女子アナ(仮) ４司君ＢＤ2020

サプライズの言葉に驚きながらも

差し出された手を掴むとエスコートされ

そのままエレベーターに乗り込み１階のロビーへ


サプライズで結婚式だなんて言ってたから

てっきりメープルのチャペルだと思ってたんだけど

予想に反して私をエスコートしたまま彼は

ロビーを通り抜けエントランスに停められていたリムジンに乗り込んだ


エレベーターを降りた瞬間

ロビーにいた人達から悲鳴が上がった


平日とはいえ沢山の人がいたメープルのロビーをウェディングドレス姿の私


おまけに新郎は彼だし‥


光沢のあるシルバーグレーのフロックコートスタイルの彼は

本当に似合ってていて格好いい


ムカつくほどに格好よくて


なんでこんな人が私とって‥


不思議


不思議なんだけど今は

すっごい注目浴びていて恥ずかしい‥


リムジンに乗り込んですぐ隣にピッタリ張り付くように座っている彼に問いかける


「ねぇ？どこ行くの？」


「結婚式するっつただろ」


「うん、それは聞いたけど‥
てっきりメープルでするんだと思ってたから」


「メープルは年末にするだろ。
今日は俺達だけの結婚式だ！」


そう言って連れて来られたのは

初めて待ち合わせしたビルの前


「ここって‥」


「そうだ、俺が放置プレイされた場所だ」


「もぅ！変な言い方しないでよ！何度も謝ったでしょ！
いちいち蒸し返さないでよ！」


口調の中に非難めいた物を感じて
彼の脇腹にパンチを一発


「痛ぇ～な！暴力女！」


ビルは建て替えられていて周辺の雰囲気も
あの頃から大分変わっているけれど
ここは謂わば私達の原点と言ってもいい場所

まだこいつの事なんて全然好きじゃなくて‥

いや‥ちょっとは好きだったのかもしれないけれど‥

日々、目まぐるしく変わる日常に翻弄されまくりだったあの頃

まさか自分が将来、アナウンサーなんて職業につくなんて夢にも思っていなかったし
ましてや彼と結婚なんて‥

想像すらしていなかった未来

だけどその想像すらしていなかった未来が
今、確かに現実として目の前にある

そして私はその現実にこの上ない幸せを感じている




先に降りた彼に手を引かれリムジンから降りると
周囲から悲鳴に近い歓声が上がった

平日の真っ昼間

東京のど真ん中に見知ったいつものメンバー

みんな正装していて見慣れた顔ぶれなんだけど
やっぱりこの人達が揃うと迫力が違う

そして何事かと足を止めている沢山の通行人

そんな中を彼にエスコートされながらバラのアーチをくぐり抜けると
祭壇が置かれていてそこには神父様の格好をした西田さんが‥








短いし中途半端でごめんなさいm(__)m

応援ありがとうございます。