月夜に 94
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
俺の言葉に櫻が大きく息を吐き出し
一番聞きたくなかった言葉を告げた
「ごめんなさい・・今、すぐには決められない・・」
「どうしてだよ!?雛は俺の娘だろ!!お前、思い出したんだよな?!
だったらどうして!!」
「ごめんなさい・・分かってるんだけど・・私の最後の記憶は花沢類だったの・・
私、自分の気持ちが分からないの・・今はあなたと上手くやって行く自信が無い・・」
「お前!自分で何言ってんのか分かってんのか?!」
「司!落ち着きなさい!!
櫻ちゃんはやり直せないって言ってないでしょ!!」
立ち上がり今にも暴れだしそうな司を落ち着かせようと椿姉ちゃんが間に入ったが
司の怒りは全く治まらない
「ふざけんなぁ!最後の記憶って何だよ!?そんなもん関係ねぇーんだよ!!
お前!今すぐ決められないって、じゃぁ何時なら決められんだよ!!」
「司!いい加減にしない!!
これ以上大声出すんだったら此処から追い出すわよ!!」
「うるせぇーな!姉ちゃんには関係ねぇーだろーが!!
これは俺とこいつの問題なんだ口出しすんな!!」
司が言い終えた瞬間、その場に居た全員が姉ちゃんがキレたのが分かった
分かったのに・・・分かっていない男が一人
『パコーンーー!!』
と、抜けるような音と共に司が吹っ飛んだ・・・
素手ではあり得ないその音に姉ちゃんを見ると
姉ちゃんの右手にはハイヒールが握られていた
アレで殴られたのか?
痛そ~
なんて思っていると姉ちゃんと目が合ってしまった・・・
「総二郎!!このバカ押さえてなさい!!」
姉ちゃんの言う事は絶対だ!!
大人しく倒れ込んでいる司の元まで行くと助け起こして
そのまま腕を押さえる・・・
司も今のショックで少し正気に戻ったのか抵抗はしなかった
そんな緊迫した雰囲気の中で動いたのは類だった
ゆっくりと牧野へ近付くと
「牧野、最後に呼んでくれたのが俺で嬉しいよ。
ありがとう」
優しく語り掛ける類に彼女の瞳からは再び涙が溢れ出す
「もう泣かないで」
「ごめんね・・花沢類・・心配ばっかりかけて・・」
スーッと彼女の心の中に入り込んでいく類
「ねぇ牧野?
牧野はどうしたいの?」
「・・えっ?」
「記憶が戻ったんでしょ?だったら選択肢はいろいろあるよ。
牧野つくしに戻りたい?それとも美作櫻のままでいたい?
それに住む所だって、日本に帰ってくるのか?それともパリに帰るのか?
もう一つ、司と一緒にNYって選択肢もあるんだよ」
花沢類に言われて初めて気が付いた
変かもしれないけど・・私・・牧野つくしに戻る事って考えていなかった
それに日本に住むって事も
花沢類にどうしたいの?って聞かれて一番最初に浮かんだのは
パリに帰りたい
だった・・・
私の日常は此処には無いから
「私・・今は・・パリに帰りたい・・」
「だったら俺もパリに行くからな!
俺はお前と雛から絶対に離れねぇーぞ!!」
再び声を荒げた司を姉ちゃんが諌めようとしたそれより一瞬早く類が
「ねぇ司?パリに行けば牧野が手に入るの?
だったら俺も行こうかなぁ~パリ」
特に声を荒げる風でもなく、この緊迫した雰囲気の中でどうやったらそんなトーンで
話しが出来るんだってぐらいのんびりとした声で話す類
大抵の人間はこれで気が削がれてしまうところだろうけど
怒っている奴も普通じゃない
「類!お前はやっぱりまだこいつの事を・・上等じゃねぇーか!
こいつに指一本でも触れてみろぶっ殺してやるからな!!」
ハァ~会話になってねぇ
「俺はそんな事、一言も言ってないよ
司でしょ?先に言ったのは」
「はぁ~?何をだよ!!
訳分かんねぇー話し方すんな!!」
「だからパリに行くって言ったのだよ。
司は仕事も大学も全部ほっぽってパリに行くんでしょ?
そんな事してパリで牧野にべったりくっついてれば牧野が手に入るの?かって聞いてるの」
「俺はそうは思わないよ。
本当にもう一度牧野とやり直したいんだったら
NYで牧野と雛ちゃんを迎える準備をするのが先だと思うけどね。
それに牧野だって記憶が戻ったからってすぐにNYへなんて行けるわけないじゃん
仕事だってしてるし大学にだって通ってるんだし。司はそう思わないの?」
「俺だってそれぐらい分かってんだよ!!
だけど・・約束って云うか・・こいつがちゃんと俺んとこに戻って来てくれるって
確かな物が欲しいんだよ!こいつの気持ちをちゃんと知りたいんだよ!!」
「だったらそう言えばいいのに
いきなりNYへ来いなんて言われたら牧野だって戸惑うだけだよ」
そんな事、類に言われなくても分かってんだよ
分かってるけど
こいつの隣にはいつもあきらがいる・・・
こいつがあきらと一緒にパリに帰ってしまったら
もう二度と手の届かない所へ行ってしまいそうで怖いんだよ!!
日本の美作の屋敷に流れていた穏やかな空気が忘れられない
きっとパリの屋敷ではそれ以上だろう
それに何より今も櫻とあきらとの間に流れる空気が怖いんだ
「ねぇ、道明寺・・」
遠慮気味に司を呼ぶ櫻の声
「なんだ?」
「私、ちゃんと考えるから・・お願い、もう少しだけ時間をちょうだい」
「・・・分かった、だけど俺は絶対にお前と雛を諦めないからな!
それだけは覚えとけよ!!」
「・・・分かった・・」

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
俺の言葉に櫻が大きく息を吐き出し
一番聞きたくなかった言葉を告げた
「ごめんなさい・・今、すぐには決められない・・」
「どうしてだよ!?雛は俺の娘だろ!!お前、思い出したんだよな?!
だったらどうして!!」
「ごめんなさい・・分かってるんだけど・・私の最後の記憶は花沢類だったの・・
私、自分の気持ちが分からないの・・今はあなたと上手くやって行く自信が無い・・」
「お前!自分で何言ってんのか分かってんのか?!」
「司!落ち着きなさい!!
櫻ちゃんはやり直せないって言ってないでしょ!!」
立ち上がり今にも暴れだしそうな司を落ち着かせようと椿姉ちゃんが間に入ったが
司の怒りは全く治まらない
「ふざけんなぁ!最後の記憶って何だよ!?そんなもん関係ねぇーんだよ!!
お前!今すぐ決められないって、じゃぁ何時なら決められんだよ!!」
「司!いい加減にしない!!
これ以上大声出すんだったら此処から追い出すわよ!!」
「うるせぇーな!姉ちゃんには関係ねぇーだろーが!!
これは俺とこいつの問題なんだ口出しすんな!!」
司が言い終えた瞬間、その場に居た全員が姉ちゃんがキレたのが分かった
分かったのに・・・分かっていない男が一人
『パコーンーー!!』
と、抜けるような音と共に司が吹っ飛んだ・・・
素手ではあり得ないその音に姉ちゃんを見ると
姉ちゃんの右手にはハイヒールが握られていた
アレで殴られたのか?
痛そ~
なんて思っていると姉ちゃんと目が合ってしまった・・・
「総二郎!!このバカ押さえてなさい!!」
姉ちゃんの言う事は絶対だ!!
大人しく倒れ込んでいる司の元まで行くと助け起こして
そのまま腕を押さえる・・・
司も今のショックで少し正気に戻ったのか抵抗はしなかった
そんな緊迫した雰囲気の中で動いたのは類だった
ゆっくりと牧野へ近付くと
「牧野、最後に呼んでくれたのが俺で嬉しいよ。
ありがとう」
優しく語り掛ける類に彼女の瞳からは再び涙が溢れ出す
「もう泣かないで」
「ごめんね・・花沢類・・心配ばっかりかけて・・」
スーッと彼女の心の中に入り込んでいく類
「ねぇ牧野?
牧野はどうしたいの?」
「・・えっ?」
「記憶が戻ったんでしょ?だったら選択肢はいろいろあるよ。
牧野つくしに戻りたい?それとも美作櫻のままでいたい?
それに住む所だって、日本に帰ってくるのか?それともパリに帰るのか?
もう一つ、司と一緒にNYって選択肢もあるんだよ」
花沢類に言われて初めて気が付いた
変かもしれないけど・・私・・牧野つくしに戻る事って考えていなかった
それに日本に住むって事も
花沢類にどうしたいの?って聞かれて一番最初に浮かんだのは
パリに帰りたい
だった・・・
私の日常は此処には無いから
「私・・今は・・パリに帰りたい・・」
「だったら俺もパリに行くからな!
俺はお前と雛から絶対に離れねぇーぞ!!」
再び声を荒げた司を姉ちゃんが諌めようとしたそれより一瞬早く類が
「ねぇ司?パリに行けば牧野が手に入るの?
だったら俺も行こうかなぁ~パリ」
特に声を荒げる風でもなく、この緊迫した雰囲気の中でどうやったらそんなトーンで
話しが出来るんだってぐらいのんびりとした声で話す類
大抵の人間はこれで気が削がれてしまうところだろうけど
怒っている奴も普通じゃない
「類!お前はやっぱりまだこいつの事を・・上等じゃねぇーか!
こいつに指一本でも触れてみろぶっ殺してやるからな!!」
ハァ~会話になってねぇ
「俺はそんな事、一言も言ってないよ
司でしょ?先に言ったのは」
「はぁ~?何をだよ!!
訳分かんねぇー話し方すんな!!」
「だからパリに行くって言ったのだよ。
司は仕事も大学も全部ほっぽってパリに行くんでしょ?
そんな事してパリで牧野にべったりくっついてれば牧野が手に入るの?かって聞いてるの」
「俺はそうは思わないよ。
本当にもう一度牧野とやり直したいんだったら
NYで牧野と雛ちゃんを迎える準備をするのが先だと思うけどね。
それに牧野だって記憶が戻ったからってすぐにNYへなんて行けるわけないじゃん
仕事だってしてるし大学にだって通ってるんだし。司はそう思わないの?」
「俺だってそれぐらい分かってんだよ!!
だけど・・約束って云うか・・こいつがちゃんと俺んとこに戻って来てくれるって
確かな物が欲しいんだよ!こいつの気持ちをちゃんと知りたいんだよ!!」
「だったらそう言えばいいのに
いきなりNYへ来いなんて言われたら牧野だって戸惑うだけだよ」
そんな事、類に言われなくても分かってんだよ
分かってるけど
こいつの隣にはいつもあきらがいる・・・
こいつがあきらと一緒にパリに帰ってしまったら
もう二度と手の届かない所へ行ってしまいそうで怖いんだよ!!
日本の美作の屋敷に流れていた穏やかな空気が忘れられない
きっとパリの屋敷ではそれ以上だろう
それに何より今も櫻とあきらとの間に流れる空気が怖いんだ
「ねぇ、道明寺・・」
遠慮気味に司を呼ぶ櫻の声
「なんだ?」
「私、ちゃんと考えるから・・お願い、もう少しだけ時間をちょうだい」
「・・・分かった、だけど俺は絶対にお前と雛を諦めないからな!
それだけは覚えとけよ!!」
「・・・分かった・・」

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