月夜に 67
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
その後、滋さんと雛の後についてひたすら園内を回ったんだけど
それにしても凄いパワー
ひとしきり遊び終えて滋さんと雛以外は全員ぐったり
この後は入り口近くのお店でお買い物らしいけど・・
私はもうダメ・・ギブアップ!
お店の前に置かれていたベンチに腰を下ろして買い物が早く終わることを
祈っていた
隣には花沢さんが座っている
すぐ近くにSPさんはいるけど二人っきりってなんだか緊張しちゃう
花沢さんは全然そんな風じゃないみたいだけど
無口な人なんだ・・
でも今は彼が無口で助かったかも
だってもう話す気力も残ってないんだもの
しばらくするとあきらだけがお店から出てきて私の隣にドッカリと座った
「雛は?」
「あぁ・・司と桜子がついてるから大丈夫だと思う。
お前は大丈夫か?」
「うん、疲れたけどね・・
ねぇ、雛は我が儘言ってない?」
「言ってないと思うか?滋と二人で店を買い潰す勢いだぞ!」
「へっ・・?」
「まぁ、あんまり心配するな。それに止めたって無駄だからな」
ハァ~
雛達が買い物を終えたのはそれから1時間後
店から出てきた全員の両手には凄い荷物でSPさんまで・・
一体なに買ったのよ!?
大喜びで雛が私の元へと駆け寄ってくる
「ママ~みんなにお土産買ったの~」
「そう、よかったね。
誰になに買ったの?」
「ん~これが~夢ちゃんとお姉ちゃま達なの!」
雛が続々と今買ってきた物が誰へのお土産なのか説明してくれている
そして雛のいつもの悪い癖が出てしまった
「これは~洋介君でしょ、それにこっちは誠君なの!
それから・・・」
雛の言葉を聞いていた西門さんが飲んでいた水を噴出しむせ返っている
そりゃそうよね
驚くわよね・・?
自分の父親の事を小さなの女の子がお友達のように君づけで呼んでるんだもの
隣では花沢さんがお腹を抱えて笑っているが当の雛は何を笑われているのか
分かっていないようで大笑いしている彼を無視して話を続けている
「それで~これが、かえでちゃんなの!」
かえでちゃん・・?
ちょっと待って!
楓って・・道明寺さんのお母様のお名前よね?
「ちょ、ちょっと雛!道明寺のおばあ様の事お名前で呼んじゃ失礼でしょ!」
「どうして~?
かえでちゃんがお名前で呼んでもいいって言ったんだよ?」
「・・そ、そうなの?」
花沢さんは相変わらずお腹を抱えたままでそれ以外の大人達は全員固まってしまっている
平然と話を続ける雛の横から小声で道明寺さんが
「オイ!こいつ、全員下の名前で呼んでんのか?」
「う、うん、最初はお母様だけだったの・・
お母様ね・・おばあちゃまって呼ばれるのが嫌みたいで
ご自分の事をゆめちゃんって呼んでねって雛に教えられたの
だから美作のお母様はゆめちゃんて事になっちゃって
そしたら今度はお父様がねあきらの事はパパって呼んでお母様がゆめちゃん
なんだからご自分も洋介君って呼んでもいいよっておっしゃって・・
後はそれを知ったお父様方が面白がられてそれぞれお名前を君づけで呼ぶようになっちゃったの
ごめんなさい・・びっくりしたでしょ?
いくらダメだって言っても、もう私の言う事なんて全然聞いてくれなくて・・」
「櫻、謝らなくてもいいよ。
親父とお袋が雛の事をかわいがってくれてる証拠だから。
このままでいいよ」
「そうだぜ!自分の父親を君づけで呼ばれんのは少し・・まぁ・・アレだけど、
まぁー俺もそうちゃんだしな・・だけど司のお袋さんがかえでちゃんってのは
笑えるよな!あの鉄の女って呼ばれてる人がねぇ~変われば変わるもんだな!」
「鉄の女・・って何?」
「あ~あ、お前は知らねぇーよな・・
ちなみにお前はお袋さんの事を魔女って呼んでたぜ!」
「魔女・・?」
「そうだ。お互い大嫌いで常に一色触発の状態だったんだけどな。
お前、お袋さんに啖呵切った事もあるし、司が刺された時はビンタまでした事あんだぞ!」
わ、わたしって一体なにやってたの?
バスルームから逃げて啖呵切ってビンタ?
あの頃の私って本当に必死だったんだ・・
次々と聞かされる過去の行動
自分がどんな風に行動していたのは分かったけどそこに感情は存在していない
私は何を考えてどう感じていたのだろうか?
また、ぼんやりとしていた・・・
優しい声で現実に引き戻される
「どうしたんだ?大丈夫か?」
「・・あっ・・うん、少し疲れただけだから」
「そうか、じゃぁそろそろ帰るか?」
自然に雛と手を繋いで歩きはじめる彼の背中を眺めていた
不思議な感覚・・
つい数日前まで雛と手を繋いで歩いていたのはあきらだったのに
私がいつも見ていた背中はあきらの背中だったのに
私はどちらの背中を求めているのだろう?
雛にとってはどちらの手を取り歩く事がいいのだろうか?
それ以前に私は選べるのだろうか?
記憶も感情も全て過去に置き去りにしたままでいいのだろうか?
また始まってしまった堂々巡り・・

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
その後、滋さんと雛の後についてひたすら園内を回ったんだけど
それにしても凄いパワー
ひとしきり遊び終えて滋さんと雛以外は全員ぐったり
この後は入り口近くのお店でお買い物らしいけど・・
私はもうダメ・・ギブアップ!
お店の前に置かれていたベンチに腰を下ろして買い物が早く終わることを
祈っていた
隣には花沢さんが座っている
すぐ近くにSPさんはいるけど二人っきりってなんだか緊張しちゃう
花沢さんは全然そんな風じゃないみたいだけど
無口な人なんだ・・
でも今は彼が無口で助かったかも
だってもう話す気力も残ってないんだもの
しばらくするとあきらだけがお店から出てきて私の隣にドッカリと座った
「雛は?」
「あぁ・・司と桜子がついてるから大丈夫だと思う。
お前は大丈夫か?」
「うん、疲れたけどね・・
ねぇ、雛は我が儘言ってない?」
「言ってないと思うか?滋と二人で店を買い潰す勢いだぞ!」
「へっ・・?」
「まぁ、あんまり心配するな。それに止めたって無駄だからな」
ハァ~
雛達が買い物を終えたのはそれから1時間後
店から出てきた全員の両手には凄い荷物でSPさんまで・・
一体なに買ったのよ!?
大喜びで雛が私の元へと駆け寄ってくる
「ママ~みんなにお土産買ったの~」
「そう、よかったね。
誰になに買ったの?」
「ん~これが~夢ちゃんとお姉ちゃま達なの!」
雛が続々と今買ってきた物が誰へのお土産なのか説明してくれている
そして雛のいつもの悪い癖が出てしまった
「これは~洋介君でしょ、それにこっちは誠君なの!
それから・・・」
雛の言葉を聞いていた西門さんが飲んでいた水を噴出しむせ返っている
そりゃそうよね
驚くわよね・・?
自分の父親の事を小さなの女の子がお友達のように君づけで呼んでるんだもの
隣では花沢さんがお腹を抱えて笑っているが当の雛は何を笑われているのか
分かっていないようで大笑いしている彼を無視して話を続けている
「それで~これが、かえでちゃんなの!」
かえでちゃん・・?
ちょっと待って!
楓って・・道明寺さんのお母様のお名前よね?
「ちょ、ちょっと雛!道明寺のおばあ様の事お名前で呼んじゃ失礼でしょ!」
「どうして~?
かえでちゃんがお名前で呼んでもいいって言ったんだよ?」
「・・そ、そうなの?」
花沢さんは相変わらずお腹を抱えたままでそれ以外の大人達は全員固まってしまっている
平然と話を続ける雛の横から小声で道明寺さんが
「オイ!こいつ、全員下の名前で呼んでんのか?」
「う、うん、最初はお母様だけだったの・・
お母様ね・・おばあちゃまって呼ばれるのが嫌みたいで
ご自分の事をゆめちゃんって呼んでねって雛に教えられたの
だから美作のお母様はゆめちゃんて事になっちゃって
そしたら今度はお父様がねあきらの事はパパって呼んでお母様がゆめちゃん
なんだからご自分も洋介君って呼んでもいいよっておっしゃって・・
後はそれを知ったお父様方が面白がられてそれぞれお名前を君づけで呼ぶようになっちゃったの
ごめんなさい・・びっくりしたでしょ?
いくらダメだって言っても、もう私の言う事なんて全然聞いてくれなくて・・」
「櫻、謝らなくてもいいよ。
親父とお袋が雛の事をかわいがってくれてる証拠だから。
このままでいいよ」
「そうだぜ!自分の父親を君づけで呼ばれんのは少し・・まぁ・・アレだけど、
まぁー俺もそうちゃんだしな・・だけど司のお袋さんがかえでちゃんってのは
笑えるよな!あの鉄の女って呼ばれてる人がねぇ~変われば変わるもんだな!」
「鉄の女・・って何?」
「あ~あ、お前は知らねぇーよな・・
ちなみにお前はお袋さんの事を魔女って呼んでたぜ!」
「魔女・・?」
「そうだ。お互い大嫌いで常に一色触発の状態だったんだけどな。
お前、お袋さんに啖呵切った事もあるし、司が刺された時はビンタまでした事あんだぞ!」
わ、わたしって一体なにやってたの?
バスルームから逃げて啖呵切ってビンタ?
あの頃の私って本当に必死だったんだ・・
次々と聞かされる過去の行動
自分がどんな風に行動していたのは分かったけどそこに感情は存在していない
私は何を考えてどう感じていたのだろうか?
また、ぼんやりとしていた・・・
優しい声で現実に引き戻される
「どうしたんだ?大丈夫か?」
「・・あっ・・うん、少し疲れただけだから」
「そうか、じゃぁそろそろ帰るか?」
自然に雛と手を繋いで歩きはじめる彼の背中を眺めていた
不思議な感覚・・
つい数日前まで雛と手を繋いで歩いていたのはあきらだったのに
私がいつも見ていた背中はあきらの背中だったのに
私はどちらの背中を求めているのだろう?
雛にとってはどちらの手を取り歩く事がいいのだろうか?
それ以前に私は選べるのだろうか?
記憶も感情も全て過去に置き去りにしたままでいいのだろうか?
また始まってしまった堂々巡り・・

応援ありがとうございます。
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