大家さんは今カレ！？ 8

「道明寺さん！よろしければプロポーズをされた時の状況などを
詳しくお教えいただけませんか？」

「実はプロポーズは彼女の方からされました。
言葉は私達だけの宝物ですのでここでは控えさせていただきます」


プロポーズは牧野から‥

司の言葉に記者達にどよめきが広がり
俺と総二郎は同時に吹き出した

「ちょっと！なんでそこで吹くのよ！？」

「悪ぃ悪ぃ！けどよつくしちゃん大胆じゃん！」

「うるさいわよ！
なんか勢いっていうか‥
話しの流れで言っちゃったのよ！」

「いやいや！流れでも勢いでもあの司にプロポーズ出来る女なんて
世界中探してもお前ぐらいだ！」

「そうだぞ！牧野！
これからは猛獣のお守りしなくて済むってだけでお兄さん達は嬉しいぞ！」

「私に兄はいないっつーの！
それにあんた達甘いわよ！」

「なにが？」

「あいつのお守りから解放って喜んでるけど
それが甘いって言ってんのよ！」

「なんで？お前が居るんだから大丈夫だろ？！
猛獣が暴れねぇーようにしっかり操縦しとけよ！」

「あいつの事だからこれからは私と喧嘩するたびに
美作さん達に集合掛けるわよ！
頑張ってね、お兄さん達！」

「お前っ！いつからそんな減らず口聞くようになったんだ！？
牧野のくせに生意気だぞ！」

隣に座っていた総二郎が牧野の頬っぺを摘まんで引っ張りながらじゃれている

「いひゃぃ～！」

「こら！」

「いひゃぃってば～！」

「こら！ブス！
謝れ！」

「いひゃぃ！
はなへぇ！ヘロ門！」

「ヘロ言うな！」

「ヘロヘロ！」

じゃれている二人はほっといて
視線をテレビへと戻す

「道明寺さん！
お相手の方はからのプロポーズだとのことですが
場所はどこだったのですか？」

「ＮＹです」

「さぞかしロマンチックなシュチュェーションだったんですよね？」

「いえいえ、空港からマンハッタンに向かう走行中の車内だったので
全然、ロマンチックな状況ではありませんでしたが
私にとっては場所や時間は関係なくて
彼女が私を人生の伴侶に選んでくれたって事が一番重要なんです。
やっと夢が叶ったんですから」

「夢ですか？
道明寺さんほどの方なら幾らでもおモテになるでしょ？
それなのにこの方を一途に愛してらしていて
それほどまでに道明寺さんを惹き付けて止まない魅力は何なんでしょうか？」

「例えどれほどの女性にモテたしても私にとっては彼女じゃなければ何の意味もありません。
それに彼女の魅力を一言で表現するのは難しいですね。
ですが敢えて言うとすれば彼女は私の全てです。
彼女と一緒にいることが私にとっては息をするのと同じくらい
当たり前のことでそんな彼女が私を選んでくれたという事がこの上ない喜びです。
彼女は飾らない人柄で初対面の時から私を道明寺と呼び捨てにしていて
今でもそれは変わっていませんし食事に誘っても割り勘にしろとうるさいですし
割り勘に出来ないような高級なレストランなんかには来てくれませんし
先日も駅前の立ち食い蕎麦屋で蕎麦とおにぎりを食べてましたから」

「立ち食い…蕎麦、ですか？」

「はい、食べている途中で店から連れ出したら
その後はお腹が空いている彼女の機嫌が悪くて
しばらく口も聞いてくれませんでしたよ」

口も聞いてくれなかったとの言葉に
記者達の間に笑いが起こり隣では牧野が画面の中の司を睨んでいる

今までのイメージを覆し
会見は終始和やかに進行し
最後には司の"まだまだ若輩者ですが一生懸命頑張っていく所存ですので
これからは二人揃ってよろしくお願い致します。"と締め括って
記者会見が終わった














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