Fly High 50
こんにちは。(#^.^#)
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
それぞれが着替えを済ませ四人で部屋を出たのが午後6時過ぎ
この時の俺達はまだこれから何が起こるのか分かっていなかった
7時少し前にレストランに到着すると個室へと案内される
レストランにはまだ俺達以外、誰も来ていなかった
席につき5分程でまず司が到着した
記憶が戻った司と会うのはこの時が初めてだっただが
入ってきた瞬間に分かった
明らかにカンクン以前の司と今の司は身に纏っているオーラが違う
少し緊張した面持ちで個室へと入ってきた司は
牧野が居ないことに落胆している
全く分かりやすい男だ
司があきらに促されてあきらの隣の席へと腰を落ち着けて
すぐに牧野が到着し
"遅くなってごめんねぇ~"
と言いながら入って来た彼女が当たり前のように総二郎の隣の席へと座った
長方形のテーブルで偶然にも司の目の前に腰を下ろした牧野
牧野は司の目の前だという事を気にしていない様子だったが
司の視線は牧野が個室へと入ってきた瞬間から彼女に釘付けの状態で
心なしか顔も赤いような気もする・・
鈍感な牧野は気付いてねぇーみたいだけど
まぁ~まさか司の記憶が戻ってるなんて夢にも思ってねぇーだろうしな
牧野はそれぞれに声を掛けて最後には司にも"こんばんは"と声を掛けた
単なる挨拶なのに・・・
司はどう返事を返していいのか分からない様子で少し上ずった声でかろうじて
"あぁ"と返事をしただけ・・・
牧野以外が微妙な空気の中
まだ顔を見せない滋を待っていた
俺の隣に座ったつくしがバッグからなにやら小さな茶色の紙袋を取り出した
「なんだソレ?」
「ん?これ?胃薬・・総二郎、お水貰って」
「調子悪いのか?だったらちゃんと医者に行けよ!」
「うん、大丈夫よ。
一過性のものだから」
「何で分かるんだよ?」
「だって今日、レイチェルに彼女特製のツナサンド食べさせられたからなんだもん・・
今、狙ってる彼に渡すんだって・・
あっ!味は聞かないでよ!表現なんて出来ないんだから!
ジーナなんて一口食べただけで怒って帰っちゃったぐらいなんだから!」
「ジーナ、こっちに帰ってきてんのか?」
「うん、去年の暮れに離婚して戻ってきてる。
今はSOHOの画廊で働いてるわよ」
「そうか、で?レイチェルの今度の相手ってどんな奴なんだ?」
「市立図書館の司書さんなんだって」
「図書館?レイチェルが?」
「そうよ。タクシーで信号待ちしてる時に横断歩道を横切ってる彼に一目惚れして
また、軽~くストーキングしちゃったみたいよ」
「まだやってんのか?」
「最近は毎日のように図書館に通って読みもしないのに彼のおススメの本借りてるわ。
あ~思い出しただけで胃が痛くなってきちゃった・・もうアレはある意味天才よね!
どうすればベーグルにツナ挟んだだけのツナサンドをあんなにも不味く作れるんだろう?」
「そんな凄かったんか?」
「凄かったわよ!食べた瞬間に軽~く殺意を覚えたくらいにね。」
「そんな凄いもんその男に喰わせたのかよ?」
「それは大丈夫よ。私がちゃんと食べれるように作り直したから。
レイチェルがやった事って二つに切ってホイルで包んだだけよ。
でも渡す前に私に味見させてくれて正解だったかも?
あんなのよく知らない人に食べさせたら殺人罪で訴えられるわよ!」
まるでここには牧野と総二郎しか居ないかのように
俺達には全く付いていけない話しを続けている二人
「なぁ?レイチェルって料理教室通ってなかったか?
何習ってきたんだ?」
「料理教室・・?あ~あの動機が思いっきり不純なフランス料理の講習会ね・・
総二郎は知らなかったの?レイチェルがどうしてフランス料理なんて習い始めたのか?」
「なんも聞いてねぇ」
「あの講習会って一回500ドルもするのよ!信じられる?500ドルよ!
雑誌に載ってたシェフに一目ぼれしてそのシェフが開いている講習会に通ってたのよ。
目的は料理じゃなくて作る方のシェフだったの!そんなんで料理なんて上達するわけないじゃない!
一度だけ彼女に付いて行ったけど講習会の間中、ずーっとシェフに見惚れてポーっとしちゃって
なんにも頭に入ってなかったわよ。」
「そんないい男だったのか?
で、その男とはどうなったんだよ?」
「う~ん・・確かに顔は良かったけど・・
なんかキザな感じで私はパス!
その人ね独身だって触れ込みだったんだけど
パリに奥さんと子供がいる事が発覚してあっさり玉砕したわよ!」
「今回はどうなんだ?
上手く行きそうなのか?」
「う~ん・・どうなんだろうね?
まぁ、とりあえずは独身みたいだし、話しも合うみただいから大丈夫なんじゃない?
後は絶対、ダブルデートしようって言ってくるから今回はジーナに任せて私はパスする!」
「なんで?いいじゃねぇーかよ。
お前好きだろ?ダブルデート!」
「好きじゃないわよ!それにねレイチェルとダブルデートって今までまともなのが来たためしがないでしょ!
コーヒーの代わりにプロテイン飲んでる筋肉オタクとか、スタートレックオタクが来た時は本当に最悪だったのよ!
クリンゴン星人とバルカン人の違いなんてどうでもいいのよ!」
クリンゴン星人もバルカン人も分からないけど
牧野の言葉に総二郎が苦笑いを浮かべて二人の会話が終わった事は分かった
牧野と総二郎のやり取りが終わると桜子が口を開いた
「先輩?滋さんから何か聞いてませんか?」
「何も聞いてないわよ。今日だって時間と場所だけしか聞いてないし・・
みんなも何も聞いてないの?」
「聞いてないんです・・先輩は滋さんに最後に会ったのは何時ですか?」
「桜子と同じだよ・・二人が日本に帰って、それっきり会ってないけど?」
「おかしいですね。滋さんは先週からこっちに来てるはずなんですけど。」
「そうなの?」
「ええ、そうなるといよいよおかしいですね。
滋さんはこっちで一体なにしてるんでしょうね?
道明寺さん?滋さんはメープルに泊まってますか?」
「いいや、泊まってない」
「桜子!そんなに勘ぐらなくても滋がくれば分かるだろ?」
「そうですけど・・でも、どうして呼び出した張本人が来ないんですかね?」
「電話してみる?」
そう言って牧野が携帯電話を取り出した時
やっと滋が到着した・・が!!
やって来たのは滋一人じゃなかった
「お待たせ~!遅くなってごめんねぇ~!」
いつもより数段高いテンションで登場した滋の手はマットの手に繋がれていた・・

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
それぞれが着替えを済ませ四人で部屋を出たのが午後6時過ぎ
この時の俺達はまだこれから何が起こるのか分かっていなかった
7時少し前にレストランに到着すると個室へと案内される
レストランにはまだ俺達以外、誰も来ていなかった
席につき5分程でまず司が到着した
記憶が戻った司と会うのはこの時が初めてだっただが
入ってきた瞬間に分かった
明らかにカンクン以前の司と今の司は身に纏っているオーラが違う
少し緊張した面持ちで個室へと入ってきた司は
牧野が居ないことに落胆している
全く分かりやすい男だ
司があきらに促されてあきらの隣の席へと腰を落ち着けて
すぐに牧野が到着し
"遅くなってごめんねぇ~"
と言いながら入って来た彼女が当たり前のように総二郎の隣の席へと座った
長方形のテーブルで偶然にも司の目の前に腰を下ろした牧野
牧野は司の目の前だという事を気にしていない様子だったが
司の視線は牧野が個室へと入ってきた瞬間から彼女に釘付けの状態で
心なしか顔も赤いような気もする・・
鈍感な牧野は気付いてねぇーみたいだけど
まぁ~まさか司の記憶が戻ってるなんて夢にも思ってねぇーだろうしな
牧野はそれぞれに声を掛けて最後には司にも"こんばんは"と声を掛けた
単なる挨拶なのに・・・
司はどう返事を返していいのか分からない様子で少し上ずった声でかろうじて
"あぁ"と返事をしただけ・・・
牧野以外が微妙な空気の中
まだ顔を見せない滋を待っていた
俺の隣に座ったつくしがバッグからなにやら小さな茶色の紙袋を取り出した
「なんだソレ?」
「ん?これ?胃薬・・総二郎、お水貰って」
「調子悪いのか?だったらちゃんと医者に行けよ!」
「うん、大丈夫よ。
一過性のものだから」
「何で分かるんだよ?」
「だって今日、レイチェルに彼女特製のツナサンド食べさせられたからなんだもん・・
今、狙ってる彼に渡すんだって・・
あっ!味は聞かないでよ!表現なんて出来ないんだから!
ジーナなんて一口食べただけで怒って帰っちゃったぐらいなんだから!」
「ジーナ、こっちに帰ってきてんのか?」
「うん、去年の暮れに離婚して戻ってきてる。
今はSOHOの画廊で働いてるわよ」
「そうか、で?レイチェルの今度の相手ってどんな奴なんだ?」
「市立図書館の司書さんなんだって」
「図書館?レイチェルが?」
「そうよ。タクシーで信号待ちしてる時に横断歩道を横切ってる彼に一目惚れして
また、軽~くストーキングしちゃったみたいよ」
「まだやってんのか?」
「最近は毎日のように図書館に通って読みもしないのに彼のおススメの本借りてるわ。
あ~思い出しただけで胃が痛くなってきちゃった・・もうアレはある意味天才よね!
どうすればベーグルにツナ挟んだだけのツナサンドをあんなにも不味く作れるんだろう?」
「そんな凄かったんか?」
「凄かったわよ!食べた瞬間に軽~く殺意を覚えたくらいにね。」
「そんな凄いもんその男に喰わせたのかよ?」
「それは大丈夫よ。私がちゃんと食べれるように作り直したから。
レイチェルがやった事って二つに切ってホイルで包んだだけよ。
でも渡す前に私に味見させてくれて正解だったかも?
あんなのよく知らない人に食べさせたら殺人罪で訴えられるわよ!」
まるでここには牧野と総二郎しか居ないかのように
俺達には全く付いていけない話しを続けている二人
「なぁ?レイチェルって料理教室通ってなかったか?
何習ってきたんだ?」
「料理教室・・?あ~あの動機が思いっきり不純なフランス料理の講習会ね・・
総二郎は知らなかったの?レイチェルがどうしてフランス料理なんて習い始めたのか?」
「なんも聞いてねぇ」
「あの講習会って一回500ドルもするのよ!信じられる?500ドルよ!
雑誌に載ってたシェフに一目ぼれしてそのシェフが開いている講習会に通ってたのよ。
目的は料理じゃなくて作る方のシェフだったの!そんなんで料理なんて上達するわけないじゃない!
一度だけ彼女に付いて行ったけど講習会の間中、ずーっとシェフに見惚れてポーっとしちゃって
なんにも頭に入ってなかったわよ。」
「そんないい男だったのか?
で、その男とはどうなったんだよ?」
「う~ん・・確かに顔は良かったけど・・
なんかキザな感じで私はパス!
その人ね独身だって触れ込みだったんだけど
パリに奥さんと子供がいる事が発覚してあっさり玉砕したわよ!」
「今回はどうなんだ?
上手く行きそうなのか?」
「う~ん・・どうなんだろうね?
まぁ、とりあえずは独身みたいだし、話しも合うみただいから大丈夫なんじゃない?
後は絶対、ダブルデートしようって言ってくるから今回はジーナに任せて私はパスする!」
「なんで?いいじゃねぇーかよ。
お前好きだろ?ダブルデート!」
「好きじゃないわよ!それにねレイチェルとダブルデートって今までまともなのが来たためしがないでしょ!
コーヒーの代わりにプロテイン飲んでる筋肉オタクとか、スタートレックオタクが来た時は本当に最悪だったのよ!
クリンゴン星人とバルカン人の違いなんてどうでもいいのよ!」
クリンゴン星人もバルカン人も分からないけど
牧野の言葉に総二郎が苦笑いを浮かべて二人の会話が終わった事は分かった
牧野と総二郎のやり取りが終わると桜子が口を開いた
「先輩?滋さんから何か聞いてませんか?」
「何も聞いてないわよ。今日だって時間と場所だけしか聞いてないし・・
みんなも何も聞いてないの?」
「聞いてないんです・・先輩は滋さんに最後に会ったのは何時ですか?」
「桜子と同じだよ・・二人が日本に帰って、それっきり会ってないけど?」
「おかしいですね。滋さんは先週からこっちに来てるはずなんですけど。」
「そうなの?」
「ええ、そうなるといよいよおかしいですね。
滋さんはこっちで一体なにしてるんでしょうね?
道明寺さん?滋さんはメープルに泊まってますか?」
「いいや、泊まってない」
「桜子!そんなに勘ぐらなくても滋がくれば分かるだろ?」
「そうですけど・・でも、どうして呼び出した張本人が来ないんですかね?」
「電話してみる?」
そう言って牧野が携帯電話を取り出した時
やっと滋が到着した・・が!!
やって来たのは滋一人じゃなかった
「お待たせ~!遅くなってごめんねぇ~!」
いつもより数段高いテンションで登場した滋の手はマットの手に繋がれていた・・

応援ありがとうございます。
スポンサーサイト