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月夜に 125

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴











クソッ!あの男!

さっきからずーっと櫻の側にいやがる!!

オイ!それ以上、櫻に近付くなよ!

オイ!櫻!お前も楽しそうに笑ってんじゃねぇーよ!

いいか!それ以上、近付いたらぶっ殺すからな!

おっ!やっと離れたな!

んっ!!また違う野郎が声掛けてきやがった!

あの野郎!!

なれなれしく櫻の肩に手なんて置いてんじゃねぇーよ!

クソッ!

あっ!どこ行くんだよ!?

あ~うぜぇーー!

なんなんだよ!

さっきからハエみたいに香水の匂いをプンプンさせた女共が群がってきやがって!

腕絡ませてくんじゃねぇーよ!

アカプルコ?

なんで俺様がお前みてぇーな女とそんなとこ行かなきゃいぇねぇーんだよ!?

胸押し付けてくんじゃねぇーよ!

そんな作りもんの胸見たくもねぇーんだよ!

俺様が見てぇーのはあいつの胸だけなんだよ!!

おっと!・・こんな事考えてる場合じゃねぇ!

心の中で散々悪態を付きながら人ごみに紛れて
見えなくなってしまった櫻の姿を探す

クソッ!

どこへ消えやがった!

おっ!やっと姉ちゃんがウザイ女共から引き離してくれた!

「姉ちゃん!あいつはどこだ?!」

「えっ?私は見てないけど?」

チッ!

「ちょっと!司!どこ行くのよ?!」

「あいつを探すんだよ!
邪魔すんな!」

「待ちなさい!紹介したい人が居るのよ!
 それが終わったら解放してあげるから!」

「本当だろうな?!」

「本当よ。だから先にこっちを済ませてしまってちょうだい!」

「分かったよ!」

渋々、姉ちゃんの後に付いて行って紹介されたのは50過ぎた親父で
なんでも姉ちゃんとこのホテルの取引先の社長らしいが
その社長の横にはやけに体のラインを強調したドレス姿の若い女

娘だと紹介され年が近いから話しも合うんじゃねぇーかって
さりげなく俺の方へ娘を押し出してきやがる!

冗談じゃねぇーぞ!

年が近いってだけで頭ん中空っぽの女と話しするぐらいなら
犬と話してた方がマシだ!

やんわりとそれでも有無を言わせぬ口調で
その娘の相手を断るとすぐにその場を離れた

背中から姉ちゃんの小さなタメ息が聞こえてきたが関係ねぇ!

俺の目は・・

いや五感の全てがあいつだけを求めている

俺は何故こんなにも焦っているのだろう?

パーティ会場で姿が見えなくなってしまっただけなのに

あいつが俺の視界から消えた途端に言いようの無い不安に襲われる

このまま・・

また何処かに行ってしまうんじゃねぇーかって

すんげぇ不安になる

俺はまた一人になってしまうんじゃねぇーかって考えてしまう

馬鹿げてるって事は十分分かっている

だけど怖いんだ・・

またあいつを見失いそうで怖いんだ・・

居た!

会場の隅の方で壁に凭れるようにして一人で立っている
あいつの姿を見つけ
一歩踏み出すごとに声を掛けられるが俺の足は止まることは無かった

視線はあいつに固定したままで人垣を掻き分けるようにして前へと進む











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kirakira
Posted bykirakira

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