月夜に 102
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
エレベーターから降りてきたのは魔女じゃなくて道明寺のお母様
相変わらずの彼女の表情に思わず後ずさりしてしまう
あの頃とは状況も立場も全然違うんだけど
やっぱり苦手意識が先にきてしまう
表情を一ミリも崩さないままのお母様は怒鳴り声を上げていた
道明寺に向かって
「司さん、大きな声を出してどうしたのですか?
場所をわきまえなさい」
「・・も、申し訳ありません・・」
それほど大きな声じゃないんだけど
厳しいその口調にトーンダウンする彼
ふ~ん、道明寺もお母様にはちゃんと従うのね
そんな事に関心していたのも束の間
道明寺を一発で黙らせてしまったお母様が今度は私の方へと向き直った
何を言われるのかと緊張していると
意外にもお母様の顔には微かに笑みが浮かんでいて
「櫻さん、お久しぶりね。
足の具合はもうよろしいのかしら?」
「は、はい、ご無沙汰しております。
足はすっかり良くなりました。その節は綺麗なお花をありがとうございました」
「そう、よかったわね。
ところであなた方は何をもめてらしたのかしら?」
「そんな事どうだっていいだろーが!
俺と櫻の問題に口出しすんな!」
「本当にそうかしら?
三ツ谷、どうなの?」
「は、はい、司様が今夜の会食をキャンセルなさりたいと申されまして・・」
もう今にも泣き出しそうな秘書さんがお母様に告げると
お母様は道明寺に向き直り
「司さん、今夜の会食をキャンセルする事は許しません。
櫻さんの事が仕事に響くようでは道明寺家の跡取りとして失格です。
いいですね」
お母様の言葉に道明寺はソッポを向いたまま何も答えようとしない
"もう!なんとか言いなさいよね!!"
軽く横に立つ彼の肘で突くと・・
「・・分かったよ!!行きゃーいいんだろ!?」
渋々、返事を返した道明寺はまるでこの状況の責任は全て秘書さんにあると
言わんばかりに彼を睨みつけている
睨みつけられている秘書さんはこれ以上ないってぐらい
小さくなっていて汗が止まらない
可哀相な秘書さん・・
こんな上司を持つと大変よね
「司さん、そろそろ会議の時間ですよ。
皆さんをお待たせするのは失礼ですよ」
お母様は道明寺にそう言った後、私に向き直り
「櫻さんはNYを楽しんでらしてね」
「ハ、ハイ!ありがとうございます」
昔から考えられない言葉を残して魔女じゃなくてお母様は行ってしまわれた
その後ろ姿を唖然と見送りながらまだ
私の横に立ったままの道明寺の背中を押して
仕事に戻るように促す
「ほら!早く行って!!」
背中を押されて一歩踏み出した彼は振り向くと
「仕事が終わったら部屋に行くからな!
大人しく待ってろよ!!」
捨て台詞を残して仕事へと戻って行った彼の背中にベェ~~!と
舌を出してから私はエレベーターに乗り込んだ

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
エレベーターから降りてきたのは魔女じゃなくて道明寺のお母様
相変わらずの彼女の表情に思わず後ずさりしてしまう
あの頃とは状況も立場も全然違うんだけど
やっぱり苦手意識が先にきてしまう
表情を一ミリも崩さないままのお母様は怒鳴り声を上げていた
道明寺に向かって
「司さん、大きな声を出してどうしたのですか?
場所をわきまえなさい」
「・・も、申し訳ありません・・」
それほど大きな声じゃないんだけど
厳しいその口調にトーンダウンする彼
ふ~ん、道明寺もお母様にはちゃんと従うのね
そんな事に関心していたのも束の間
道明寺を一発で黙らせてしまったお母様が今度は私の方へと向き直った
何を言われるのかと緊張していると
意外にもお母様の顔には微かに笑みが浮かんでいて
「櫻さん、お久しぶりね。
足の具合はもうよろしいのかしら?」
「は、はい、ご無沙汰しております。
足はすっかり良くなりました。その節は綺麗なお花をありがとうございました」
「そう、よかったわね。
ところであなた方は何をもめてらしたのかしら?」
「そんな事どうだっていいだろーが!
俺と櫻の問題に口出しすんな!」
「本当にそうかしら?
三ツ谷、どうなの?」
「は、はい、司様が今夜の会食をキャンセルなさりたいと申されまして・・」
もう今にも泣き出しそうな秘書さんがお母様に告げると
お母様は道明寺に向き直り
「司さん、今夜の会食をキャンセルする事は許しません。
櫻さんの事が仕事に響くようでは道明寺家の跡取りとして失格です。
いいですね」
お母様の言葉に道明寺はソッポを向いたまま何も答えようとしない
"もう!なんとか言いなさいよね!!"
軽く横に立つ彼の肘で突くと・・
「・・分かったよ!!行きゃーいいんだろ!?」
渋々、返事を返した道明寺はまるでこの状況の責任は全て秘書さんにあると
言わんばかりに彼を睨みつけている
睨みつけられている秘書さんはこれ以上ないってぐらい
小さくなっていて汗が止まらない
可哀相な秘書さん・・
こんな上司を持つと大変よね
「司さん、そろそろ会議の時間ですよ。
皆さんをお待たせするのは失礼ですよ」
お母様は道明寺にそう言った後、私に向き直り
「櫻さんはNYを楽しんでらしてね」
「ハ、ハイ!ありがとうございます」
昔から考えられない言葉を残して魔女じゃなくてお母様は行ってしまわれた
その後ろ姿を唖然と見送りながらまだ
私の横に立ったままの道明寺の背中を押して
仕事に戻るように促す
「ほら!早く行って!!」
背中を押されて一歩踏み出した彼は振り向くと
「仕事が終わったら部屋に行くからな!
大人しく待ってろよ!!」
捨て台詞を残して仕事へと戻って行った彼の背中にベェ~~!と
舌を出してから私はエレベーターに乗り込んだ

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