った後、桜子は射抜くような瞳で俺を見た
「で、どういう事なんですか?お二人して声を掛けるの忘れてたって」
「あぁ・・実は・・・・」
俺は見たものをそのまま滋と桜子に話した
あきらと牧野が一緒だった事
あきらの事をパパと呼んでいる女の子がいた事
俺と類の親父と待ち合わせしていた事
そして女の子がおじぃちゃまって呼んでいた事
女の子が親父達と出かけて行った事
俺の話しを聞き終える頃には滋もさすがにテンションダウンしている
「・・・・・どういう事?一体どうなってるの?」
「分からない、ただあきらは俺たちに嘘ついてたって事だろうな・・」
「・・・そんな・・・・どうして?」
「西門さん、その女の子って先輩と美作さんの子供なんですかね?
もしかして・・結婚してるっとかって・・・・ないですよね?」
「まさか・・・・だよな・・・?」
俺はずっと黙り込んでいる類に助けを求めたが
類から返って来たのは回答ではなく疑問だった
類との噛み合わない会話に疲労感が募るけど
今はそんな事を問題にしている時じゃない
「ねぇ、あの二人って一体いつから一緒にいるんだろう?」
「さぁな・・・でもあの感じじゃ結構長いんじゃないか?」
「そうだね。普通に手繋いでたし仲良さそうに話してたしね」
「手、繋いでたの・・・・・?」
本当はそれ以上の事をしてたけど
今は黙っておいたほうがいいかも
「あぁ・・繋いでた。あきらが女と手繋ぐのなんてどうってことねぇだろうけど
照れ屋の牧野が男と手繋いで歩くなんて相当時間がかかるだろうからな」
「そうだね」
「もしかして先輩と美作さんってずっと一緒にいたんじゃないですか?」
「それってあきらがパリに行った時からって事か?」
「違いますよ、もっと前‥先輩が消えた頃からですよ!
私、思い出したんですけど、先輩の行方が分からなくなった頃の美作さんて
ちょっとおかしくなかったですか?」
「い、いや・・・あの頃は牧野の事でみんな焦ってたからあきらの様子を
特に気にしてなかったけど・・・・」
「そうですよ。みんな先輩に気を取られてて気付きませんでしたけど、
今、思うとやっぱり変でしたよ」
「ねぇ、桜子?どんなところが?」
「だって美作さん先輩を探すのあんまり乗り気じゃなかったみたいですし、
それに今まで毎晩のように夜遊びしてたのにあんまりしなくなってまし」
「そう言われれば、そうだったな・・・
確かに俺が誘っても来ない事が多かったような気もするな・・」
「それにプロムの夜ですよ」
「プロム・・・・何かあったっけ?」
「何言ってるんですか!滋さん、海ちゃんを殴ってたじゃないですか!?」
「あっ!?そういえば・・・・!」
プロムの会場であれだけ派手にやっといて
滋の記憶の中には全く存在していなかったらしい
「ねぇ、海ちゃんってダレ?」
もうこいつは問題外・・・
「はぁ~類、お前は・・・・記憶が無かった時に司が付き合ってた女だよ!」
「あ~ あの子、海って言ったんだ」
「はぁ~桜子続き話せ」
「その殴ったのはどうでもいいんですけど
その後ですよ、私達はそのまま飲みに行きましたけど、
美作さんだけ帰ったでしょ?」
「そう言われればそうだったな・・・
でもデートの約束があったのかもしれないし、俺は特に気にしてなかったけどな・・」
「そうですね。でもプロムの日にデートの約束するのって考えにくいですし
花沢さんが帰るって言うんだったら納得出来るんですけど
美作さんが帰っちゃったのが変だなって思ってたんです」
「そうだな・・・・じゃぁ、その頃からあきらは牧野と一緒だったって事か・・?」
「推測ですけど・・・多分、間違いないと思います」
「でも、そう考えると辻褄が合うかもな」
「ねぇ、総二郎?どんな辻褄が合うのよ?」
「あきらがパリに留学する事を俺たち黙ってたって事と
行ったきり一度も日本に帰ってこなかったことだよ」
「そうだね。それにもう一つ、俺たちがいくら探しても見つからなかった事も」
「あぁ、それには恐らく俺達の親父も一枚かんでるな・・
もちろんあきらの親父さんもだ」
「それから、これは多分だけど司のお父さんもかんでると思うよ。
だって、いくら俺の父さんや総二郎のお父さんが隠してても
司んところには隠しきれないよ。
それなのに司どころか司のお母さんが探しても見つからなかった。
あの二人から隠しきれるのは司のお父さんしかいないでしょ?」
「そうだな・・・だとしてもだ、どうして?
そこまでして隠す必要があったんだ?」
「それはあきらに聞くしかないね」
何となく今起こった事が消化されはじめ少し気を抜きかけた絶妙のタイミングで
桜子が最大の難問をあっさりと口にした・・・
「ところで道明寺さんには言うんですか?」
「はぁ~そこなんだよ・・今、言ったらあいつ絶対あきらんとこ乗り込んで行くだろーし
だからって黙ってるわけにもいかねぇーしな・・
とにかく、俺たちが先にあきらに会って事情を聞いてからだな」
「だったら、早くあきら君に電話してよ!!」
って電話するのはやっぱり俺なわけね・・・・
「あぁ・・そうするしかないな
でもよ、何か気が重い・・・・」

応援ありがとうございます。
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴
少女を見送った後、暫く立ち止まって話しをしていたあきらと牧野だったが
やがて手を繋いで行ってしまった
俺と類は呆然としたまま・・・
今、自分達が見たものが信じられなかった
類なんてまだカップを持ち上げたままあきら達が居たあたりに
厳しい視線を漂わせている
一体どうなってんだ・・?
ずっと探していた牧野があきらと一緒で
子供まで居た・・?
少女は二人の事をパパママと呼んでいた
あの子はあいつらの子供なのか・・?
そこに何で親父達が一緒なんだ?
わからない・・
わからない事が多すぎる・・
思わぬ光景に我を忘れて二人を追いかける事が出来なかった
「オ、オイ!類!今の夢じゃねぇーよな?」
「・・・多分・・・」
「あ、あれって・・牧野とあきらだよな・・?」
「そうだと思うけど、どうしてあきらが牧野と一緒なの?
それにあの子供、なに?」
類の口調は少し怒気を含んでいる
「そんな事、俺に聞くなよ!
とにかく牧野は見つかったけど・・どうするよ?
この状況・・」
「俺に聞かないでよ」
ぶっきらぼうに答えた類に一瞬言葉が詰まる
今、この状況で頼りになるのはお前だけなんだから
頼むからへそを曲げないでほしい
「と、とにかくあきらに聞くしかねぇよな?」
「それが一番だと思うけど、司はどうするの?
話すの?」
「言えるわけねぇーだろ!第一、なんて言えばいいんだ?
それに誰があいつに話すんだよ?俺はヤダかんな!!」
「俺だってヤダよ」
「ハァ~どうなってんだよ~あきら~」
大きなため息と共に口をついて出てきた言葉
頭を抱え込んで考えたところで湧き上がってくるのは疑問ばかり
頭の中が?マークだらけになっているところへやっと遅れていた滋と桜子が姿を現した
滋には俺と類の間に漂う空気の重たさなんて機敏に感じる事なんて出来るはずもなく・・
脳天から突き抜けるようなテンションの高さに疲労感が増す
「おっ待たせ~ごめんね~
すっごい渋滞にハマっちゃって、遅くなっちゃった!」
「・・・・・・」
返事する気力が沸いてこない
俺が黙ったままなのを遅刻してきた事を怒っていると
勘違いしたのだろう
「ほんとっ、ごめんね~~」
「・・・・・・」
「もぅ、総二郎!何とか言ってよ!!」
「・・あっ・・ああ・・」
そうだ!俺、怒ってたんだ・・っけ・・?
「お、遅せーよ!」
「だから、謝ってるじゃない!!」
滋の態度はおおよそ謝っているようには見えないが
この際どうでもいい・・
それよりもたった今、見たものの方が問題なんだよ!
「西門さん、何かあったんですか?
お二人共なんか変ですよ?」
到着してから滋の後ろでずっと様子を伺っていた桜子だった
声に反応して顔を上げると桜子の冷静な視線とぶつかった
「あぁ・・今、牧野を見た・・」
「えっ!・・つくし?
本当につくしだったの?」
「・・多分・・」
言い終えた瞬間、滋に思い切り胸倉を掴まれバカ力で揺さぶられる
「多分って・・どういう事よ!!
確かめなかったの?!」
グェッ!
息が詰まる・・
前後にぶんぶん振られて返事が出来ない
両手で滋の両手を掴んでなんとか動きを止め搾り出した言葉は
「忘れてた・・・」
本当だった・・
あまりにも突然すぎて俺も類も動けなかった・・・
「どういう事なのよ!!
つくしだったんでしょ?!二人してボーっと見てただけだったの?!」
再び滋に振り回される・・・
今度は桜子に助けられた・・・
「ちょっと滋さん、興奮しないでください!
それに声が大きすぎです!」
「うるさいわね!
桜子、あんたはなんでそんな冷静なのよ!?」
「冷静じゃないですよ。ものすごく驚いてますけど
とにかくお話しを聞きませんか?」
興奮しまくる滋にそう言った後、桜子は射抜くような瞳で俺を見た
「で、どういう事なんですか?お二人して声を掛けるの忘れてたって」
「あぁ・・実は・・・・」
俺は見たものをそのまま滋と桜子に話した
あきらと牧野が一緒だった事
あきらの事をパパと呼んでいる女の子がいた事
俺と類の親父と待ち合わせしていた事
そして女の子がおじぃちゃまって呼んでいた事
女の子が親父達と出かけて行った事
俺の話しを聞き終える頃には滋もさすがにテンションダウンしている
「・・・・・どういう事?一体どうなってるの?」
「分からない、ただあきらは俺たちに嘘ついてたって事だろうな・・」
「・・・そんな・・・・どうして?」
「西門さん、その女の子って先輩と美作さんの子供なんですかね?
もしかして・・結婚してるっとかって・・・・ないですよね?」
「まさか・・・・だよな・・・?」
俺はずっと黙り込んでいる類に助けを求めたが
類から返って来たのは回答ではなく疑問だった
類との噛み合わない会話に疲労感が募るけど
今はそんな事を問題にしている時じゃない
「ねぇ、あの二人って一体いつから一緒にいるんだろう?」
「さぁな・・・でもあの感じじゃ結構長いんじゃないか?」
「そうだね。普通に手繋いでたし仲良さそうに話してたしね」
「手、繋いでたの・・・・・?」
本当はそれ以上の事をしてたけど
今は黙っておいたほうがいいかも
「あぁ・・繋いでた。あきらが女と手繋ぐのなんてどうってことねぇだろうけど
照れ屋の牧野が男と手繋いで歩くなんて相当時間がかかるだろうからな」
「そうだね」
「もしかして先輩と美作さんってずっと一緒にいたんじゃないですか?」
「それってあきらがパリに行った時からって事か?」
「違いますよ、もっと前‥先輩が消えた頃からですよ!
私、思い出したんですけど、先輩の行方が分からなくなった頃の美作さんて
ちょっとおかしくなかったですか?」
「い、いや・・・あの頃は牧野の事でみんな焦ってたからあきらの様子を
特に気にしてなかったけど・・・・」
「そうですよ。みんな先輩に気を取られてて気付きませんでしたけど、
今、思うとやっぱり変でしたよ」
「ねぇ、桜子?どんなところが?」
「だって美作さん先輩を探すのあんまり乗り気じゃなかったみたいですし、
それに今まで毎晩のように夜遊びしてたのにあんまりしなくなってまし」
「そう言われれば、そうだったな・・・
確かに俺が誘っても来ない事が多かったような気もするな・・」
「それにプロムの夜ですよ」
「プロム・・・・何かあったっけ?」
「何言ってるんですか!滋さん、海ちゃんを殴ってたじゃないですか!?」
「あっ!?そういえば・・・・!」
プロムの会場であれだけ派手にやっといて
滋の記憶の中には全く存在していなかったらしい
「ねぇ、海ちゃんってダレ?」
もうこいつは問題外・・・
「はぁ~類、お前は・・・・記憶が無かった時に司が付き合ってた女だよ!」
「あ~ あの子、海って言ったんだ」
「はぁ~桜子続き話せ」
「その殴ったのはどうでもいいんですけど
その後ですよ、私達はそのまま飲みに行きましたけど、
美作さんだけ帰ったでしょ?」
「そう言われればそうだったな・・・
でもデートの約束があったのかもしれないし、俺は特に気にしてなかったけどな・・」
「そうですね。でもプロムの日にデートの約束するのって考えにくいですし
花沢さんが帰るって言うんだったら納得出来るんですけど
美作さんが帰っちゃったのが変だなって思ってたんです」
「そうだな・・・・じゃぁ、その頃からあきらは牧野と一緒だったって事か・・?」
「推測ですけど・・・多分、間違いないと思います」
「でも、そう考えると辻褄が合うかもな」
「ねぇ、総二郎?どんな辻褄が合うのよ?」
「あきらがパリに留学する事を俺たち黙ってたって事と
行ったきり一度も日本に帰ってこなかったことだよ」
「そうだね。それにもう一つ、俺たちがいくら探しても見つからなかった事も」
「あぁ、それには恐らく俺達の親父も一枚かんでるな・・
もちろんあきらの親父さんもだ」
「それから、これは多分だけど司のお父さんもかんでると思うよ。
だって、いくら俺の父さんや総二郎のお父さんが隠してても
司んところには隠しきれないよ。
それなのに司どころか司のお母さんが探しても見つからなかった。
あの二人から隠しきれるのは司のお父さんしかいないでしょ?」
「そうだな・・・だとしてもだ、どうして?
そこまでして隠す必要があったんだ?」
「それはあきらに聞くしかないね」
何となく今起こった事が消化されはじめ少し気を抜きかけた絶妙のタイミングで
桜子が最大の難問をあっさりと口にした・・・
「ところで道明寺さんには言うんですか?」
「はぁ~そこなんだよ・・今、言ったらあいつ絶対あきらんとこ乗り込んで行くだろーし
だからって黙ってるわけにもいかねぇーしな・・
とにかく、俺たちが先にあきらに会って事情を聞いてからだな」
「だったら、早くあきら君に電話してよ!!」
って電話するのはやっぱり俺なわけね・・・・
「あぁ・・そうするしかないな
でもよ、何か気が重い・・・・」

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