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月夜に 98

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴


更新予定です。
29日(火)『月夜に‥』99
30日(水)『月夜に‥』100

朝7時に予約投稿しておりますのでお時間のある時にでもお楽しみくださいませ~💕



















いつの間にか眠ってしまっていたみたいで
道明寺に揺り動かされて目が覚めた

「おい!起きろ!もう着くぞ!!」

ぼんやりとする頭のままで顔を上げると至近距離で
道明寺と目が合って
一瞬で自分の顔が真っ赤になったのが分かる

そんな私を見て道明寺の顔も真っ赤

「な、なに照れてんだよ!今さら!!」

「ああああんただって真っ赤じゃん!!」

「うるせぇーよ!お前のがうつったんだよ!!」

くだらない言い合いをしているとリムジンがビルの前で止まった

「降りるぞ!」

運転手さんが開けてくれたドアから彼に手を引かれて車から降り
行き交う人々の間を縫ってビルの中に入ると
面白いように目の前の空間が開いて行く

ここ何処なんだろう?

みんな道明寺を避けて歩いているみたいで
そんな中を私は彼に引き摺られるように歩いている

どうしてだろう?

さっきからもの凄~く視線を感じるの・・

みんな私達を見てるの?

道明寺はそんな視線などお構いなしにどんどん進んで行ってしまうけれど
私は視線から目を背けるように俯いてついて行くしかない

引き摺られて歩いていると自分のペースじゃないので息があがる

エレベーターに乗り込んでやっと一息つけたんだけど
横を見上げるとそんな私の様子などお構いなしにニヤニヤしている道明寺

気持ち悪いんだけど!

なんなのよ!?

なんか腹立ってきた!!

ケリ入れてやる!!

ドカッ!!

「痛ぇ!なにすんだよ!?」

「何すんだよじゃないわよ!!もっとゆっくり歩いてよね!
 あんたとはコンパスの長さが違うんだから!それにさっきからずっとニヤニヤしてて気持ち悪いのよ!!」

「き、気持ち悪いとか言うな!
 お前こそそのすぐに手や足が出るそのクセなんとかしろよ!!」

「大きなお世話よ!
 それよりここ何処なの?」

「今頃かよ・・お前はいつも遅せぇーんだよ!!」

「いちいちうるさいわね!!
 いいから聞かれた事に答えなさいよ!!」

「俺のオフィスだよ!!」

道明寺がそう言い終えた瞬間、エレベーターが止まりゆっくりと扉が開き
彼に続いて一歩足を踏み入れるとそこはシーンと静まったフロアーだった

誰も居ないみたい

そう思っていると向こうから
男性が一人もの凄い勢いで走ってきた

その男性は道明寺の前で立ち止まると
床に頭が付きそうな勢いでお辞儀をしている

どうやら彼は道明寺の秘書さんらしいんだけど・・

「司様、お帰りなさいませ。
 お迎えにあがれませんで申し訳ございません」

額の汗を拭いながら話している秘書さんを道明寺は全く無視してどんどん歩いて行ってしまうから
私は秘書さんに向き直り挨拶をする

「初めまして、美作櫻です。
 よろしくお願いします」

私に声を掛けられた秘書さんは一瞬驚いて私の顔を凝視した後すぐに

「は、初めまして、わたくし司様の秘書を勤めさせていただいております
 三ツ谷と申します。こちらこそ宜しくお願い致します」

秘書さんと挨拶をしていると少し先で道明寺がこちらを睨みつけながら
怒鳴り声を上げると
その大声に秘書さんの身体がビクンと反応する

なに・・?

どうしてそんなに怖がってるの?

「櫻!さっさと来い!!」

「そんな大きな声出さなくったって聞こえてるわよ!
 いちいち怒鳴らないで!!」

道明寺に負けず劣らず大きな声で怒鳴り返した私に秘書さんが
驚いてその場で固まってしまっているのが分かる

恐らくここで彼に怒鳴り返せる人なんて居ないのだろう

ねぇ、道明寺?

あんたここでどんな生活してきたの?












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kirakira
Posted bykirakira

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