つくしちゃんＢＤ2020 あのあとどうした？ 6

バスルームで既にグロッキー状態のあたしを
更にベッドに放り投げるように置くと
すぐに覆い被さってきて抵抗する気力も体力も残っていなかったあたしを
好き勝手に翻弄してそのまま意識を飛ばしてしまったあたしを
バスローブ姿のままＰＪに乗せた道明寺

気がついた時は雲のはるか上で
超不機嫌で何処に向かっているのかと問うあたしに
あいつは上機嫌で
"この世の天国に連れてってやる！そこで今までの埋め合わせしてやるから楽しみにしてろよ！"
なんて言い放った道明寺

この世の天国なんて行きたくない！

あたしの年末は自分の部屋のコタツで
年越し蕎麦食べながら紅白を観て
年が明けたら近くの神社に初詣に行って
後はまったりとお正月番組観ながら
まった～りとした自堕落な時間を堪能したかったのに！

着いた場所はバハマ

まさに天国

なんだけどね・・

ＰＪを降りるとそのまま目の前に待機していたヘリに乗り換え
エメラルドグリーンのカリブ海に浮かぶ小さな島へと降り立ったあたし達

雲一つない空に青い海に白い砂浜
燦々と降り注ぐ太陽に南国ムード満点のヤシの木に
ラグーンに浮かぶように建てられている豪華なヴィラ

申し分のないバカンスって感じなんだけど
日本から丸一日・・・

サプライズで連れて来られる範疇を超えていて
脳内で上手く処理出来ていない

どうやらあたしはここで年末年始を過ごすらしい

「ねぇ、ここってなんなの？」

これぞまさに高級リゾート！って感じの豪華なヴィラ
寝室の大きな窓の向こうには青い空と青い海が広がっている

見た感じではヴィラは一つしか無くて
他にホテルのような建物も見当たらない

「ここは去年、俺が買った島だ！」

「・・・・・・・・島・・を買ったの？」

「おぉ、小さい島だけどお前と二人で過ごすのにちょうどいいだろ？」

ちょうどいい・・のか？

カリブ海の島が？

「島を一周しても３キロほどしかねぇし
使用人はいるけど近くの島からの通いだけだし
携帯も繋がんねぇから
誰の目も気にせず二人っきりでのんびり出来るぞ！」

「あんた・・あたしの為にわざわざこの島を買ったの？」

「まぁな、俺もお前と誰にも邪魔されずにのんびりしたかったしな！」

「・・・・・・・・・ほんとバカ」

呆れ顔でそう言ったあたしに対して
笑いながら少し照れたように"おぅ！"と返した道明寺

誉めてないっつーの！

その後は・・・

言わなくても分かるでしょ？

誰にも邪魔されない・・

確かに誰にも邪魔はされていない

ちょっとぐらい邪魔してくれればいいのに！

二人っきりでのんびりと・・´

確かに二人っきりよね

けどね！

青い空に白い砂浜に透き通る海
おまけにいいお天気で
夜になると空一面に満天の星

朝焼けで金色に光る海に
夕焼けで真っ赤に染まる空

スマホだってバッテリー切れのまま放置
まるでこの世界にはあたしと道明寺だけしか存在しないかのような錯覚に陥る

そんな世界の果てで・・・

ベッドから出られない！

まともに服だって着ていない

叫び過ぎて声もガラガラ

今日が何日なのかも分からない

多分、年は明けてる・・はず









応援ありがとうございます。