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月夜に 113

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴













まず彼に連れて行かれたのは某有名宝石店

ここって確かあの土星のネックレスを特注した所よね・・?

仰々しい出迎えを受けて個室へと案内される

高級レザーのソファーが置かれているゆったりとした部屋で

私の目の前に次々と並べられる宝石たち
凄すぎて目がチカチカしてきちゃった

隣では道明寺がカラットがどうとかクオリティーがどうとか
次々と目の前に差し出される綺麗な石

そうなの・・

さっきから出てくるのは原石ばっかりでみん~な特大サイズ

私だって一応、女の子だから綺麗な物は好きだし
目の前にあれば手を触れてみたいって思うけど

だけど普段から宝石には全く興味のない私はカラットもクオリティーも
言葉の意味が分かるぐらいで宝石に関しての知識は皆無と言っていいぐらいない・・

時折、女性の店員さんが私の方を見ながら

"この石はカラーもクオリティーも最高の物で
 このランクでこの大きさの石は滅多に出てこないんですよ。"

だって・・・

「はぁ~・・」

そんな事、言われたってこんな時はどんな反応していいのか分からないから
結局、私がしてた事と言えば愛想笑を浮かべて曖昧に返事を返してただけ

隣では上機嫌の道明寺が石を手に取りながらあれこれ注文を出している

どうやら石は決まったみたいだけど
どうするんだろう?

「どうだ?これでいいか?」

「どうだって・・どうするのソレ?」

「婚約指輪にすんだよ」

「婚約指輪・・?誰の?」


「ハァ~~~お前なぁ・・」

思いっきり溜息をつきながら私を睨みつけている道明寺

その溜息でなんとな~く自分が置かれている状況が理解出来てしまった・・


「・・もしかして・・私の・・とか?」

「お前以外に誰がいんだよ!」

至近距離で睨まれて怒鳴られて思わず身体を後ろへと反らせながら

「えっ・・あっ・・ハハハハ・・・」

「何がえっ!だよ!!
 笑って誤魔化そうとすんじゃねぇー!」

「いや・・別に誤魔化そうなんて気はないんだけど・・・」

「けど?なんだよ?
 お前、言ったよな?俺ともう一度ちゃんと向き合ってみるって。」

「言ったけど・・」

「言ったけど、なんだ?
 お前、俺と結婚する気ねぇーって言いてぇーのか?」

「そ、そんな事言ってないでしょ!
 一人で先走らないでって言ってんの!」

「分かってるよ!
 何も今日、婚約しろって言ってねぇーだろ?!」

「そうだけど・・」

「いいから、今日は一日、俺の言うとおりにしてろ!」

こうして今日、思いがけず婚約指輪が決まってしまった

確かにあの時とは違う意味で思い出に残るNYになったような

取りあえず(?)石も決まりこれ以上は何もないだろうとホッとしていると

今度は別の店員さんが"ご注文の品でございます。"と持って来たものは
土星のネックレスと同じ石を使っているピアスとブレスレットに指輪・・?

「今度は何よ?」

「お前、普段はあんまアクセサリーつけてないだろ?」

今だってなにもつけてない

・・って言うか私の持っている宝石類は全てパリに置いてきた

アクセサリーが嫌いってわけじゃないけど私の持っている物は全て
お父様方やあきらからのプレゼントで大切な物だし
そのどれもが恐らく私が考えているよりもゼロが二つぐらい多い
高価な物だろうから失くしたら大変だと思い何も持ってこなかった

「これだったら石もでかくないし普段から身につけてられるだろ?」

彼にしたら小さいほうなのだろう・・
私には十分デカイんだけどね・・

だけど彼が言った通り、デザインもシンプルだしこれなら普段から身につけていられそう

「受け取れねぇーとか言うのはなしだぞ!」

「そんな事、言わないけど・・これで最後よね?」

「取りあえず今日はな!」

ハァ~・・・

店から出てやっとキラキラ攻撃から解放されホッとしていると
ご機嫌の道明寺はどこかに電話をしている

「ねぇ?次はどこ行くの?」

「昼飯食いに行くぞ!」

「う、うん・・」

再び彼の運転する車で今度はメープルに向かう

昼食を摂るのは当たり前のようにメープルのスウィートで
食後のデザートを食べている時に道明寺の携帯電話が鳴った

だけど道明寺は鳴り続けている携帯電話を無視し続けている・・・

「ねぇ、電話。出なくていいの?」

「ほっときゃあそのうち諦めんだろ。
 いいから気にすんな!」

気にするなって・・

気になるわよ!!

「仕事なんでしょ?」

「いいんだよ!」

「ダメだって!ちゃんと出て!!」

携帯電話を取り出して着信相手を確認している彼から携帯を取り上げると
勝手に通話ボタンを押し彼の耳に押し当てた











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kirakira
Posted bykirakira

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