Emergency 10
本日は『Emergency』です🎶
それではどうぞ~✴
私信です。
☆様
こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。😆
朝日を浴びながらって所に笑ってしまいました。(笑)
emergency久々なので私も同じ事しちゃいました❗❤
「うぉっ!」
私の投げたクッションをすんでの所で回避した司は
ドアに当たって床に落ちたクッションを拾い上げると
そのまま何事もなかったかのように私の隣へと腰を下ろした
これなのよ・・
今までなら絶対にこの後、喧嘩になってたのに・・
最近の彼は全くといっていいほど声を荒げないから
私一人が怒っているだけで喧嘩にならないの
そして喧嘩にならないどころか彼は機嫌の悪い私を
宥めるように優しく背中を撫でるのよね・・
気持ち悪い!・・んだけど・・
そうされるとなんだか安心しちゃって
怒りも何時の間にか収まってしまう
私も意外と単純なのかも・・
そんな彼の様子を不審に思っているのは私だけじゃなくて
F3達だって同じで
なにか変な物を見るような目つきで彼の事を見つめている
「オイ!司!お前、なんかあったのか?」
「なんか変なもんでも喰ったとか?」
「それともどっかで頭でも打ったか?」
「仕事のしすぎでおかしくなったか?」
なんて口々にたたみ掛けてくるけど
彼の態度が変なのは私に対してだけで
他のメンバーにはいつもと同じなのよね・・
ほら・・案の定、殴られてる美作さんと西門さん・・
「なんだよ・・牧野限定かよ・・」
「うるせぇーぞ!おめぇーら!」
「ちょっと!みんなを呼び出しといて何よその言い草は!」
「興奮すんな!
俺が悪かったから。
なぁ・・謝るから座ってろ!」
気持ち悪い・・
「ねぇ、司?本当にどうしたの?
おかしいよ?」
「おかしくなんかねぇーよ!
俺様は普通だ!」
「絶対におかしいよ!
だって全然怒らないし、それに変に優しいし・・ 一体どうしちゃったのよ!」
「そうだよ!司~!本当に変だよ!」
「道明寺さん、変ですよ。」
「変じゃねぇーって言ってんだろ!
父親になんのに当たりめぇーだろーが!」
へっ・・????
い、いま、こいつ何て言った????
ち、父親になるって・・母親は誰よ!!
なに?
こいつ私以外にも付き合ってる人が居たの?
んでもってその人に子供が出来たから
私に優しくしてるってわけ・・?
冗談じゃないわよ!!
この浮気男!!
信じらんない!!
別れてほしいんだったらはっきりとそう言えばいいでしょ!!
それなのにこんな回りくどいやり方して!!
優しくなんてしないでよ!!
そんなの卑怯だよ!!
「バカにすんじゃないわよーーーー!!!」
怒鳴り声と共に手元にあったクッションを皮切りに
近くにあった物を手当たりしだい司めがけて投げつけた
「「「ウォッ!!」」」
突然、切れた私に訳が分からないと言った様子のみんなは
それでもとりあえず手当たりしだい飛んでくる物から
逃れようとそれぞれにグラスを片手に部屋の隅へと避難している
「ウォ!つくし落ち着け!!
ちょっと待て!!」
「何が落ち着けよ!!これが落ち着いてられる訳ないでしょ!!
どこの女なのよ!!この浮気男!!」
「おまっ・・何一人で訳わかんねぇーこと言ってんだよ!!
浮気男って誰の事だよ!?」
「しらじらしい!!あんたに決まってんでしょーが!!
ほら!さっさと答えなさいよ!!何処の誰なのよ!!」
とうとう投げる物が無くなった私は司の胸元に掴みかかると
シャツを掴んでブンブンと振り回す
もう頭に血が昇りすぎちゃって自分でもよく分かんない・・
「お、俺は浮気なんてしてねぇーよ!」
「嘘つくな!今、あんた父親になるって言ったじゃない!!
あんた私のほかに女の人が居てその人が妊娠したんでしょ!?」
「はぁ~~~??んなわけねぇーだろ!!
俺が父親なら母親はお前しかいねぇーだろーが!!」
へっ・・・?????
??????????
??????????
あ、あたし・・???
「ハハハ・・あたしが妊娠してるわけないでしょ?
やっぱあんたどっかで頭打ったの?」
笑いながら隣にいる司をバシバシ叩いてみるけど・・
隣から響いてきたのは大きな溜息と司の呆れたような顔・・
「・・ウソ?マジで・・?」
「ハァ~・・やっぱお前、マジで気付いてなかったんかよ?
病院で診察受けた時、医者に言われただろう?」
へっ・・?
言われたっけ?
え~と・・
え~っと・・
あれ・・?
「あたし・・あの時、病院で診察なんて受けたっけ?」
ハァ~~~~・・・
今度は部屋中から溜息が・・
「受けたんだよ!」
混乱してる意識で記憶の彼方からあの忌まわしい日を思い出してみ る・・
「・・あの時・・意識が戻ってから看護婦さんが来てくれて・・
その後はまたすぐ寝ちゃったのよね・・それから・・ 次に目が覚めた時は
テレビで大騒ぎになってて・・あ~~~~~!!!」
「思い出したか?」
「・・なんとなく・・」
あの日、確かテレビでの捜索番組の途中で院長先生や婦長さんやら
理事長さんやらが大勢押しかけてきた時にその中に担当の先生も居 て・・
なんか診察って言うか・・
今の身体の状態って言うか・・
そんなのを説明されたような・・
されなかったような・・
とにかくテレビの事で頭が一杯でちゃんと聞いてなかった・・
無意識のうちにお腹へと手を持っていく
ここに居るんだ・・
赤ちゃんが・・
そう思ったらなんだか急に涙が出てきちゃった・・
「な、なんで泣くんだよ!?」
「・・わ、分かんないけど・・ なんか急に涙が出てきちゃったのよ!
た、多分・・嬉しいんだと思う・・」
「多分ってなんだよ?」
「分かんないわよ!でも嬉しいのよ!
あんたは嬉くないわけ?」
「嬉しいに決まってんだろ!」
そう言うとふわりと包み込むようにやさしく抱きしめられた・・
なんか全然、予想してなかった事だったからビックリしたけど
私がママであいつがパパになるのよね・・
ハハハ・・あいつがパパ・・?
笑っちゃうよ~~
だって彼がパパって・・
彼がおむつとか換えたりお風呂とか入れたりするわけ?
なんか信じられないけど
想像したら笑えてきちゃった・・
「お前、今度はなに笑ってんだよ?!気持ち悪ぃーな!」
「ハハハ・・だって、あんたが赤ちゃんのおむつ替えてるとことか
想像したら可笑しかったんだもん・・」
「ハァ~お前なぁ・・それより先に考える事一杯あんだろ?!」
「それより先に?考える事?あったっけ?
なに?赤ちゃんの名前とか?そっちの方がまだ先だと思うけど?
まだ性別も分からないんだし。」
「ちげぇーよ!子供が産まれる前にする事が山ほどあんだろーが! 」
「・・あったっけ?」
「お前・・マジで大丈夫か?」
「ハハハ・・大丈夫じゃ・・ないかも・・?
どうしよう?」
「とにかくコレでも飲んでちょっと落ち着け。」
呆れ気味に手渡されたお水を飲み干すとやっと少し落ち着いてきた
「・・ねぇ・・あたし、これからどうすればいいの?」
「おう!その事ならお前はなにも心配すんな。
俺が全部決めておいてやったからお前は無事に出産する事だけ
考えてればいいからな!」
あれ?
なんか嫌~な予感・・悪寒がしてきた・・
「ね、ねぇ・・あんた一人で何を決めたわけ?」
「今からそれを説明してやるから。
今度はちゃんと聞いてろよ!」
「・・うん。」
「まずは・・」
"まずは"の言い出しで始まった司が一人で勝手に決めた事は・・
「とりあえずお前の部屋は解約して荷物は屋敷に運ばせてあるから
後で確認しとけよ。 それから来週の俺の誕生日パーティーで婚約を発表するからな!
式は六月だ! 披露宴は招待客の都合やら色々と面倒くせぇー事が多いから
子供が生まれてからゆっくりと決めればいい。 とにかく婚約を発表して
子供が産まれる前に入籍と式だけ済ませとかねぇーとな。」
えーっと・・今の彼の話しだと・・
私のアパートはすでに解約されてて帰る場所は無い・・
家なき子状態で・・
そんでもって来週には婚約発表で六月には入籍と式を挙げる・・
って事よね?
「分かったか?」
分かったか?なんて聞かれてるけど・・
分かってはいるんだけど・・
気持ちがついていけてない・・
分かったか? なんて聞いておいて私の返事を待たずに彼の言葉が続く
「お前の仕事の事だけど子供が産まれるからとりあえずは保留だ!
お袋にもそう話しはついてる。」
「・・あんたのお母さんはあたしが妊娠したって事・・ 知ってるの?」
「当たり前だろーが!」
「・・そ、そうだよね・・ハハハ・・」
「それと住む所だけど。」
「えっ?!ここに住むんじゃないの?」
「ああ、住む所については俺もまだ迷ってる・・
俺は仕事で出張に行く機会も多いしそうなったらお前は
一人になるけどここにはタマもいるし俺はお前が屋敷に居てくれた
方が安心だけどお前は落ち着かねぇーだろ?」
落ち着かない・・・?
確かにそうだね・・
こんな広~ いお屋敷で日中はいくらタマさんが居てくれるって言ったって
タマさんだって四六時中、私の相手してられるわけないし・・
なによりこんな広い場所で沢山のメイドさんに囲まれてなんて
居心地が悪いったらありゃしないわよ!
「・・落ち着かないけど・・」
「そうだろ?だから考えたんだよ!」
「・・な、なにを?」
「いいからちょっと待ってろ!」
そう言うと彼はニヤニヤとした笑みを浮かべたまま・・
彼がこの顔をする時は大抵、 ロクでもない事を思いついた時なのよね・・
気持ち悪い笑みを顔に浮かべたまま彼はリビングを出て行ってしま った・・

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