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月夜に 60

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴







翌朝、目覚めるとここ数日恒例になっている胃の痛みがやってくる

あまり食欲がない

あきらは私の体調が悪い事に気付き始めている・・

ダイニングへ降りて行くとすでにあきらと雛が朝食の真っ最中だった
雛はご機嫌であきらとお母様相手に話をしている

「おはようございます。」

「ママ~おはよう~!」

「櫻ちゃんおはよう。朝食食べるでしょ?」

「はい、でもあまりお腹すいてないので、軽くでお願いします。」

「分かったわ。用意するから座ってて。」

「ありがとうございます。」

「櫻、大丈夫なのか?無理するなよ。」

「うん大丈夫だから、心配しないで。
あきらは今日、どうするの?」

「俺は総二郎達と約束してるよ。」

「遅くなる?」

「いいや、そんなに遅くはならないと思うけど、
 どうしたんだ?」

「ううん、特に何かってわけじゃないんだけど・・・
 最近、忙しかったからあきらとゆっくり話しもしてないなぁ~って思って。」

「そうだな。」

「ねぇ、私も早く帰ってくるから今日は一緒に晩ごはん食べない?」

「お前なぁ~、今日は司と三人で出かけるんだぞ。
 もう帰ってくる事考えてるのか?それにな、今日ぐらいは司と
 一緒に晩メシ食べてやれよ。俺とはいつでも食えるだろ。」

「・・・う~ん、やっぱり予定に入ってるわよね?」

「当たり前だろ。あいつは少しでもお前と長く一緒に居たいんだから。」

「それは分かってるんだけど・・・何だか彼とどういう風に接していいのか分からなくて・・・」

「それは司だって一緒だと思うぜ。
 だからそんなに構えなくてもいいよ。」

「・・・う、うん・・・」

「そんな顔するな。雛が心配するぞ。大げさに考えないで、
 今日は久日ぶりに雛と楽しんでこいよ。」

「分かった・・あきら、ありがとう。」

「ああ、もう司が迎えにくる時間だろ?
 早く食っちまえよ。」

「うん。」

ぎりぎりになってもまだ迷ってる・・・
胃の痛みが私の不安を言い表しているようで
何だか自分で自分が情けなく思えてくる

スープに口をつけるが、味がしない・・・

「その服、夕べ司が送ってきたやつか?」

「・・そうだけど・・似合ってる?」

「ああ、似合ってるよ。司も喜ぶんじゃないか?」

「・・・・うん・・・」




話をしている途中で急に櫻の瞳から涙が溢れ出した・・・・

「お、お前・・どうしたんだ?
何で泣いてるんだ?」

「・・えっ!?・・分かんない・・どうしてだろう・?」

どうして?・・・急に溢れ出した涙が止まらない・・・

「ごめんなさい・・・顔洗ってくる。」

俺が手を伸ばしかけた途端、櫻はダイニングから出て行ってしまった

行き場を失った右手だけが空しく空を漂っている・・・・





泣いている自分に気付いて、慌てて部屋に戻った

ビックリした顔のあきらが伸ばした手から逃れるように席を立ってしまった
日本に戻ってからだんだんと見えてくる自分の過去に頭では分かっているのだけど
心と身体が追いついてこない・・・

あきらの態度はパリにいる時と何も変わらない。

相変わらず優しい・・

その優しさに甘えてしまう自分がいる・・

あきらは私との結婚を望んでいると言ってくれた
でも雛の父親が誰何のか分かってしまった今は考えてしまう

やっぱり本当の父親である道明寺さんとやり直すのが一番いい事なのだろう・・

道明寺さんは私の事を今でも愛していると言ってくれている・・

彼の気持ちは嬉しい・・・けど、自分の気持ちが分からない・・・

牧野つくしは記憶を失くす前、何を感じて、何を想っていたのだろうか?

あの頃の私はどう決心していたのだろうか?









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kirakira
Posted bykirakira

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