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Fly High 54

こんばんは。🎶
お引っ越しです。
それではどうぞ~✴






仲間達への婚約爆弾発表から1ヶ月
マットと滋さんの婚約が正式に発表され

それと同時にペリー財閥と大河原グループの提携も発表され
経済界は大変な騒ぎとなり
双方の株価を一気に押し上げている

出会いから婚約まで3ヶ月、そして半年後には挙式

花嫁である滋さんは本来ならば式の準備で大忙しのはずなのに
ずっとNYに居て私の秘書を続けている

仕事を始めてまだ1ヶ月だけれどさすが滋さん
すっかり仕事にも慣れてある程度任せても大丈夫になってきているし

何より他のスタッフ達とも打ち解けて社内には
朝から滋さんの元気な声が響いている

私は相変わらずの毎日

いや‥

なんとしても8月に1ヶ月の休みを取りたいマットのとばっちりを受け
普段よりも忙しい毎日を過ごしている

そんな中、マットの婚約が正式に発表された事で
大学時代の友人達が集まってパーティーが開かれる事になった

いつの間にか幹事を任されてしまった私

忙しいのに‥

誰か代わってよーー!!と友人達に電話を掛けまくったんだけど
みんな何だかんだと理由をつけて断られてしまい

仕事の合間を縫って友人達に連絡を取り何とか
みんなが集まれる日にちを決めたんだけど
お店を探し出すだけの気力は残っていなかった

それに忙しくても幹事をやる以上は
大好きな滋さんと大切な友人であるマットの為に
出来る限りの事をしてあげたかったから

結局、考えあぐねた末にお店を貸切るのではなく私の部屋で
ワイワイやる方がいいと思いライズ家からお手伝いさんを呼んで
パーティーの準備をした

出席者は主に大学時代の友人で私とマットの共通の友人

共通って言っても大学に居れば取っている講義は同じだし
お昼も一緒だったマットとは必然的に集まってくるメンバーも決まっていて
その中には頻繁にNYへ来ていた総二郎も含まれていた

そして1ヶ月前、滋さんに呼び出されてNYに来て以来ずっとこっちに居る桜子

桜子はこっちで何をしてるかって言うと
お料理教室に通ったりマナー教室に通ったりと何故かNYで花嫁修業中

それから忙しいのに

呼んでないのに
再び無理やりスケジュールを調整して来ちゃった花沢類と美作さん
そしてもちろん道明寺も‥

結局、メンバーが再び勢ぞろいでそこに大学時代の友人達で結構な人数が‥

私の部屋のリビングが大変な事になっている

友人達の輪の中でみんなに祝福されて満面の笑顔でこたえている滋さんと
少し照れているマット

パーティーも続々と友人達が到着しガヤガヤとした雰囲気の中
何故か桜子が私から離れない‥

「先輩!この中で独身で彼女の居ない人って誰ですか?」

「独身かどうかは分かるけど・・恋人までは分かんないわよ」

どうして桜子がそんな事を聞くのか不思議に思い
聞き返そうとした時、同じように桜子の今の発言を
聞いていた美作さんが先に言葉を発した

「桜子、そんな事聞いてどうすんだ?
 お前、男を探すために来てんのか?」

「そうですよ。滋さんはさっさと先輩のお友達をゲットしちゃったんですよ!
 だから私も滋さんを見習ってこっちに住むんです!」

「桜子‥それより日本で友達作れ!その方が早い!」

「失礼な事言わないでください、美作さん!
 私にはちゃんと先輩と滋さん以外のお友達は居るんですから!」

「ほぉ~聞いた事ねぇけどな?」

「居るんですよ!もぅ!そんな事どうでもいいですから
 先輩!誰か紹介してくださいよ!」

「いいけど‥紹介するだけにしてよ?」

「分かってますよ、後は自分でやりますから」

「で、誰がいいの?」

「先輩がやってない人でちゃんと働いてる人なら誰でもいいですよ」

『ブッーーー!』

桜子のその言葉に美作さんがワインを吹き出した

「ああああんた、なに言ってんのよー!?」

慌てる私に冷静な顔で桜子は

「先輩、嘘はつかないでちゃんと教えといてくださいね!
 後で聞くのって気分悪いですから。」

「そ、そんな事‥言えるわけないでしょ!!
 そ、それに‥それってそんなに重要な事なの?
 好きになっちゃったら関係ないでしょ?」

「そうですけど、心構えも問題ですよ。
 先輩だって今さら慌てる事でもないでしょ?」

「そ、そうかもしれないけど‥
 だからってどうして言わなきゃいけないのよ!
 ヤダからね!!」

抵抗する私に桜子は呆れた顔をしているけど‥

嫌なものはヤダ!!

口をつぐんでしまった私の後ろからマットの声が聞こえてきた

「桜子!俺が教えてやるよ!」

その言葉に慌てて振り向くとニヤニヤしたマットの顔

ヤバイ!

マットがこの顔してる時は大抵ロクな事がないの!!

「ちょ、ちょっと口挟むんじゃないわよ!
 あんたには関係ないでしょ!!」

「いや!大いに関係ある!俺も桜子には幸せになってもらいたいんだ。
 桜子の幸せに俺が役立つんだったら喜んで手伝うぜ!」

もっともらしい事を親切そうな顔して‥

結局は私に嫌がらせしてるだけでしょ!!

桜子にしたって何でそんな事にこだわるのよ!?

いい大人なんだからいいでしょ!?

ほっといてよーー!!

「いい加減にしてよ!マットはあっちへ行ってて!!
 桜子!くだらない事ばっかり言ってたら紹介しないわよ!」

「いいですよ、マットさんに紹介してもらいますから」

「おー!俺に任せとけ!!」

「二人共、いい加減にして!」

「なにでかい声出してんだ?」

総二郎の声がして振り向くとそこには総二郎と類

それに道明寺まで‥

もう!最悪!!

「なんでもないわよ!」

「なんでもねぇーのに大声出してんのか?」

「地声よ!五月蝿いわね!」

総二郎に言い返しながらもマットと桜子を睨みつけると二人とも笑ってる

ムカつく!

まだ文句を言いたいところなんだけど
メイドさんが電話だと伝えにきたので渋々その場から離れた






"余計な事しゃべるんじゃないわよ!"
とマットに言い残しつくしが電話に出るためその場から離れた

マットと桜子がなにやらヒソヒソ話をしている横では
あきらが呆れた顔をしている

視線だけで"どうしたんだ?"
と問いかけるとあきらがつくしの大声の理由を教えてくれた

「桜子・・お前、そんな事、聞いてどうすんだよ?」

「どうもしませんよ」

シレっとした顔で

凄い事聞いてんぞ・・

桜子はマットに"あの人はどうですか?"なんて聞いてやがる

二人の視線の先に見えるのは・・

以前、つくしが付き合ってた男

マットは平然とした顔で

"あ~あ~あれは完璧やってる"

なんて答えてやがるし

そしてそのまま俺に向かって

"そうだろう?"

なんて聞いてきやがる

「俺に聞くなって!」

マットから目を逸らし持っていたグラスに口をつける
類たちの痛いほどの視線を感じる

勘弁してほしい

居心地の悪さを感じながらもつくしが
付き合ってた奴が居るほうへと視線を向けると
電話を終え戻ってきたつくしがその男へと声を掛けているのが見えた

親しげに男と会話しているつくしにまた一人、男が近寄ってきた

名前はカイル

学生時代、特につくしと仲が良かった男だ

今度は桜子が何か言う前にマットが

「あれも間違いなくやってるぞ!
 そうだろう、総二郎?」

だから俺に聞くなって

お前の言葉にいちいち反応する奴がここに何人居ると思ってんだよ!

だけど
どうやらマットはつくしと仲の良かった男は
全部デキてると思っているらしいが
自分を基準に考えるなよな!

それにカイルとつくしなんて有り得ねぇーって言うか・・・

不可能なんだよ!

まぁ・・お前は知らねぇーみたいだけど・・

「あいつは違うぞ」

「何でそう言い切れるんだよ?」

「お前こそ何でやったって思うんだよ?」

「普通、そう思うだろ?
 あいつらマイアミでずっと同じ部屋に泊まってたじゃねぇーかよ?!」

あ~あ~そう言えば

そんな事もあったなぁ~

マットの言うマイアミとは大学3年目の冬休みに2週間の予定で
マットとつくしとカイルと俺の四人でマイアミに旅行した事があった
当初はつくしとカイルが二人で行く約束をしていたのだが
それを聞きつけたマットが自分も行くと言い出し
俺もそれに巻き込まれていた

マイアミに行った理由はカイルはマイアミ出身で

カイルからマイアミには沢山の遊園地があって
そのどれも規模が大きく中には
世界的に有名なジェットコースターがある遊園地もあると
聞いたつくしが行きたいと言い出したからだった

2週間、レンタカーを借りてガイドブックと地図を片手に遊園地のハシゴ

あの時、一体何台のジェットコースターに乗ったんだ?

その時、泊まったホテルでは大抵が俺とマット
つくしとカイルという部屋割りになっていた

だからマットはその時の事を言っているのだろうけど

同じ部屋に泊まった男女は絶対にヤッてるって
こいつの短絡思考が羨ましい

「あ~・・けど有り得ねぇーよ!」

少しうんざりしながらも言葉を返す俺にマットが食い下がってくる

「だったら賭けるか?」








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kirakira
Posted bykirakira

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