山口香の社長案件 6

西田の仕事の補佐をしながらリゾート地で待機すること５日

その間、一度だけホテルのプールに行ったけれど
プールサイドでマティーニを一杯飲んだだけで
早々に部屋へと引き上げて来た

何故かって？

ニューイヤーホリデーのリゾートで女が一人
プールサイドでマティーニ飲んでる図を想像してみて？

想像出来た？

だったら分かるでしょ？

虚しいったら・・・

それ以降、ほとんど部屋から出ずに過ごして
お陰で日焼けせずに済んだけどなんだろう？この不完全燃焼な敗北感は？




年が明けて２日目

本来であればまだまだお正月気分真っ只中で
温泉で両親とお屠蘇片手にお節突っついているはずだったんだけど
現実はアンドロイドと仕事

青い海も青い空も関係無しに
リゾートだからって浮かれるでもなく
流石にアンドロイドの顔・・見飽きたなぁ～・・なんて
思いながら目の前でタブレットを操作している西田をなんとなしに眺めていた

「私の顔に何かついてますか？」

「ん？・・あ～・・目と鼻と口と・・・」

「そうですか、あなたと同じですね」

「・・・ですね」

「人の顔をじろじろと眺めてニヤニヤするのは失礼ですよ」

「・・ニヤニヤなんてしてないけど・・・
そうだよね、失礼でした。
申し訳ない」

「いいえ、それでどうされたんですか？」

「・・あんたってつくづく嫌な奴だなぁ～って思ってただけだから
気にしないで」

「気にはしていませんが
悪口言われて気にしないでって言われたのは初めてですよ」

「・・・だよね、だから気にしないで
それよりいつまでここで待機してるわけ？
そろそろ次のスケジュール教えてくれてもいいんじゃない？」

「そうですね。
こちらが司様の今後のスケジュールです。流動的ではありますが概ねこの通りです。
今後、牧野様のスケジュールは司様のスケジュールと同一の物となりますが
管理はあなたにお任せしますのでそのつもりでお願いします。
それから今夜、司様と牧野様は休暇を終えてマイアミ国際空港に到着される予定になっています。
到着後はすぐにＮＹへと向かわれる予定ですので荷造りをしておいて下さい。
ＮＹへ到着後はそちらに書かれていますのでそれに伴った牧野様のスケジュールに関しては
最大限、牧野様の意向を汲んでいただいて結構ですが必ず司様の許可をお願いします」


今、最後にサラッと一番重要な事を言ったわよね？












応援ありがとうございます。