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月夜に 107

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴














怖くて振り向けない・・・

だけど普通に考えれば友達と偶然会って食事して
ホテルまで送ってもらっただけじゃない?

・・それのどこがいけないわけ?

そう考えるとこれから降りかかるであろう道明寺の怒りのあまりの理不尽さに腹が立つ!

"ヨシッ!"

と心の中で気合を入れてから

・・それでも少し恐る恐る振り返ってみると

そこには・・・

振り返るとまず目に飛び込んできたのは彼の胸元

ゆっくりと視線を上げていくと

ギャッ!

こ、こわいんですけど・・

もの凄い形相で私を見下ろしている二つの目は
私を睨みつけたままで一言も喋らない

憂鬱な気持ちをふり払い勇気を出して声を掛けてみる

「ど、どうしたの?
 こんな所で大きな声出して?」

私の精一杯の問いかけにも彼は何も答えようとせず私を睨みつけているだけ

「な、なによ?」

「お前、今日何処で何してた?」

ゆっくりと咽の奥から搾り出されるような彼の声に思わず背中に冷たい物を感じる

これなら怒鳴られた方がマシかもしれない

低く通る声がロビーに響いている

「か、観光してただけだけど・・」

「類と二人でか?」

「一人でよ!」

「じゃあ、どうして車使わなかった?!
 類と約束してたから車使わねぇーで出かけたんじゃねぇーのか?!」

少しずつ道明寺の声が大きくなり始める

まただ・・・

またここでケンカになるのだろうか?

疲れてるんだからこんな事でケンカしたくないのに

「どうなんだよ!!」

何も答えない私に業を煮やしたのか
道明寺が一際大きな声を上げた

「・・こんな所で大きな声出さないでよ!
 一人で観光してたって言ったでしょ!花沢類とは偶然会っただけで約束なんかしてないわよ!
 今だって彼と食事して送ってもらっただけだし車を使わなかったのはあんな目立つ車に乗りたくなかったからよ!」

「類とは偶然会っただけだぁ?
 そんな話し俺が信用すると思ってんのか?
 こんなデカイ街でそんな言い訳通用すると思ってんのかよ?!
 俺は言っておいたよな?類と二人っきりで会うなって!
 もし、偶然に会ったとしてもなんで俺に何も連絡してこねぇーんだよ!!」

頭の上から降り注ぐ彼の怒鳴り声に頭痛がしてきた

どうして花沢類と会うのにいちいち道明寺の許可が必要なわけ?

花沢類は私にとって大切な友人の一人なんだし
食事に行っただけでやましい事なんて何一つ無いのに

そう思ったら私の口から出てきたのは彼を拒絶する言葉だった

「・・・もう・・やだよ・・
どうして?あんたとは普通に会話が出来ないんだろう?
NYに着いてからだってずーっとあんたの怒鳴り声ばっかり聞いてるし
私達って普通に会話が成り立ってないよね?
あきらや花沢類とはそんな事ないのにどうしてあんたとはこうなっちゃうんだろう?
花沢類とは本当に偶然会って食事しただけだし
車を使わなかった理由も今言った通り何も嘘ついてないし言い訳もしてないのに・・
嘘ついてたのはあんたの方でしょ?
花沢類がこっちに来てる事知ってたのに日本でしょ?って聞いた時に否定しなかったよね?
もう・・やだよ・・私、あんたに怒鳴られる為にNYへ来たわけじゃないの!
やっぱり私とあんたって合わないのかもしれないね・・どっかズレてるもん・・」

一気にそう言い終えるともう彼の顔を見ること無く
立ち尽くしたままの彼の横を通り抜けてエレベーターへと向かった


部屋へと戻ってソファーにどっかりと腰を下ろしたんだけど

なんだか落ち着かない

少し言いすぎたかなぁ~なんて思うんだけど
言ってしまったものは仕方がない

それにさっき彼に言った言葉は本心だから

けど・・やっぱり・・言いすぎたかなぁ・・

彼の気持ちだって分かる

きっと彼は帰りの遅い私を心配してくれていたのだろう

そこへ花沢類と帰ってきた私を見て
あんな事を言ったのだと思うんだけど
こうなる事は十分、予想できた事だった

花沢類にホテルまで送ってもらったのって軽率な行動だったのかな?

でも、今の私にとってはやっと思い出せた大切な友人で
それ以上でもそれ以下でもない
だからやっぱり道明寺のあの態度には納得が出来ない!!

あ~あ~!もう考えても分かんない!!

今日は疲れたから・・もう寝よ!!









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kirakira
Posted bykirakira

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