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月夜に 44

こんにちは。(#^.^#)
お引越しです。🎶
それではどうぞ~✴

本日の更新情報です。
本日は
『修羅場ってる?-NY編- 3』
『Fly High 44』
『月夜に‥ 44』
の3本立てです。♥





俺の話しを聞き終えた櫻はさすがに司にも記憶がなかったと聞いて驚いている


「・・・彼も記憶が無かったの・・・?」


「ああ・・・一時期、お前の事だけ忘れてた・・・・」


「・・・そうだったの・・・・」
「ハァ~・・なんだか私の人生ってジェットコースターに乗ってるみたいよね?」


俺は考え込んでしまった櫻が心配で


「お前、今何考えてんだ?」


「ん・・・?彼にとって私って一体どんな存在だったのかなぁ~って」


「何ものにも変えがたい大切な存在だった。今でもだけどな」


「ねぇ、彼も忘れたいって思ったんじゃない?私みたいに・・・・
 彼は私の事を好きでいるのって辛かったのかもしれない」


櫻の言葉にドキッとした・・・・・
確かに司にとって櫻への想いは半端な物ではなく、司自身でさえも
持て余す程の想いだっただろう・・・だが俺達は知っていた司の櫻に対する
想いは本物だったと。そして櫻の司に対する想いも・・・知っていた・・


櫻が忘れたいと思ったのは本当かもしれない・・・

だがあの想いを忘れる事なんて出来ないはずだ・・・だから・・

櫻は牧野つくしでいる事を辞めてしまったのだろう・・・

きっと心が壊れてしまう前に自分でブレーキをかけた



「・・どうして、そう思うんだ?」


「だって、多分私が全部忘れたのだってきっと自分でそう望んだから・・・・
 忘れたいと思ったから・・じゃないかって・・」


「そんな事ないよ。
 少なくとも司はお前の事忘れたいなんて望んだ事はないよ」


「どうしてそう言い切れるの?」


「俺は司とガキの頃からずっと一緒なんだぜ。

あいつは女なんて低俗ですぐ泣くし、バカな生き物だって公言して憚らなかったのに、

お前に出会ってからはとにかくお前に振り向いて欲しくて、

ほら、小学生が好きな子にイタズラしたりしてわざと気を引いたりするだろ?
そんな感じでお前にもちょっかいだしてたんだ。

お前、最初は類に惚れててよく一緒に非常階段で話してて
こないだ英徳に行った時連れて行ったろ?あそこは類の指定席で

俺たち以外寄せ付けない類が唯一、一緒に居る事を許した特別な存在だったんだ。

だから司はよく類に焼きもちを妬いてたなぁ・・
まぁーそれは今でも変わらないけどな。

お前、鈍感だから司の焼きもちに気付かないであいつの言葉を真に受けて・・・

それにお前が泣くとどうしていいか分からなくてオロオロしてた。
だったら泣かせるなって思ってたけど、俺達はそんな司の姿見るのは初めてだったからおかしくて、

よくからかってたよ。だからよく殴られてたけどな。
とにかく司はお前の事が好きで好きでたまらなくて、

お前さえ側にいたら機嫌もよくて何もいらないって言ってた。
だからそんな風に考えるな、司は今でもお前の事だけを想ってるんだから」


「じゃぁ・・彼は明日、私に会ったらガッカリするかもね。
 今の私は≪牧野つくし≫じゃないんだもの・・・」


「そんな事関係ないよ。

お前の名前が”牧野つくし”だろうと”美作櫻”だろうとお前はお前なんだから」


「・・・分かった」


「・・そんな顔するな!ただ、一つだけ覚悟しといたほうがいいぞ!」


「・・何?覚悟って・・・これ以上、何あるの?」


「・・明日、司に会うだろ・・あいつ、バカで単純で凶暴で手加減ってものを知らないから
お前に会ったら最後、きっと容赦なく気持ちをぶつけてくるぞ!
それも半端じゃない気持ちをな。がんばれよ!」


「何それ!・・応援・・?」


「そう。だからがんばれ、櫻!」


俺の言葉にお前が笑ったのが分かった・・・


やっと見れたお前の笑顔・・・
なぁー・・櫻、お前分かってるのか・・?
お前のその笑顔が俺を幸せにするって・・・
分かってねぇよな~・・だってお前、鈍感だもん・・・


「ねぇ、あきら・・」

俺の肩にもたれかかり目線を外したままで


「・・・うん?」


「・・ありがとう・・」


「・・どういたしまして・・」


肩を抱いていた手を頭に移動させる・・・
そのまま軽く髪を撫でながら・・・
俺の肩に凭れ掛かったままの櫻の額に軽くKISSをする・・・


風にそよぐカーテンの隙間から見えたのは・・・満月

なぁー、牧野・・俺はまだ三日月のままだよ・・・

俺を満月に変えてくれる女・・・

そんな女、お前以外にいると思うか・・・・?





なぁ、司・・お前、昔よく言ってたよな・・・

一番欲しいものが手に入らないって・・・・・・

あれって本当だったな・・・・





応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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