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月夜に 78

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴















あきらの後について初めてあいつの部屋に入った
部屋の中は至ってシンプルで余計な物が置かれておらず
あるのはソファーにデスク、本棚に絵を描くためのキャンバスが数枚

本棚に並べてあるのはカメラの専門書や美術書が主でそれらもキレイに整理されていて
窓際に置かれているイーゼルには書きかけのキャンバスが載っている・・・

部屋続きのベッドルームも同じで
ベッドとサイドボードの上にはガレのアンティークランプが置かれていて
部屋の中の家具は全てアンティークでまとめられていてシンプルだが暖かみのある落ち着いた部屋になっている

その中で俺の目を惹いたのはデスクに置かれている沢山の写真立て
ほとんどが雛のものだったが・・・
たった一枚だけ・・
少し色褪せたその写真から目が離せない・・・

写っているのは櫻とあきら
庭で写したものなのだろうか・・?
バラの花をバックにベンチに座り二人寄り沿いながら穏やかに笑っている

雛が産まれる前の写真なのだろう
櫻のお腹がまだ大きいしあきらの髪も今より長い

こんなところでもまた離れていた時間の長さを思い知らされる

俺の視線の先に気付いた類が小声で
“古い写真だね”と話しかけてきたが俺は類の方は見ずに相槌を打っただけだった

あきらは桜子から雛を受け取るとそのままソファーで膝に抱き泣いている彼女の背中を優しく撫でている

雛は櫻が居ないことが不安なようでしきりに櫻の事を聞いている

「・・パパ・・ママは帰ってこないの・・?
 雛・・ママに会いたいの・・」

「ママはしばらく病院にお泊りしなくちゃいけないんだ。
 だけど心配しなくていいよ、朝になったら会えるから一緒に会いに行こうな」

雛がパパと呼ぶのはあきら

パパと呼ばれて応えるのもあきら

納得しているはずだった

だけどこの屋敷に漂う優しい空気に触れて、三人が家族として暮らしているんだと実感してしまった

お邪魔虫なのは俺の方なんじゃないのか?

もしからしたら俺は幸せな家族を壊そうとしているんじゃないのか?

俺は本当にこの二人を幸せにできるのか?

二人にはあきらがついている
俺はこのままNYへ帰るべきなのか?

俺はNYへ帰って諦めらめられるのか?

櫻と再会し再びぬくもりを感じ雛の存在を知ってしまった今
俺は本当に諦めることなど出来るのか?

無理だ・・

この想いを諦めることなんて不可能なんだ

だったらどうすればいい・・?

牧野・・

俺はどうすればいい・・

教えてくれよ・・

相反する二つの想いが俺の中で交錯する
出口の見えない迷路に迷い込んだみたいで
進む事も下がることも出来ない


ここから動けない・・











応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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