月夜に 70
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
「どうしたの?」
黙り込んでしまった俺に櫻の柔らかい声が響いてきた
「あっ・・いや、親父達に大事にされてて安心した」
笑顔でそう言うと櫻も笑顔を返してくれる
その笑顔が眩しくて
俺に笑顔を向けてくれるのが嬉しくて
そっと抱き寄せると
時間が止まった気がした
サッとカーテンを揺らしながら入ってきた風が俺と櫻を包み込む
櫻は一瞬だけ身体を固くしたが抵抗はしなかった
櫻の髪に顔を埋めながらそっと耳元で囁いた・・・
笑顔を彼に返すと眩しそうに少し目を細めた彼の長い腕が伸びてきて
ふわりと包み込まれるように抱きしめられた
しばらく彼の腕の中でじっとしていると彼が私の髪に顔を埋めた
少し低い掠れた声が耳をくすぐる
「・・なぁ・・司って呼んでくれ・・」
「・・えっ!?」
「お前、俺の事・・全然名前で呼んでねぇーだろ?
今日だってずーっと“あなた”とか“ねぇ”で済ませやがって!
一度だけでいいから司って呼んで欲しい・・」
「・・えっ・・で、でも・・なんか・・恥ずかしい・・んだけど・・・」
抱きしめられてドキドキしてるのに
“司”って呼んでくれと言われてどうしていいのか分からず
一気に心拍数が跳ね上がる!!
「なぁ・・呼べよ」
声がさっきよりも低くなって響きに甘さが加わった
甘えたような
拗ねたような口調に変わっている
「・・ど、どうしても呼ばなきゃ・・ダ、ダメかな・・?」
見上げた私と見下ろしていた彼
バッチリと絡み合った視線
「ダメか?」
切なそうな瞳でそう言った彼から目が離せない
「ダ、ダメじゃない・・けど・・」
「けど?」
「・・ちょ、ちょっと・・は、恥ずかしいから・・
よ、横向いててくれない・・?」
今の私はきっと真っ赤だ!
顔が熱いもの
「お、おう!」
私のが移ってしまったように彼も真っ赤になりながら横を向いてくれた
真っ赤になりながら横を向けと言った櫻に素直に従ったが
いつまでたっても俺を呼ぶ声は聞こえてこない
焦れて横目でチラリと櫻の姿を盗み見ると
耳まで真っ赤にした彼女を視界の隅に捕らえた瞬間
「・・っ・・っかさ・・・」
本当に小さな・・
囁くような声だったが、はっきりと聞こえてきた俺の名前を呼ぶ声
初めて呼ばれた名前
心が熱い
「あ、あの・・・」
「ん?どうした?」
「・・あ、あの・・そろそろ離して欲しいんですけど・・」
「あ、あぁ、悪ぃ」
思いのほか強い力で抱きしめていたようで
腕の力を緩めるとホッとしたように櫻が身体を離した
本当は離したくないけど深追いしてやっと良くなってきた関係を壊したくなかった
今日のところは名前を呼んでくれただけで十分だ!
「じゃあ、俺はそろそろ帰るな」
「・・あっ・・うん」
「また、電話する」
「うん、今日は本当にありがとう」
彼をエントランスで見送ると部屋に戻った
静かな部屋の中・・ベッドの端に腰掛けてぼんやりと窓の外を眺めていた
あっという間の一日だったけど雛も楽しそうだったしとにかく無事に過ごせてよかった

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
「どうしたの?」
黙り込んでしまった俺に櫻の柔らかい声が響いてきた
「あっ・・いや、親父達に大事にされてて安心した」
笑顔でそう言うと櫻も笑顔を返してくれる
その笑顔が眩しくて
俺に笑顔を向けてくれるのが嬉しくて
そっと抱き寄せると
時間が止まった気がした
サッとカーテンを揺らしながら入ってきた風が俺と櫻を包み込む
櫻は一瞬だけ身体を固くしたが抵抗はしなかった
櫻の髪に顔を埋めながらそっと耳元で囁いた・・・
笑顔を彼に返すと眩しそうに少し目を細めた彼の長い腕が伸びてきて
ふわりと包み込まれるように抱きしめられた
しばらく彼の腕の中でじっとしていると彼が私の髪に顔を埋めた
少し低い掠れた声が耳をくすぐる
「・・なぁ・・司って呼んでくれ・・」
「・・えっ!?」
「お前、俺の事・・全然名前で呼んでねぇーだろ?
今日だってずーっと“あなた”とか“ねぇ”で済ませやがって!
一度だけでいいから司って呼んで欲しい・・」
「・・えっ・・で、でも・・なんか・・恥ずかしい・・んだけど・・・」
抱きしめられてドキドキしてるのに
“司”って呼んでくれと言われてどうしていいのか分からず
一気に心拍数が跳ね上がる!!
「なぁ・・呼べよ」
声がさっきよりも低くなって響きに甘さが加わった
甘えたような
拗ねたような口調に変わっている
「・・ど、どうしても呼ばなきゃ・・ダ、ダメかな・・?」
見上げた私と見下ろしていた彼
バッチリと絡み合った視線
「ダメか?」
切なそうな瞳でそう言った彼から目が離せない
「ダ、ダメじゃない・・けど・・」
「けど?」
「・・ちょ、ちょっと・・は、恥ずかしいから・・
よ、横向いててくれない・・?」
今の私はきっと真っ赤だ!
顔が熱いもの
「お、おう!」
私のが移ってしまったように彼も真っ赤になりながら横を向いてくれた
真っ赤になりながら横を向けと言った櫻に素直に従ったが
いつまでたっても俺を呼ぶ声は聞こえてこない
焦れて横目でチラリと櫻の姿を盗み見ると
耳まで真っ赤にした彼女を視界の隅に捕らえた瞬間
「・・っ・・っかさ・・・」
本当に小さな・・
囁くような声だったが、はっきりと聞こえてきた俺の名前を呼ぶ声
初めて呼ばれた名前
心が熱い
「あ、あの・・・」
「ん?どうした?」
「・・あ、あの・・そろそろ離して欲しいんですけど・・」
「あ、あぁ、悪ぃ」
思いのほか強い力で抱きしめていたようで
腕の力を緩めるとホッとしたように櫻が身体を離した
本当は離したくないけど深追いしてやっと良くなってきた関係を壊したくなかった
今日のところは名前を呼んでくれただけで十分だ!
「じゃあ、俺はそろそろ帰るな」
「・・あっ・・うん」
「また、電話する」
「うん、今日は本当にありがとう」
彼をエントランスで見送ると部屋に戻った
静かな部屋の中・・ベッドの端に腰掛けてぼんやりと窓の外を眺めていた
あっという間の一日だったけど雛も楽しそうだったしとにかく無事に過ごせてよかった

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