その先へ・・・ 4(完)
本日も総つく話の『その先へ‥』です。🎶
このお話しはこれで完結です。\(^-^)/
それではどうぞ~✴
私信です
☆様
おはようございます。🎶
コメントありがとうございます。😆
そんな風に言って貰えるとお~楽しんで貰えてるんだなぁ~と
嬉しくなります❗👋😆🎶✨ありがとうです😌💓
「逃げてたのか?
どうして?あいつらの方が良かったんじゃねぇのか?」
「違うよ。類も美作さんも優しいけど・・・
優しすぎるんだよ・・あの二人はあたしを甘やかそうとするの
あたしを傷つける全ての物から守ろうとしてくれるの・・
それじゃダメなんだよ・・守られるのなんてダメ・・
その点、西門さんは優しくないし甘やかさないでいてくれるし
守ってもくれない・・でもね無関心ってわけじゃなくて
いつも隣で見守っててくれてる
"ほら!自分でなんとかしてみろ!"って感じ?かな・・・
それが良かったんだと思うの。お陰で鍛えられた!」
「そっか・・」
「それにね・・いつもタイミングがバッチリなの!
あたしがぐるぐるしてる時にいつも手をさしのべてくれる・・
あの時・・」
「あの時?」
「ん・・熱出して唸ってた時」
「あ~あの時か・・・」
「ん・・あの時ね・・あたし・・
テレビで道明寺を見たの・・・」
「えっ・・・」
予想外の告白に手酌で注ぎかけていた徳利を持つ手が止まった
初めてだった・・・
司が記憶を失いNYへ行ってしまってから
こいつの口から司の名前を聞いたのは初めてだった
「道明寺のね熱愛報道っていうの?
女性とデートしてる所を写真に撮られて
それが週刊誌に載ったってワイドショーで放送してたのを見たの・・・
その時にね分かっちゃったの・・・」
「なにが分かったんだ?」
「あいつの記憶が戻ってるってこと」
「マ、マジか?」
「うん、知らなかった?」
「あ、あぁ・・知らなかった・・」
「もぅ!そんな顔しないでよ!
あたしはその時、嬉しかったんだから!」
「ちょ、ちょっと待て!
お前・・嬉しかったのか?司のゴシップが?」
「うん、写真の道明寺が笑ってたのよね。
手を繋いで歩きながら彼女を見て笑ってた・・
あたし・・その時、気づいちゃったの・・」
「なにを?」
「道明寺の記憶が戻ってるんだって・・
戻ってて・・その上でちゃんと好きな人が出来て
道明寺はもう前に進んでるんだって・・
それにね・・その時・・あたしも自分の本当の気持ちに気づいたの・・
あたしももう前に進んでるんだって
なのにそれに気づかないフリしてただけなんだって・・
あたしは・・ずっと待ってるフリを続けてたんだって・・
みんな道明寺が戻ってくるって信じてて
それまであたしを守らなきゃって
でもね今思えば・・それがあたしにはものすごく負担だったの・・
でもみんなの期待に応えなきゃって思ってて・・
心配かけちゃダメだって思ってたの・・
だからあの時・・あ~もうウソつかなくていいんだって・・
そしたらね・・涙が出てきて・・おかしいよね
やっと泣けたの・・泣いて泣いて泣きまくってスッキリした~って思ったら熱出ちゃって
寝込んでたら西門さんが来てくれたの」
思いがけない告白に上手く返事が出来ない俺
こいつはそんな俺を気にする風ではなく
ただ淡々と事実を伝えるように言葉を繋いでくる
「お屋敷に住み込むってなった時には戸惑ったけど
あんな素敵なお部屋まで準備してもらって断ったりしたらバチが当たるって思って
だからお世話になる以上はしっかり働いて恩返ししなきゃって思ってたの・・
まさか西門さんと結婚なんて・・
そんなこと・・不可能だって思ってたから
わざと考えないようにしてたんだと思うの・・
だから・・・私も・・多分・・
ずっと前から西門さんのこと・・
好きだったんだと思う・・・
だから・・これからもよろしくお願いします」
少し恥ずかしそうにだけど真っ直ぐに俺を見ながら
そう言ったこいつ
「おぅ!全部、俺に任せとけ!」
牧野からいい返事が貰えた事に
気を良くした俺が自信満々に返事を返すと
「あっ!それから浮気したら許さないからね!」
「鋭意努力する」
「なによソレ?!」
「だってそうだろ?
俺が他の女に気を取られるってことは
お前の愛情が足りてねぇってことだろ?
俺はこの先、全力でお前だけを愛するから
お前も全力で俺だけを愛せよ!」
「・・・なんか腑に落ちないけど・・・
私も鋭意努力します!」
「おぅ!」
まだお互い自分の気持ちに絶対的な確信があるわけじゃない
だけどそれでいいと思う
なにがなんでもってわけじゃないけれど
こんな始まりかたがあってもいいと思う
俺達はこれから共に手を携えて歩いていく
その長い道のりの途中には
時にぶつかり合う事もあるだろうけれど
共白髪じゃねぇけどこいつとなら
きっとどんな困難なことだって
二人で乗り越えられるはず
色とりどりの紫陽花が咲き始めた5月
俺達は家族と親しい友人達だけを招いて式を挙げた
当初の予定では年が明け
新年の茶事が全て終了し
落ち着いてから婚約を発表し
翌年の春頃に式と披露宴を大々的に予定だったが
年が明け新年の茶事が一段落し始めた頃に
こいつの妊娠が発覚した
俺としてはなんも問題はないが
親父とお袋は問題無しとは思わなかった
話を聞いた親父はまずつくしの身体を労り
次に腕組みしたまま俺を睨みつけると
“まったくお前という奴はどうしてこうも計画性がないのだ”と呆れたように呟き
お袋はたっぷりと30秒ほどフリーズしていたが
ふと我に返りつくしを抱きしめ身体は辛くないかと心配していて
つくしはそんな二人に目に涙を浮かべながら礼を言っていた
俺としてはそう言われればそうだわな
って感じで今さらジタバタしてもしょーがねぇ
だってそうだろ?
それに今さらじゃねぇ?
さっさとしろ!とけしかけたのは親父達だ
まぁ、それに乗っかる俺も俺だけど
いざとなったら手も足も早いのは知ってんだろ?
あの別荘での夜
形は変わるけれどこれからも二人三脚で
力を合わせてやっていくと決めた夜
決めちまえば後はやることは一つだろ?
こいつが初めてじゃなかったってのは予想外だった
真っ赤になりながら初めてはあの島で司とだって話した牧野
それ以降は誰ともそんなチャンスはなかったから
経験値はほとんどゼロだから手加減してくれと
消え入るような声で言ったこいつに猛烈に煽られて・・・
煽られて
煽られた結果
まぁ、早い話
俺も久々過ぎて止まらなかったっつー話だ!
二人とも寝たのは朝方
俺ともあろう者が何度も意識を飛ばしかける牧野を追いかけ
その都度、引き上げ何度も何度も求め
最終的にはこいつに“もういい加減にして!”と
胸元を彷徨う手をピシャリと叩かれやっと眠りについた
二人とも目が覚めたのはお昼過ぎで
屋敷に帰りついたのは夕方
一応、お袋には牧野にOKを貰ったと連絡は入れておいたけれど
お袋はその日も一日中ソワソワして落ち着かず
帰りの遅い俺達をイライラしながら玄関口で待ち構えていて
帰りついた途端、俺には“遅い!”と怒鳴り
牧野をさっさと奥へと連れて行ってしまっていた
それからはお袋の独壇場だった
俺の秘書なのに家元夫人としての教育だとか理由をつけては
連日のように連れ回し
お蔭で俺には親父の弟子(♂)が牧野の代わりについてくるようになった
まぁ、それでも夜になれば二人だけの時間
俺は自分でも驚くほどにこいつにハマっている
まるで底なし沼に足を踏み入れたように溺れている自覚がある
あの夜、こいつに言った言葉
“多分、愛してる”は早々に撤回する
多分なんかじゃねぇ!
愛してる
もう後戻りなんて出来ねぇぐらい
どっぷりと牧野って沼にハマってる
結婚が決まった後の類の“総二郎って意外と鈍感だったんだね”にはムカついたけれど
夜になれば牧野が癒やしてくれる
五月晴れの空の下
新たなる未来に向けて二人で歩き始めた俺達
今日も屋敷には朝からつくしのでっけぇ声が響いている
“そ~じろう~、朝ごはん出来たよー!”
なっ?
でっけぇだろ?
“おぅ!今、行く!”
俺にとってはとっておきの残り福だったってお話し
これで俺の話はおしまい
え?この続きってか?
新婚家庭なんだぞ!
あんま邪魔すんなよ!
〜fin〜
お粗末様でございました。

応援ありがとうございます。