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月夜に 114

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴














不機嫌極まりない表情の道明寺が電話の相手と話しをしている

しばらく会話をしていた彼だったけれど

"分かったよ!"

の一言で強引に電話を切ってしまった・・

「仕事なんでしょ?」

「あぁ、クソッ!」

「じゃあ早く行ってよ。
 私はホテルに戻ってるから」

「すぐに終わらせるからお前も一緒に来い!」

「ヤダ!仕事の邪魔したくないからホテルで待ってる」

「全然邪魔なんかじゃなぇーよ!
 すぐに終わらせるし、お前が一緒に居てくれたほうがはかどる。
 それに又、ホテルに迎えに行ったりしてたら時間の無駄だろ?」

「でも・・」

「でもじゃねぇーんだよ!
 俺はお前が一緒じゃねぇーとイライラして仕事になんねぇーんだよ!
 いいから黙ってついて来い!お前が来ねぇーって言うんだったら俺も行かねぇーからな!」

脅さないでよね!!

結局、昨日に続いて無理やり彼のオフィスまで連れてこられてしまった

ビルの前で止まった車から降りると昨日
カフェオレを運んできてくれた秘書さんが少しイライラした感じで立っていた

彼女は道明寺と共に私が車から降りてきたのを見ると
あからさま不快感を露にしていたけどそれもほんの一瞬だけで
道明寺が彼女の方へと向き直ったときにはその表情は元に戻っていた

ん?

今のは気のせい?

私の思い過ごしなのかな?

女性秘書さんの表情と態度に多少の疑問を感じつつも
私はまた彼に引き摺られてビルの中へ

フロアーに着くと道明寺は私にオフィスで待っているようにと言い残して
会議室へと消えて行ってしまった

私は言いつけどおり彼のオフィスで一人
時間を持て余しぼんやりと窓の外の景色を眺めていたけど
ふいに彼のデスクが目に入った

マホガニー材の重厚な作りのデスクで色はダークブラウン
落ち着いた感じでデスクなのにもの凄い存在感

どっしりと言うか

なんだかデスクまで偉そうなのよね

きっちりと整理されているデスクの上に置かれている物は驚くほど少ない

パソコンに電話、書類にペンスタンドぐらいでシンプルっていうか
殺風景なくらいあっさりとしている

彼のデスクの椅子に座り淵に指先を滑らせていると

ノックと共に先ほどの女性秘書さんが入ってきた

彼女は私が道明寺のデスクに座っているのを見ると
ほんの少しだけ眉を顰め

「司様のデスクにある物にお手を触れないようにお願い致します。
 重要な書類などもございますので」

謝りながら慌てて立ち上がった私を彼女は一瞥しただけ

やっぱり彼女の態度にどこか引っかかる物を感じるんだけど

彼女の言っている事は正しい、私だって自分のデスクを他人が勝手に
触ったりしたらいい気はしないもの

だけどここに居ても何もする事ないし
私がここに居ると秘書さん達にとっては迷惑よね

「あの、彼は後どれぐらい掛かります?」

「後、2時間ほど掛かると思いますが」

「そうですか・・じゃあ、私は少しこの辺りを散歩してきますので
 彼にはそう伝えておいてください」

「かしこまりました」

彼女の言葉を背中に受けながら私は彼のオフィスを出た・・・













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kirakira
Posted bykirakira

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