月夜に 92
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
現在、お引っ越し以外のお話しのストックがありません‥😅
なのでとりあえずお引っ越し話でお茶を濁しております❗(笑)
蓮君に樹君も猛獣も修羅場も‥もう少しお待ちくださいませ~🙇
しばらく俺の胸で泣いていた彼女だったがやがて少し落ち着いてきたのか顔を上げた
真っ赤になった瞳を涙で濡らしながら俺を見上げている
「ごめんね・・」
「ああ、謝らなくていいから
思い出してくれてありがとう」
まだ涙声の櫻が話し始めたタイミングで胸ポケットに入れたままの携帯が振動を始めた
着信相手は秘書
電話に出る事なく切ると再び彼女と向き合う
「電話、いいの?
仕事でしょ?」
「ああ、構わない。
今は仕事よりお前の方が大切だから」
「でも・・お仕事は大切でしょ?
私なら大丈夫だから・・仕事に行って」
「だけど、お前、思い出したんだろ?」
「うん・・思い出した・・あんたの事もあの夜の事も・・
だからしばらく一人になりたいの・・ちゃんと思い出した事全部あんたにも話すから
今は一人にして欲しいの・・考えたいの・・」
「ダメだ!お前を一人になんて出来ない!」
「私なら大丈夫だから・・お願い、少し一人になりたいの・・」
まだ濡れたままの瞳を真っ直ぐに向けられてこれ以上の言葉を繋げなかった
「・・・分かった、仕事に行ってくる・・けど、夜にはもう一度来るからな?
それでいいな?」
「・・・うん、ありがと・・・」
俺は後ろ髪を引かれる思いで一旦、彼女の病室を後にした
道明寺が仕事に戻ってから病室で一人身じろぎもせずにずーっと考え続けていた
どのぐらいの時間そうしていたのだろうか?
ノックの音で気がついた
窓の外はすっかり暗くなっていて雨も止んでいる
ノックと共にドアが開いて入ってきたのはあきらだった
道明寺から記憶が戻った事を聞いたのだろうか?
少し緊張した様子の彼はゆっくりと私のベッドへと近づくと
横に置いてあった椅子に腰を下ろした
「調子はどうだ?大丈夫か?」
「うん、大丈夫、ありがとう。
あきら、仕事は?」
「順調に行ってるからお前は何も心配しなくていいよ」
「ごめんね、負担かけて・・」
「そう思うんなら、早く治せよ」
「うん、がんばってカルシウム一杯取るね」
「あぁ」
「ねぇ、私ね・・・」
「司から電話があった。
思い出したんだろ?」
「うん・・・」
「全部か?」
「うん・・多分・・ほとんど思い出したと思うけど・・
まだ細かな所は曖昧なの・・」
「そうか・・・」
「ねぇ、あきら?」
「どうした?」
「私・・どっちなんだろう?私・・牧野つくしなのかな?
それとも美作櫻なのかな?」
「どっちもお前だろ?」
「そうなんだけど・・・何だか別人みたいで・・・
自分の中に二人の人間がいるみたいで・・どうすればいいのか分からないの・・
「確かにな・・牧野つくしと美作櫻じゃ生活の環境もペースも何もかも正反対で
戸惑うわな・・だけど、どっちもお前なんだから無理にどちらかに決める必要なんて
無いんじゃないのか?」
「・・でも・・牧野つくしはもう二度と道明寺とは会わないって決めてたの・・・
だけど・・雛の本当の父親は彼だし・・」
初めて知る牧野つくしの決意
牧野は司の記憶が戻ったとしても、もうやり直すつもりは無かったのか?
「それって司の記憶が戻っても別れてたって事か・・?」
「うん、もう期待してなかったの・・彼の記憶が戻る事を・・
それに・・雛の事・・誰にも知られちゃいけないって思ってたし・・
道明寺のお母様にも認めてもらったわけじゃないでしょ?
一年の猶予を貰っただけ・・だから別れるしか道は無いんだって思ってたから・・」
「だけど、今は全く状況が違うだろ?
雛の事にしたって司のお袋さんだって喜んでるんだし、お前の事も認めてる。
お前が牧野つくしでも美作櫻でも関係ないんだぞ!?
それに環境が変わったって言っても仲間達みんな変わってるぞ。
それぞれが社会人になって環境も立場も変わってる。
変わったのはお前だけじゃないんだから」
「分かってるんだけど・・やっぱり違和感があるの・・
牧野つくしと美作櫻が上手く重ならないの・・・」
櫻の瞳が涙で潤み始めた
零れ落ちそうになる涙を必死に堪えながら俺を見ている
「櫻?あんまり深く考えるな。
今はまだ思い出したばかりで戸惑う事も多いだろうけど
どっちだってお前なんだしお前はこの先、自分が幸せになる事を一番に考えればいい。
どうすれば幸せになれるのかをだぞ?余計な事は一切考えるな。
お前はいつも自分以外の人間の事ばっかり考えてそっちを優先させようとするけど
今回ばかりはそれはするな、いいな?」
「・・分かった・・けど、みんなにもちゃんと話さなきゃね・・
心配かけたみんなにも知る権利があるもの・・あの夜の事・・」
「そうだな、じゃぁ、みんなに集合かけるか?」
「みんな仕事忙しいのに、そんな急には無理だよ。
それに別に今日じゃなくてもいいし・・」
「甘いな、お前!
司が俺だけに電話してきたと思うか?
今頃、きっと全員知ってるぞ!
だからほっといても全員集まってくると思うけどな」
「そうだね・・」
「そうだよ。
じゃぁ、総二郎に電話してくるな」
そう言って俺は電話を掛ける為に櫻の病室を出た

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
現在、お引っ越し以外のお話しのストックがありません‥😅
なのでとりあえずお引っ越し話でお茶を濁しております❗(笑)
蓮君に樹君も猛獣も修羅場も‥もう少しお待ちくださいませ~🙇
しばらく俺の胸で泣いていた彼女だったがやがて少し落ち着いてきたのか顔を上げた
真っ赤になった瞳を涙で濡らしながら俺を見上げている
「ごめんね・・」
「ああ、謝らなくていいから
思い出してくれてありがとう」
まだ涙声の櫻が話し始めたタイミングで胸ポケットに入れたままの携帯が振動を始めた
着信相手は秘書
電話に出る事なく切ると再び彼女と向き合う
「電話、いいの?
仕事でしょ?」
「ああ、構わない。
今は仕事よりお前の方が大切だから」
「でも・・お仕事は大切でしょ?
私なら大丈夫だから・・仕事に行って」
「だけど、お前、思い出したんだろ?」
「うん・・思い出した・・あんたの事もあの夜の事も・・
だからしばらく一人になりたいの・・ちゃんと思い出した事全部あんたにも話すから
今は一人にして欲しいの・・考えたいの・・」
「ダメだ!お前を一人になんて出来ない!」
「私なら大丈夫だから・・お願い、少し一人になりたいの・・」
まだ濡れたままの瞳を真っ直ぐに向けられてこれ以上の言葉を繋げなかった
「・・・分かった、仕事に行ってくる・・けど、夜にはもう一度来るからな?
それでいいな?」
「・・・うん、ありがと・・・」
俺は後ろ髪を引かれる思いで一旦、彼女の病室を後にした
道明寺が仕事に戻ってから病室で一人身じろぎもせずにずーっと考え続けていた
どのぐらいの時間そうしていたのだろうか?
ノックの音で気がついた
窓の外はすっかり暗くなっていて雨も止んでいる
ノックと共にドアが開いて入ってきたのはあきらだった
道明寺から記憶が戻った事を聞いたのだろうか?
少し緊張した様子の彼はゆっくりと私のベッドへと近づくと
横に置いてあった椅子に腰を下ろした
「調子はどうだ?大丈夫か?」
「うん、大丈夫、ありがとう。
あきら、仕事は?」
「順調に行ってるからお前は何も心配しなくていいよ」
「ごめんね、負担かけて・・」
「そう思うんなら、早く治せよ」
「うん、がんばってカルシウム一杯取るね」
「あぁ」
「ねぇ、私ね・・・」
「司から電話があった。
思い出したんだろ?」
「うん・・・」
「全部か?」
「うん・・多分・・ほとんど思い出したと思うけど・・
まだ細かな所は曖昧なの・・」
「そうか・・・」
「ねぇ、あきら?」
「どうした?」
「私・・どっちなんだろう?私・・牧野つくしなのかな?
それとも美作櫻なのかな?」
「どっちもお前だろ?」
「そうなんだけど・・・何だか別人みたいで・・・
自分の中に二人の人間がいるみたいで・・どうすればいいのか分からないの・・
「確かにな・・牧野つくしと美作櫻じゃ生活の環境もペースも何もかも正反対で
戸惑うわな・・だけど、どっちもお前なんだから無理にどちらかに決める必要なんて
無いんじゃないのか?」
「・・でも・・牧野つくしはもう二度と道明寺とは会わないって決めてたの・・・
だけど・・雛の本当の父親は彼だし・・」
初めて知る牧野つくしの決意
牧野は司の記憶が戻ったとしても、もうやり直すつもりは無かったのか?
「それって司の記憶が戻っても別れてたって事か・・?」
「うん、もう期待してなかったの・・彼の記憶が戻る事を・・
それに・・雛の事・・誰にも知られちゃいけないって思ってたし・・
道明寺のお母様にも認めてもらったわけじゃないでしょ?
一年の猶予を貰っただけ・・だから別れるしか道は無いんだって思ってたから・・」
「だけど、今は全く状況が違うだろ?
雛の事にしたって司のお袋さんだって喜んでるんだし、お前の事も認めてる。
お前が牧野つくしでも美作櫻でも関係ないんだぞ!?
それに環境が変わったって言っても仲間達みんな変わってるぞ。
それぞれが社会人になって環境も立場も変わってる。
変わったのはお前だけじゃないんだから」
「分かってるんだけど・・やっぱり違和感があるの・・
牧野つくしと美作櫻が上手く重ならないの・・・」
櫻の瞳が涙で潤み始めた
零れ落ちそうになる涙を必死に堪えながら俺を見ている
「櫻?あんまり深く考えるな。
今はまだ思い出したばかりで戸惑う事も多いだろうけど
どっちだってお前なんだしお前はこの先、自分が幸せになる事を一番に考えればいい。
どうすれば幸せになれるのかをだぞ?余計な事は一切考えるな。
お前はいつも自分以外の人間の事ばっかり考えてそっちを優先させようとするけど
今回ばかりはそれはするな、いいな?」
「・・分かった・・けど、みんなにもちゃんと話さなきゃね・・
心配かけたみんなにも知る権利があるもの・・あの夜の事・・」
「そうだな、じゃぁ、みんなに集合かけるか?」
「みんな仕事忙しいのに、そんな急には無理だよ。
それに別に今日じゃなくてもいいし・・」
「甘いな、お前!
司が俺だけに電話してきたと思うか?
今頃、きっと全員知ってるぞ!
だからほっといても全員集まってくると思うけどな」
「そうだね・・」
「そうだよ。
じゃぁ、総二郎に電話してくるな」
そう言って俺は電話を掛ける為に櫻の病室を出た

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