月夜に 50
こんばんは。(#^.^#)
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
あきらと櫻が雛を連れて戻ってきた
櫻は司の前に雛を連れて行くとしゃがみこんで雛と目線の高さを同じにして話している
「あのね、雛?この人があなたの本当のパパなの
名前は道明寺司さんって言うの」
雛が司の顔をじーっと見つめている
「雛のパパ?」
視線を櫻に移しながら
「ねぇ、ママ~雛のパパはあきらだよ?
この人もパパなの?」
「あきらはパパじゃないでしょ?ママのお兄ちゃまでしょ?
それに前にお約束したでしょ?あきらの事をパパって呼ぶのは
本当のパパの事を思い出すまでだって」
「ママは思い出したの?」
「‥まだよ。だけど雛は本当のパパに会いたいって言ってたでしょ?」
「言ったけど‥雛はあきらがパパでいいもん!」
雛の言葉を聞いてあきらも櫻と同じようにしゃがみ込んで雛と目線を合わせて話し始めた
「櫻、俺が代わるよ。
なぁ、雛こういうのはどうだ?
俺もパパでいいから、司もパパっていうのはどうかな?」
雛は少しの間あきらと司の顔を見比べていたが
やがて表情は笑顔に変わり
「う~ん、それだったらいいよ!」
「じゃぁ、雛には二人のパパがいるんだね?」
「そうだな、よかったな」
「うん。じゃぁ、おじいちゃま達にも言ってくる!」
満面の笑みで答えてリビングから駆け出して行ってしまった
また、櫻が俺を睨んでいる‥
「もう!また、あんな事言って!
どうしてパパが二人になっちゃうのよ?
これじゃぁ、何も変わらないでしょ!
あの子、単純にパパが二人になったって喜んでるだけよ!」
「じゃぁ、どう言えばよかったんだ?」
「本当のパパが分かったんだからもうパパって呼ぶなって言えばいいでしょ」
「やだね!そんな事言ったら雛が傷つくだけだろう!
ちょっとは考えろよ!それに今すぐ呼ぶなって言うほうが無理だろ。
だからいいんだよ、これで」
「考えてるわよ!考えても分からないのよ!
どうすればいいのか分かんないのよ‥
ねぇ、あきら‥私はどうすればいいの?」
泣きそうな表情の櫻の問い掛けにあきらは櫻の頭をやさしく撫でながら
「あ~もう!そんな顔するな。今のは俺が言い過ぎた、悪かったよ。
大丈夫だから、考えすぎるな雛が心配するだろ。
雛だって今は良く分かってかもしれないけど、ゆっくり時間を掛けて説明していけばいいんだから。
大丈夫、雛は賢い子だから分かってくれるよ」
「そうだといいんだけど‥」
指先で涙を拭いながら答えている櫻に優しい眼差しを向けているあきら
なんなんだ?
俺達の目の前で展開されている光景は?
あいつら自分達がどういう風に見られてるか気付いてないのか?
ほら見ろ!
司なんて顔面蒼白で固まっちまってるじゃなぇか!
まぁ‥暴れ出してないだけまだましだけど
ったく!あきらの奴!
少しは考えろよな!
これが親父達が最後に言ってた事なのか?
牧野の記憶が戻ってもあきらを選ぶって
確かに今目の前にいるあの二人を見ていると司に勝ち目が無いように思えるよなぁ‥
この二人‥6年半もの間こうやって過ごしてきたのか?
記憶の無い牧野をあきらはこうやって支えてきたのか?
だとしたらこの二人の絆は俺達が思っている以上のもんがあるなぁ
まだ瞳に涙を浮かべたままの櫻が司に向き直り
「道明寺さん、ごめんなさい」
記憶の無い櫻が司の事をさん付けで呼ぶのは仕方がないが
たったそれだけの事が司を追い詰めていく‥
「‥お、俺は構わないから。いいよ、このままで。
雛が俺のことをパパって呼んでくれるだけでうれしいから」
そう言うのが精一杯だった
でもこの言葉は本心だ
今は雛が俺の事をパパと呼んでくれるだけでいい

応援ありがとうございます。
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櫻は司の前に雛を連れて行くとしゃがみこんで雛と目線の高さを同じにして話している
「あのね、雛?この人があなたの本当のパパなの
名前は道明寺司さんって言うの」
雛が司の顔をじーっと見つめている
「雛のパパ?」
視線を櫻に移しながら
「ねぇ、ママ~雛のパパはあきらだよ?
この人もパパなの?」
「あきらはパパじゃないでしょ?ママのお兄ちゃまでしょ?
それに前にお約束したでしょ?あきらの事をパパって呼ぶのは
本当のパパの事を思い出すまでだって」
「ママは思い出したの?」
「‥まだよ。だけど雛は本当のパパに会いたいって言ってたでしょ?」
「言ったけど‥雛はあきらがパパでいいもん!」
雛の言葉を聞いてあきらも櫻と同じようにしゃがみ込んで雛と目線を合わせて話し始めた
「櫻、俺が代わるよ。
なぁ、雛こういうのはどうだ?
俺もパパでいいから、司もパパっていうのはどうかな?」
雛は少しの間あきらと司の顔を見比べていたが
やがて表情は笑顔に変わり
「う~ん、それだったらいいよ!」
「じゃぁ、雛には二人のパパがいるんだね?」
「そうだな、よかったな」
「うん。じゃぁ、おじいちゃま達にも言ってくる!」
満面の笑みで答えてリビングから駆け出して行ってしまった
また、櫻が俺を睨んでいる‥
「もう!また、あんな事言って!
どうしてパパが二人になっちゃうのよ?
これじゃぁ、何も変わらないでしょ!
あの子、単純にパパが二人になったって喜んでるだけよ!」
「じゃぁ、どう言えばよかったんだ?」
「本当のパパが分かったんだからもうパパって呼ぶなって言えばいいでしょ」
「やだね!そんな事言ったら雛が傷つくだけだろう!
ちょっとは考えろよ!それに今すぐ呼ぶなって言うほうが無理だろ。
だからいいんだよ、これで」
「考えてるわよ!考えても分からないのよ!
どうすればいいのか分かんないのよ‥
ねぇ、あきら‥私はどうすればいいの?」
泣きそうな表情の櫻の問い掛けにあきらは櫻の頭をやさしく撫でながら
「あ~もう!そんな顔するな。今のは俺が言い過ぎた、悪かったよ。
大丈夫だから、考えすぎるな雛が心配するだろ。
雛だって今は良く分かってかもしれないけど、ゆっくり時間を掛けて説明していけばいいんだから。
大丈夫、雛は賢い子だから分かってくれるよ」
「そうだといいんだけど‥」
指先で涙を拭いながら答えている櫻に優しい眼差しを向けているあきら
なんなんだ?
俺達の目の前で展開されている光景は?
あいつら自分達がどういう風に見られてるか気付いてないのか?
ほら見ろ!
司なんて顔面蒼白で固まっちまってるじゃなぇか!
まぁ‥暴れ出してないだけまだましだけど
ったく!あきらの奴!
少しは考えろよな!
これが親父達が最後に言ってた事なのか?
牧野の記憶が戻ってもあきらを選ぶって
確かに今目の前にいるあの二人を見ていると司に勝ち目が無いように思えるよなぁ‥
この二人‥6年半もの間こうやって過ごしてきたのか?
記憶の無い牧野をあきらはこうやって支えてきたのか?
だとしたらこの二人の絆は俺達が思っている以上のもんがあるなぁ
まだ瞳に涙を浮かべたままの櫻が司に向き直り
「道明寺さん、ごめんなさい」
記憶の無い櫻が司の事をさん付けで呼ぶのは仕方がないが
たったそれだけの事が司を追い詰めていく‥
「‥お、俺は構わないから。いいよ、このままで。
雛が俺のことをパパって呼んでくれるだけでうれしいから」
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でもこの言葉は本心だ
今は雛が俺の事をパパと呼んでくれるだけでいい

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