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修羅場ってる?-NY編- 10

こんばんは~🌙🌃
本日は久々の『修羅場ってる?』です。
それではどうぞ~❤





私信です。
☆様
こんばんは~🎵
コメントありがとうございます❣(^^♪
楽しんでいただけて良かったです!
やっぱりあきら君の立ち位置はどんなお話しでも変化が無くて・・😢
彼は早晩、禿げるんじゃないかしら?(笑)
総ちゃんバージョン・・思いついたら書いてみますね!❤
























目の前で百面相している彼



こんなにもコロコロと表情を変えている彼が面白くて

暫く眺めていた


感情が全て表情に出てしまっている彼


きっとその内から湧き上がる様々な感情と格闘中なんだろうけど

私がこの時、考えていたのは全く別のことだった




今朝



なんとか予定の時間には間に合ったけれど


彼の余計な予定変更の事や私のスケジュールが

彼にだだ漏れだった件なんかについて


しっかりとお叱りを受けた後


彼はそのまま西田さんに引きずられて行ってしまったんだけど


私は楓社長から昼食に付き合いなさいと

連れて行かれたのは来月新しくOPENするメープル



中世の修道院だった建物を買い取り


質素倹約の鏡だった女の園を

ラグジュアリーなホテルに改装していた



部屋数は10部屋のみ


その全てがラグジュアリースィートになっていて


宿泊料も周辺の相場の倍以上ターゲットは富裕層のみ




当然、セキュリティやプライバシーは万全で


一般の人間は建物内どころか敷地内にも入り込めないようになっているし


高台に位置していて建物に通じる道は一本で


その道の入口には堅牢な門が侵入者を拒んでいて


周辺には大きな町はなく高い建物も建っていないため


静かで森の中の隠れ家的なホテルとして


OPEN前から既にかなりの予約で埋まっている



そんなOPEN直前のホテルの一室に準備されていた豪華な昼食も終わり


芸術的なデザートと珈琲がサーブされ


バトラーも退出して室内は完全に二人っきり



今さら楓社長と二人っきりってシチュエーションに緊張なんてしないけれど


今までのパターンからすれば

この後、絶対にややこしい案件が待ち構えている



その筆頭が彼との結婚話だったんだけどね


まぁ、それは置いておいて


やっぱり・・


ややこしい案件が・・



“心当たりはないんですか?”



私の問いかけに鋭い視線を向けただけの楓社長



“愚問でした。申し訳ありません”



心当たりがあれば私には回ってこない



分かりきったことだったから


素直に謝罪の言葉を口にした私


ややこしい案件・・


いや



ややこしいなんて物じゃなくて


もしかすれば道明寺の根幹を揺るがす事態になるかもしれない案件



それを引き受けたのはいいんだけど

一番の障壁となるのは道明寺自身で

彼の記憶が戻る前だったら自由に動けたけれど今は無理



楓社長からの条件はたった一つだけ


彼には悟られないように


速やかに解決することだけだったけれど


ある意味、今はこれが一番難しい



さて



どうしようかしら?












ふぅ~


やっとNYへ帰り着いた


ドイツでの夜は・・・


まぁ・・


まあまあだった


あっ!誤解しないでね


良くなかったってわけじゃないのよ


でも強いて言えば普通って感じなの


私達にしては珍しく可もなく不可もなく

普通って感じである意味、奇跡的な夜だった



彼と面と向かって喧嘩にならず話をしたのって

初めてじゃない?ってぐらい


穏やかで奇跡的な夜だった



まぁ・・・




年末から年明けに掛けてイタリアに行っていた理由を話した時は

流石にちょっと空気が淀んだと言うか・・


色々あったけど


私の気持ちは分かってくれたと思う・・・


イタリアに行ったのは確かめたかったから・・・


自分の選択が間違っていなかった事を

ちょっとこの目で確かめたかったからなの



かつてプロポーズを断った彼はあの後、一人でイタリアに渡っていた


そこで漁師をしながら暮らしている




観光客も疎らな小さな港町で

彼は現在、新しい家族と暮らしていた


綺麗な奥さんと小さな女の子が彼の家族


幸せそうな家族


私が欲しかった家族の姿


だけど私が与えてあげられなかった・・


私が望まなかった家族の姿があった・・



その姿を遠くから見て私は

自分の選択が間違っていなかったと確信してイタリアを後にしていた



その話をした時は道明寺の表情が辛そうに歪んでいたけれど

これは私が自分で望んだことだから後悔なんてしていない


色んな事を経験しての今の私だけど


昔から変わらないのは彼への思いだけ


悔しいけど


これだけは変わらないのよね・・


いい加減


自分でもどうかしてるって思ってるけど


きっとこの先も変わらないと思う





翌日から彼は予定通り

楓社長に付き添ってデンマーク入りし

その後は東欧諸国を周り一週間後に帰って来る予定


私は一足先に一人でNYへ


よく1人で先に帰って来られたわね?って思ってる?


私も思ってるわよ


当然、彼はごねるだろうと思っていたけれど

予想外にそれほどでもなくて

空港で手を振る私の方を何度か振り返っただけで行ってくれた



さてと!


私はややこしい案件に取り掛かりますか・・・



なんだかちょっと気が重いけれど

自由に動けるこの一週間を有効活用する為に

今すぐ行動を開始する



今回のややこしい案件というのは


道明寺内にいる不穏分子の排除



彼が日本支社に正式に赴任するまでに

日本支社内にいる裏切り者をあぶり出すのが私の役目で

今回は排除までは入っていない


ターゲットはある程度絞れてはいるんだけど

これだって確実な証拠が無くて

その手口も分かっていなくて・・



って



はっきり言って今のところ大した事は何も分かってなくて


お手上げ状態



そんな感じだから何から手をつけたらいいのか


判断しかねている


でもね


判断しかねているからと言って

ここに座っていても前には進まないから

まずは動いてみる


こんな時は派手に動いてみた方が

意外な所から意外な情報が入る場合がある


だから



まずはシャワーを浴びていつもより濃いめのメイクに

ボディラインを強調したドレスを身に纏い

夜の街へと繰り出す



ニューヨーク市の邦人人口は約6万人ほど

それぞれがそれぞれの事情でここにいる


最近では世界中どこに行っても

日本人が居てその地域ごとに日本人のコミュニティが存在している


ここでもそんな日本人コミュニティが数多く存在しているけれど

そんな一つ一つは意外と小さくて

特に大手の駐在員なんかが集まるコミュニティは

エリート意識がそうさせるのか

同じような境遇の者達で群れる傾向があって

集まる顔ぶれも集まる店も決まっていて・・


そして意外に下世話だ



ここには私の事を知っている人間が数多くいる


あの鉄の女の懐刀と言われ

その御曹司と結婚したが仮面夫婦の末に

あっさりと捨てられ多額の慰謝料を手に入れ

東京へと戻り御曹司の親友にまで手を出し

挙げ句捨てられ再びニューヨークへと舞い戻り

次の獲物を探している強かな女


ってもっぱらの噂



全部、嘘じゃないんだけど


真実でもない



嘘も真実も敢えてそのままで


有り難くもなんともない肩書を誇りに


私は夜の街へと繰り出した


















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kirakira
Posted bykirakira

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