月夜に 100
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
櫻の腕がゆっくりと俺の背中に回った
益々、彼女を抱きしめている腕に力がこもり
離せなくなってしまう
そんな俺と櫻を引き離したのはコーヒーを持ってきた女性秘書のノックだった
ノックがした瞬間、俺を突き飛ばした櫻
ハァ~・・こんなとこも変わんねぇーんだな
道明寺の秘書さんが私の為に持って来てくれたのはカフェオレ
道明寺が私がコーヒーが苦手だって伝えてくれていたのだろうか・・?
彼の小さな心遣いは嬉しいんだけど
うっとおしい・・・
私の横に座るのはいいんだけど・・
もうちょっと離れて座ってよ!
どうしてそんなにぴったりと身体をくっつけてくんのよ!!
身体をくっつけてくるだけじゃなくて
腕を肩に回してきている
秘書さんが居るんだから離れてよ~
恥ずかしいでしょ!!
コーヒーを持って来てくれた秘書さんはこの後の会議の追加資料だと書類を彼に
手渡すとオフィスから出て行った
再び彼と二人っきり
いや・・さっきからずっと私と彼だけなんだけど
一息ついてその事を再認識しちゃったって言うか
ん~・とにかく・・なんか緊張してきちゃった・・・
え~っと、なに話せばいいんだろう?
そんなドキドキを誤魔化そうとカフェオレの入っているカップに手を伸ばした
カフェオレを一口飲んだんだけどね
まず~い!
なにコレ?
これがカフェオレなの・・?
私の手にあるカップの中の茶色の液体は恐ろしく不味い
これって本当にカフェオレ・・??
温かかったらまだマシなんだろうけど
冷めていて思わず噴出しそうになってしまうけど
淹れてくれた人に失礼だと思ってなんとか堪えたけど
これって誰が淹れたの・・?
さっき持って来てくれた女性の秘書さん・・?
彼女、カフェオレって飲んだ事ないのかしら?
道明寺のコーヒーはどうなんだろう?
チラッと横でカップを手にしている彼を盗み見るけど
表情は至って普通って言うか
ちょっとデレ~っとした感じだし
彼のカップからはいい香りが漂ってきている
このカフェオレに深い意味は無いのかもしれないと思い彼の横顔をチラリと
盗み見ていると不意に道明寺がこちらを向いた・・・
思いがけず至近距離で目が合って照れる
自分の顔が真っ赤になっていくのが分かる
それにつられるように道明寺の顔を真っ赤になる
「な、なんだよ!?」
「・・んっ!?な、なんでもない!!」
慌てて目を逸らし少し俯き加減で答えるんだけど
上手く誤魔化しきれない
落ち着かなくてカップを手に取るが口をつける気がせず
アタフタしている私に道明寺は
「なぁ~俺、今日はまだ仕事が残ってるけどお前はどうするんだ?」
「う~ん、取りあえずホテルに行こうと思ってるけど?」
「そうか・・」
一言だけ言うと彼は私から視線を逸らした
「どうしたの?」
「いや・・お前がNYに来たのって俺に会いたかったからじゃねぇんだろ?」
「うん・・そうだね・・」
やっぱり気になるわよね
私が一人でNYへ来た理由
「なぁ・・何しに来たんだよ?
教えてくれよ、お前が今なに考えてんのか・・」
「・・私ね・・ここにはいい思い出って無いでしょ?」
彼は私の言葉に少し驚いたようだったけれど
道明寺もあの日の事を思い出したのだろうか?
すぐに表情が曇り始めた
「そうだな・・俺、あん時の事今でもすっげぇ後悔してる
お前がNYまで来てくれたのに追い返す事しかできなくて・・
ガキの自分がすっげぇ嫌で・・だけどあの時はお前の手を離すのが
一番だって思ってた・・・けどな・・空港でお前が類と一緒にいるのを見て、
やっぱお前・・類に取られちまうのかって思ったら・・・」
後悔していると言った彼の言葉が私を優しく包み込む
「道明寺・・分かってるからもういいよ。
あの時は仕方なかったんだよ・・私だってあの時は
あなたと別れるしか道はないんだって思ってたから・・・
私、確かにここにはいい思い出はないけど、あの時の気持ちは嘘じゃないから・・」
「気持ち・・?」
「そう、私がNYへ来たのはただ道明寺に会いたかったからで・・
その一心で生活費はたいて飛行機のチケット買っちゃったのよ。
だから私、もう一度ここであの時の牧野つくしの気持ちを感じてみようと思ってここに来たの」
「それが俺に黙ってNYへ来た理由なんかよ?」
「・・そうだね・・ごめんな、なんか分かりにくくて・・」
「ハァ~本当だよ!お前は昔っからややこしい女だよなぁ・・
分かったよ!今日、一日だけお前を自由にしてやるよ!!」
一日だけ自由・・・?
どういう事・・・?
「一日だけって・・どうしてあんたにそんな事決められなきゃいけないの?」
素直に疑問を口にしただけなのに道明寺は青筋を立てて睨んでいる
なんなのよ・・?
「ハァ~・・」
なに?
どうして溜息つくわけ?
「お前、それ本気で言ってんのか?」
「だから何が?」
「いつも言ってんだろ!俺はお前と一秒でも長く一緒にいたいんだって!
お前、俺の話し聞いてんのかよ!!」
「聞いてるよ」
「だったらどうしてそうなんだよ?!
お前、ここにいい思い出ないんだろ?
俺だってそうなんだよ!ここにいい思い出なんて一つもねぇーんだよ!
だからこれから二人でいい思い出作んだよ!!」
「私いつあんたと思い出作りたいって言った?
あんたこそ私の話し聞いてるの?」
「言ったじゃねぇーかよ!!」
「言ってない!
私はあの時の牧野つくしを感じたいって言ったの!
だからあんたは必要ないの!」
「必要ないとか言うな!!」
「だって、そうでしょ?
あの時、私とあんたが会ったのって5分ぐらいなんだもん。
しいて言えば私のNYに必要なのは花沢類だよ!」
「お前っ!まさか類と待ち合わせしてるとか言うんじゃねぇーよな!?」
「そんなわけないでしょ!
花沢類だって仕事が忙しいんだからそんな事頼めないわよ!
それに連絡だって取ってないわよ!!」
思わず大声を上げた私に道明寺は一瞬疑わしそうな視線を向けたが
すぐに逸らすとテーブルに置いてあったコーヒーカップに手を伸ばした
「とにかく類とは会うなよ!!」
なによそれ?
あ~あ・・なんだか懐かしい光景だわ
昔も彼ってこうだったわよね
花沢類に対する嫉妬は異常な程で
それってまだ続いてたのね・・・
だけどどうして花沢類と会っちゃいけないのよ!?
彼とは友人なんだからいちいち道明寺に指図される筋合いじゃない!!
「大きなお世話よ!」
勝手な事を言い始めた道明寺に頭にきてソファーから腰を上げた
「オイ!何処行くんだよ!?」
急に立ち上がった私に驚いて彼は私の腕を掴んだ
「何処だっていいでしょ!」
強引に彼の手を振り払い逃げるようにオフィスを出た
「ちょ、ちょっと待てよ!!」
誰が待つか!!
慌てて追いかけてくる彼を無視してエレベーターへと向かうが
一歩手前で捕まってしまった

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
櫻の腕がゆっくりと俺の背中に回った
益々、彼女を抱きしめている腕に力がこもり
離せなくなってしまう
そんな俺と櫻を引き離したのはコーヒーを持ってきた女性秘書のノックだった
ノックがした瞬間、俺を突き飛ばした櫻
ハァ~・・こんなとこも変わんねぇーんだな
道明寺の秘書さんが私の為に持って来てくれたのはカフェオレ
道明寺が私がコーヒーが苦手だって伝えてくれていたのだろうか・・?
彼の小さな心遣いは嬉しいんだけど
うっとおしい・・・
私の横に座るのはいいんだけど・・
もうちょっと離れて座ってよ!
どうしてそんなにぴったりと身体をくっつけてくんのよ!!
身体をくっつけてくるだけじゃなくて
腕を肩に回してきている
秘書さんが居るんだから離れてよ~
恥ずかしいでしょ!!
コーヒーを持って来てくれた秘書さんはこの後の会議の追加資料だと書類を彼に
手渡すとオフィスから出て行った
再び彼と二人っきり
いや・・さっきからずっと私と彼だけなんだけど
一息ついてその事を再認識しちゃったって言うか
ん~・とにかく・・なんか緊張してきちゃった・・・
え~っと、なに話せばいいんだろう?
そんなドキドキを誤魔化そうとカフェオレの入っているカップに手を伸ばした
カフェオレを一口飲んだんだけどね
まず~い!
なにコレ?
これがカフェオレなの・・?
私の手にあるカップの中の茶色の液体は恐ろしく不味い
これって本当にカフェオレ・・??
温かかったらまだマシなんだろうけど
冷めていて思わず噴出しそうになってしまうけど
淹れてくれた人に失礼だと思ってなんとか堪えたけど
これって誰が淹れたの・・?
さっき持って来てくれた女性の秘書さん・・?
彼女、カフェオレって飲んだ事ないのかしら?
道明寺のコーヒーはどうなんだろう?
チラッと横でカップを手にしている彼を盗み見るけど
表情は至って普通って言うか
ちょっとデレ~っとした感じだし
彼のカップからはいい香りが漂ってきている
このカフェオレに深い意味は無いのかもしれないと思い彼の横顔をチラリと
盗み見ていると不意に道明寺がこちらを向いた・・・
思いがけず至近距離で目が合って照れる
自分の顔が真っ赤になっていくのが分かる
それにつられるように道明寺の顔を真っ赤になる
「な、なんだよ!?」
「・・んっ!?な、なんでもない!!」
慌てて目を逸らし少し俯き加減で答えるんだけど
上手く誤魔化しきれない
落ち着かなくてカップを手に取るが口をつける気がせず
アタフタしている私に道明寺は
「なぁ~俺、今日はまだ仕事が残ってるけどお前はどうするんだ?」
「う~ん、取りあえずホテルに行こうと思ってるけど?」
「そうか・・」
一言だけ言うと彼は私から視線を逸らした
「どうしたの?」
「いや・・お前がNYに来たのって俺に会いたかったからじゃねぇんだろ?」
「うん・・そうだね・・」
やっぱり気になるわよね
私が一人でNYへ来た理由
「なぁ・・何しに来たんだよ?
教えてくれよ、お前が今なに考えてんのか・・」
「・・私ね・・ここにはいい思い出って無いでしょ?」
彼は私の言葉に少し驚いたようだったけれど
道明寺もあの日の事を思い出したのだろうか?
すぐに表情が曇り始めた
「そうだな・・俺、あん時の事今でもすっげぇ後悔してる
お前がNYまで来てくれたのに追い返す事しかできなくて・・
ガキの自分がすっげぇ嫌で・・だけどあの時はお前の手を離すのが
一番だって思ってた・・・けどな・・空港でお前が類と一緒にいるのを見て、
やっぱお前・・類に取られちまうのかって思ったら・・・」
後悔していると言った彼の言葉が私を優しく包み込む
「道明寺・・分かってるからもういいよ。
あの時は仕方なかったんだよ・・私だってあの時は
あなたと別れるしか道はないんだって思ってたから・・・
私、確かにここにはいい思い出はないけど、あの時の気持ちは嘘じゃないから・・」
「気持ち・・?」
「そう、私がNYへ来たのはただ道明寺に会いたかったからで・・
その一心で生活費はたいて飛行機のチケット買っちゃったのよ。
だから私、もう一度ここであの時の牧野つくしの気持ちを感じてみようと思ってここに来たの」
「それが俺に黙ってNYへ来た理由なんかよ?」
「・・そうだね・・ごめんな、なんか分かりにくくて・・」
「ハァ~本当だよ!お前は昔っからややこしい女だよなぁ・・
分かったよ!今日、一日だけお前を自由にしてやるよ!!」
一日だけ自由・・・?
どういう事・・・?
「一日だけって・・どうしてあんたにそんな事決められなきゃいけないの?」
素直に疑問を口にしただけなのに道明寺は青筋を立てて睨んでいる
なんなのよ・・?
「ハァ~・・」
なに?
どうして溜息つくわけ?
「お前、それ本気で言ってんのか?」
「だから何が?」
「いつも言ってんだろ!俺はお前と一秒でも長く一緒にいたいんだって!
お前、俺の話し聞いてんのかよ!!」
「聞いてるよ」
「だったらどうしてそうなんだよ?!
お前、ここにいい思い出ないんだろ?
俺だってそうなんだよ!ここにいい思い出なんて一つもねぇーんだよ!
だからこれから二人でいい思い出作んだよ!!」
「私いつあんたと思い出作りたいって言った?
あんたこそ私の話し聞いてるの?」
「言ったじゃねぇーかよ!!」
「言ってない!
私はあの時の牧野つくしを感じたいって言ったの!
だからあんたは必要ないの!」
「必要ないとか言うな!!」
「だって、そうでしょ?
あの時、私とあんたが会ったのって5分ぐらいなんだもん。
しいて言えば私のNYに必要なのは花沢類だよ!」
「お前っ!まさか類と待ち合わせしてるとか言うんじゃねぇーよな!?」
「そんなわけないでしょ!
花沢類だって仕事が忙しいんだからそんな事頼めないわよ!
それに連絡だって取ってないわよ!!」
思わず大声を上げた私に道明寺は一瞬疑わしそうな視線を向けたが
すぐに逸らすとテーブルに置いてあったコーヒーカップに手を伸ばした
「とにかく類とは会うなよ!!」
なによそれ?
あ~あ・・なんだか懐かしい光景だわ
昔も彼ってこうだったわよね
花沢類に対する嫉妬は異常な程で
それってまだ続いてたのね・・・
だけどどうして花沢類と会っちゃいけないのよ!?
彼とは友人なんだからいちいち道明寺に指図される筋合いじゃない!!
「大きなお世話よ!」
勝手な事を言い始めた道明寺に頭にきてソファーから腰を上げた
「オイ!何処行くんだよ!?」
急に立ち上がった私に驚いて彼は私の腕を掴んだ
「何処だっていいでしょ!」
強引に彼の手を振り払い逃げるようにオフィスを出た
「ちょ、ちょっと待てよ!!」
誰が待つか!!
慌てて追いかけてくる彼を無視してエレベーターへと向かうが
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