月夜に 115
おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
彼のオフィスを出てエレベーターを待っていると
秘書の三ツ谷さんが慌てて私の元へと駆け寄って来た
「美作様!」
そんな大きな声で呼んでいただかなくても見えてますし聞こえてるんですけど
「は、はい・・」
何故か迫力満点にこちらへと迫ってくる秘書さんに圧倒されてしまう
「ど、どちらへお出かけでしょうか?!」
「・・少し、この辺りを・・・」
私が言い終える前に
「では、お車をご用意いたしますので少々お待ちください。
それからSPも手配いたしますので」
さっきの女性の秘書さんも苦手だけどこの秘書さんも苦手
「あ、あの・・車もSPさんも必要ありませんから」
「いえ、それでは困ります!
両方をお使いいただけないのでしたら私がご一緒させていただきます!」
それも必要ありません・・って言えなかった・・
だって秘書さんの表情はとても冗談を言っているようには見えなかったから
「わ、分かりました・・じゃあ車を使いますのでSPさんは止めてください」
「畏まりました。では私もご一緒させていただきます!」
どうしてそうなるの・・?
「それはご迷惑になりますから」
「いいえ、迷惑なんてとんでもありません!
美作様には道明寺家の命運が掛かっているんです!
美作様に何かありましたらお引止めできなかった私の責任になりますのでご一緒させていただきます!」
・・って言い切られちゃった・・
それに命運って・・
なにそれ・・?
「あの・・命運ってなんですか?」
「あっ!それはこちらの話しでして・・」
命運だろうが何だろうがどうでもいいんだけど
今、目の前にいる秘書さんが夕べ道明寺に掴みかかられていた
カメリアの支配人さんとダブって見えて
彼もあんな目に遭うのだろうか?
だとしたら私のせいで申し訳ない・・
そう思って、彼に同行してもらうことをOKした
私のOKに秘書さんは本当にホッとした顔をしているけど
この秘書さんって道明寺の下で本当に苦労してるのね・・
まぁ・・買いたい物もあるし彼に案内してもらうのはいいかもしれないわね
あんまり時間もないし
買い物をしたいと言った私の為に秘書さんが案内してくれたのは
彼のオフィスから一番近いバーニーズNY
いわゆる高級百貨店
事前に連絡がいっていたのだろうけど
大げさな出迎えと接客を受けながら私が買った物は写真立てが2つだけ
恐縮してしまう・・
支払いに使ったカードだって至ってノーマルだし
限度額だって私の収入に合わせてもらってるから低い
私とカード
今まで全く縁の無かった物なんだけど
大学に入り仕事を始めた頃にあきらからカードとはいかに便利で
スリなどが多いパリの街では現金を持ち歩くより安全かを力説されて
渋々作ってもらった物だった
これにしたって普段から滅多に使うことはないのよね
と言うか・・カードどころか現金だってそんなに使わない
使う必要が無いのに・・
身の周りの物はずっとお父様方から山のようにプレゼントされていたし
道明寺と再会してからはそこへ椿お姉さんと彼が加わっている
これ以上、自分で買う必要な物なんて何も無い
私がお金を必要とするのは大学のカフェでお昼を食べたりお茶を飲んだりする時ぐらいで
一日、大学に居ても10ユーロあれば十分だし
カードだって使うのは大抵は大学近くの画材屋さんで
ここ最近は仕事が忙しくて画材屋さんどころか大学にも行けていないもの
そりゃあパリから一人でNYまで来てるんだから
いつもよりは多めに現金が入ってるけど
それでも500ドルぐらいだし、後は今使ったカードと
身分証明書に運転免許書が入っている程度
私の財布は中身より財布そのものの方が高い
話しは戻るけど写真立て2つで100ドルちょっとの
お買い物を恐縮しながら大急ぎで済ませて
逃げるようにデパートを後にした
帰る時だってわざわざ支配人さんが車の所までお見送りに出てくれていて
道明寺と一緒に居ることがどういう事なのかとつくづく思い知らされる
多分、何処に行ってもこんな感じなんだろうなぁ~
これに慣れなきゃいけないのよね・・
・・って慣れるのかな?
いつかこんな対応も普通になってしまうのだろうか・・?
そうなった時、私ってどうなってるんだろう?
ちゃんと私で居られてるのかな?
まぁ・・今だって牧野つくしだった頃から比べると全然違うけどね・・
いくら記憶が無かったとは言え生活に追われる事なくのんびりと子育てをして
大学にも通いそれが普通になってしまっていたんだから
ぼんやりと車外に流れる景色を眺めながらそんな事を考えていると
もうオフィスへと着いてしまった

応援ありがとうございます。
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴
彼のオフィスを出てエレベーターを待っていると
秘書の三ツ谷さんが慌てて私の元へと駆け寄って来た
「美作様!」
そんな大きな声で呼んでいただかなくても見えてますし聞こえてるんですけど
「は、はい・・」
何故か迫力満点にこちらへと迫ってくる秘書さんに圧倒されてしまう
「ど、どちらへお出かけでしょうか?!」
「・・少し、この辺りを・・・」
私が言い終える前に
「では、お車をご用意いたしますので少々お待ちください。
それからSPも手配いたしますので」
さっきの女性の秘書さんも苦手だけどこの秘書さんも苦手
「あ、あの・・車もSPさんも必要ありませんから」
「いえ、それでは困ります!
両方をお使いいただけないのでしたら私がご一緒させていただきます!」
それも必要ありません・・って言えなかった・・
だって秘書さんの表情はとても冗談を言っているようには見えなかったから
「わ、分かりました・・じゃあ車を使いますのでSPさんは止めてください」
「畏まりました。では私もご一緒させていただきます!」
どうしてそうなるの・・?
「それはご迷惑になりますから」
「いいえ、迷惑なんてとんでもありません!
美作様には道明寺家の命運が掛かっているんです!
美作様に何かありましたらお引止めできなかった私の責任になりますのでご一緒させていただきます!」
・・って言い切られちゃった・・
それに命運って・・
なにそれ・・?
「あの・・命運ってなんですか?」
「あっ!それはこちらの話しでして・・」
命運だろうが何だろうがどうでもいいんだけど
今、目の前にいる秘書さんが夕べ道明寺に掴みかかられていた
カメリアの支配人さんとダブって見えて
彼もあんな目に遭うのだろうか?
だとしたら私のせいで申し訳ない・・
そう思って、彼に同行してもらうことをOKした
私のOKに秘書さんは本当にホッとした顔をしているけど
この秘書さんって道明寺の下で本当に苦労してるのね・・
まぁ・・買いたい物もあるし彼に案内してもらうのはいいかもしれないわね
あんまり時間もないし
買い物をしたいと言った私の為に秘書さんが案内してくれたのは
彼のオフィスから一番近いバーニーズNY
いわゆる高級百貨店
事前に連絡がいっていたのだろうけど
大げさな出迎えと接客を受けながら私が買った物は写真立てが2つだけ
恐縮してしまう・・
支払いに使ったカードだって至ってノーマルだし
限度額だって私の収入に合わせてもらってるから低い
私とカード
今まで全く縁の無かった物なんだけど
大学に入り仕事を始めた頃にあきらからカードとはいかに便利で
スリなどが多いパリの街では現金を持ち歩くより安全かを力説されて
渋々作ってもらった物だった
これにしたって普段から滅多に使うことはないのよね
と言うか・・カードどころか現金だってそんなに使わない
使う必要が無いのに・・
身の周りの物はずっとお父様方から山のようにプレゼントされていたし
道明寺と再会してからはそこへ椿お姉さんと彼が加わっている
これ以上、自分で買う必要な物なんて何も無い
私がお金を必要とするのは大学のカフェでお昼を食べたりお茶を飲んだりする時ぐらいで
一日、大学に居ても10ユーロあれば十分だし
カードだって使うのは大抵は大学近くの画材屋さんで
ここ最近は仕事が忙しくて画材屋さんどころか大学にも行けていないもの
そりゃあパリから一人でNYまで来てるんだから
いつもよりは多めに現金が入ってるけど
それでも500ドルぐらいだし、後は今使ったカードと
身分証明書に運転免許書が入っている程度
私の財布は中身より財布そのものの方が高い
話しは戻るけど写真立て2つで100ドルちょっとの
お買い物を恐縮しながら大急ぎで済ませて
逃げるようにデパートを後にした
帰る時だってわざわざ支配人さんが車の所までお見送りに出てくれていて
道明寺と一緒に居ることがどういう事なのかとつくづく思い知らされる
多分、何処に行ってもこんな感じなんだろうなぁ~
これに慣れなきゃいけないのよね・・
・・って慣れるのかな?
いつかこんな対応も普通になってしまうのだろうか・・?
そうなった時、私ってどうなってるんだろう?
ちゃんと私で居られてるのかな?
まぁ・・今だって牧野つくしだった頃から比べると全然違うけどね・・
いくら記憶が無かったとは言え生活に追われる事なくのんびりと子育てをして
大学にも通いそれが普通になってしまっていたんだから
ぼんやりと車外に流れる景色を眺めながらそんな事を考えていると
もうオフィスへと着いてしまった

応援ありがとうございます。
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