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月夜に 46

こんばんは。(#^.^#)
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴






そろってリビングに入って行くと
そこには親父四人組と司とあきらのお袋さん
それに双子の妹達と小さな女の子が一緒だった

女の子は司の親父さんの膝の座りなにやら一生懸命話をしていて
その様子を周りの大人たちは微笑ましそうに眺めていた

息子である俺達には決して見せない顔‥

その光景を初めて見る
司と椿姉ちゃんなんてリビングの入り口で固まってしまっている

俺は小声で

「オイ、司!大丈夫か?」

「‥あ、あぁ、あれが雛か‥?」

ったく!

他に誰がいるんだよ!

「そうだろうな」

小声で会話していると司の親父さんの声が聞こえてきた

「お前たちそんな所で突っ立ってないで入ってきたらどうだ」

「は、はい‥失礼します」

中へ進むとそれぞれの親父が声をかけてきた

「類、久しぶりだな。元気だったか?」

「はい、お父さんこそお変わりありませんか」

「ああ、ありがとう」


ったく類んとこは相変わらずだな‥

どんな時でもマイペースでボケた会話を交わしてやがる


「総二郎、どうしたんだ?私の顔に何か付いてるかね?」

俺の親父だった

どうしたんだ?

って‥

それはこっちが聞きてーよ!

なんて‥

まさか口に出して言えるはずも無く

「えっ‥いいえ、失礼しました」

「お前達にも紹介しておくよ」

そう言ったのは司の親父だった

「櫻の娘の雛だ」

親父達は牧野の事をあくまでも櫻で通すつもりらしい

「雛、皆さんにご挨拶しなさい」

「は~い。
こんにちは、みまさか ひなです!」

マジでかわいい

親父達が骨抜きになるのも分かるな‥

真近で見た雛は肌の色は白く黒目がちな大きな瞳に長い睫毛に
ウェーブのかかった黒髪でまるで人形みたいだ

英徳一のプレイボーイの俺としては将来がすこぶる楽しみ

なんて考えていると類が腰を折って雛に話しかけている


「こんにちは、雛ちゃん。
僕は花沢類、よろしくね」

「お兄ぃちゃま、はなざわって言うの?」

「そうだよ、あそこに座っているのは僕のお父さんなんだ」

「ふ~ん、花沢のおじいちゃまがお兄ぃちゃまのパパなんだ」

「そう、だからおじいちゃま同様、僕もよろしくね」

「うん!」

「雛ちゃん、俺は西門総二郎。
 そこに居る西門のおじいちゃまが俺のお父さんだよ」

「うん!お兄ちゃまも雛と仲良くしてね」

「もちろん。でもみんなお兄ちゃまじゃややこしいよね?
 俺の事は名前で呼んでくれる?」

そう言うと雛はちょっと考えてから満面の笑みで

「じゃぁ、そうちゃんでいい?」

なんて言うからついつい頬が緩む

「OK、今から俺はそうちゃんだね。
よろしくね雛ちゃん」

「うん、よろしくね!」

今度は類だった
こいつは昔から変なとこで張り合ってくる

「じゃぁ、僕は類でいいよ」

「うん!るい君もよろしくね!」

「こちらこそ」

司はただ黙って雛を見つめている

雛が司の方を向き親子で見つめ合う形になった

何、親子で見つめ合ってんだよ!
さっさと自己紹介しろよ!


「オイ!司!」

小声で言いながら肘で少しつついた

「‥あっ、あぁ‥」

司より先に雛が話し掛けた

「お兄ちゃまはダレ?」

雛にそう話し掛けられた司は固まってしまっている

ったく何やってんだよ!

さっさと自己紹介しろってんだ!

自分の娘だろうが!

何、緊張してんだよ!

"プッ!司、緊張してるね"

類が小声で話し掛けてきた

"ああ、あいつの緊張してる顔なんて滅多におがめねぇよな"

"本当だね"


「お、俺は司、道明寺司だ」

「どうみょうじ‥?」


そう言って雛は司の親父の方を見ている

「そうだよ、おじいちゃんの息子だよ。
 その隣に居る女の人はおじいちゃんの娘で椿って言うんだよ」

「ふ~ん、お姉ちゃまはつばきって言うの?」

姉ちゃんはもう泣き出している

「雛ちゃん、こんにちは。
これからよろしくね」

姉ちゃんが雛を抱きしめている

抱きしめられた雛は少し驚いていたが
特に嫌がる様子もなく
ただ姉ちゃんが泣いているのを不思議そうに見ていた

「お姉ちゃまはどうして泣いてるの?」

「雛ちゃんに会えてうれしいからよ」

姉ちゃんのその言葉を聞いた雛は何かを考えている様子だったが
おもむろに自分のポケットからハンカチを取り出し姉ちゃんに手渡した

ハンカチを受け取った姉ちゃんの瞳からはさらに涙が溢れ出している
これで姉ちゃんも雛の虜になったな

司は放心したような表情でただ雛を見つけているだけ

こいつ、マジで大丈夫か?

ここで俺達は親父達に無理矢理に現実の世界に引き戻される事になる‥

「お前達に話しておかなければならない事があるんだがね」









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kirakira
Posted bykirakira

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