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パパはおんぞうし? 30

こんばんは。🎵
本日は『パパはおんぞうし?』です。🎶
リク頂いた展開に向かっております。💕
それではどうぞ~✴





私信です
☆様
こんばんは。\(^-^)/
コメントありがとうございます。😆
ハイ!一年間、待て!が出来ました❗(笑)💕















ったく!

とーちゃん!じゃねぇーよ!!


蓮が空中庭園にいることを確認してオフィスを出て
蓮と同じように階段を使い辿り着いた
数時間前にも来たばかりの社員食堂がある階

その食堂の前を素通りし空中庭園へと続くドアを押し開け
一歩足を踏み出すと真冬の冷たい風が
俺の横をすり抜け室内へと流れ込んできた

その冷たさに少しだけ首を竦め
蓮を捕獲すべく空中庭園へと出た

木で出来た遊歩道を抜けると目の前に池がありその向こう岸に二人の姿が見えた

一人は待てが出来ない問題児
そしてもう一人はカーキ色のジャンパーを着た若い女

蓮と一緒に監視カメラに写っていた女

何者かと問う俺に秘書は

“恐らく庭園の管理をしている会社の者だと思いますが
大至急、お調べいたします”

と慌てて答えたから

“いや、いい。直接行って確かめる!”

と秘書を制し急ぎ足でここまでやってきた

蓮の姿を確認しとりあえず池に入っていなかった事にホッとして
声を掛けようとした瞬間

なにやら会話をしていた二人が
同時に池にはまった


正確には岸辺の濡れた土に滑り池に落ちそうになった蓮が
それを助けようと手を差出した女のジャンパーの袖を掴み
二人同時に池に落ちた

派手な水音を立て不安定な体勢で池に落ちた二人

流石に目の前で落ちられると心臓に悪い

池の深さは大したことはないが
それでも小さな蓮の腰辺りまで水があり
慌てて助けあげようと後先考えずに池に飛び込んだ俺を見た蓮の第一声が
さっきの“あっ!とーちゃん!”だった

わざとじゃねぇのは分かっている・・

アクシデントだったって分かってはいるが
この真冬に池に落ちる問題児・・

マジ

意味分かんねぇ!


思わず飛び込んだ水の冷たさに
慌てて蓮を抱き上げ池から上がる

後ろでは俺についてきていた秘書が
蓮と一緒に落ちた女を助け上げている

「とーちゃん!もう かいぎ おわったのか?
クシュン!あっ!はな でた!」

こいつにとっては水に濡れることは
季節を問わず日常のことなのだろうけれど
そのあまりにも緊張感に欠ける口調に寒さが倍増する

「ったくお前は・・とーちゃんのオフィスから出るなって言っといただろ?!
とにかくこのままじゃ風邪ひくから中に入るぞ!」

「とーちゃん、はな でたぞ!」

「ちょっと我慢しろ!」

「ムリだ!きもちわりぃぞ!
クシュン!あっ!また でた!」

「コラ!袖で拭くな!
とーちゃんでも拭くな!ったく!」

くしゃみを連発しマンガみたいな鼻水を垂らす蓮は
鼻水が気持ち悪いと自分の袖で拭き始めたから
それを注意すると次は蓮を抱き上げたまま歩く俺の肩口に
鼻を押し付けてくる

「すげぇ〜!はな めっちゃ でるぞ!クシュン!」

「だから!とーちゃんで拭くなって!」

このやり取りを繰り返しながらも
急いでオフィスへと戻り室温を上げ
濡れた衣服を脱がせ秘書が用意したタオルで蓮をくるんだ

その間も問題児はくしゃみと鼻水の合間に
家来が増えただとか鴨のタマゴを見つけただとか
冬眠中のイモリを見つけただとか話し続けている

「分かったからコレ着ろ!」

朝、出掛けにタマに手渡された大きなバッグ

中には蓮の着替えが入っている

まさか必要になるとは思わず
屋敷のエントランスでタマに“必要ねぇ!”と突き返した俺に
何があるか分からないからとりあえず持って行け!と
強引に持たせた着替えが役に立つとは思っていなかった

着替える蓮を横目に俺も予備に置いてあったスーツに着替え
濡れた衣服を纏めて持ってきたバッグに入れた


ハァ〜

とりあえず着換えも終わり
蓮は身体がを温めるために秘書が淹れてきた
ココアを飲み始めた

蓮の横に座りココアを飲むその姿を眺めながら
さて、こいつにどう言ってお説教をしようかと考えていると
ノックがして秘書と共にさっき蓮と一緒に池に落ちた女が
上司だと言う男に伴われて入ってきた


「申し訳ございませんでした」

いきなり頭を下げた上司の男

男は女の上司だと名乗り
自分は道明寺のビルメンテナンスをする会社の社員だと名乗り
女は自分の部下だが派遣会社からの派遣社員だと告げた

「専務の大切なお坊ちゃまを助けられず誠に申し訳ございませんでした」

しきりに謝罪の言葉を繰り返す上司の男と
その上司の横で俯き小さくなって
一緒に頭を下げている女

謝罪を繰り返す二人の姿がはっきり言って不快だが
わざわざ自分は道明寺の社員だが
女は派遣だと告げた上司の男の根底にある物の方が数倍不快だった

道明寺の社員であろうが派遣であろうが関係ない

共にこの道明寺で働く者である事には変わりはない
それに蓮が俺の息子だったからって理由だけでの謝罪なんて
なんの意味もない

それにそもそもが俺は謝罪なんて求めていない
着替えながら蓮が話していた事を聞いていると
この女は蓮を心配しわざわざ付き合ってくれていたようだから
謝罪をしなければいけないのは寧ろこちらの方だ

ごちゃごちゃと言い訳がましい謝罪の言葉を吐き続けている男を制止しようと口を開きかけた時
一瞬早く隣で黙って見ていた蓮が先に動いた

蓮は謝罪している男と女の間に立ちはだかるように両手を大きく広げ立つと

「ちがうぞ!わるいのは れんだぞ!
まりは なんにも わるくないんだぞ!とーちゃん!」

まるで男から女を護るように仁王立ちで勇ましいその姿とはうらはらに
珍しく目に涙をため涙声で俺にそう言った蓮

「だから まりが あやまるのは ちがうぞ!」

小さな身体で精一杯の勇気を振り絞り
女を護ろうとしている蓮

「そうか、だったからどうすればいいのか分かるよな、蓮?」

「わかってるぞ、とーちゃん!」

「だったらそう行動してみろ」

そう言った俺に大きく頷いた蓮は
女の方に向き直り

「まり たすけようとしてくれて サンキューな
ぬれて わるかったな!
でも たのしかったぞ!」

微妙な謝罪をした蓮

そんな蓮に対し女は目線の高さを揃えるように腰を折り

「こちらこそちゃんと助けてあげられなくてごめんね。
私もれん君とお話が出来て楽しかった、ありがとう」

そう言って蓮の頭を撫でた女

頭を撫でられ真っ赤になった蓮は
恥ずかしいのか俯いたまま慌てて俺に抱きついてきて
俺の胸元に顔を隠すように押し付けたまま
小さく“おぅ!”と返した

おっ!

これって・・

そういうことか?!










応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2021/05/31 (Mon) 23:00 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

瀬○様

こんばんは~✴
コメントありがとうございます。😆
返事が遅くなってごめんなさいm(__)m

ムフフ♥初恋です🎵
かなり歳上ですが‥😅
まだちっちゃいですが照れてとーちゃんに隠れてしまいましたが
照れ屋さんなところはかあちゃん似でグイグイ行っちゃうところはとーちゃん似ですよね🎵💕
この先どうするかまだ迷っているのですがなるべく早く形にしたいと思っておりますので
もう少しお待ち頂ければ‥m(__)m

予約良かったですね。😌
家も私の両親も主人の両親も取れました❗
予約が取れただけなのですがまずは一安心ですよね❗
なんだか自分の事より心配でヤキモキしておりましたから‥

2021/06/02 (Wed) 20:29 | EDIT | REPLY |   

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