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月夜に 126

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴













やっとさっきまでの人垣が離れて行き
挨拶地獄から解放され近くを通りかかったボーイさんから
グラスを受け取り会場の隅っこに逃げ込んだ

知り合いの居ない場所で心細かったのだろうか?

私の視線はずーっと道明寺を追いかけていた

どんな場所でもやっぱり彼は目立つ

大して苦もなく見つけられたその姿

普段の彼からは想像出来ないけど何重にも仮面を被り
一応愛想よく相手の人と会話を交わしているのが見える

こんな大勢の人の中でも堂々としていて
女の人たちの視線を一身に受けている彼が
なんだか遠い存在に思えてくる

彼はどうして私なんだろう?

私はどうして彼だったんだろう?

家柄だってルックスだってスタイルだって

それこそ世界中の美女を選び放題の彼が
どうして私にこんなにも固執するのだろうか?

きっとあきらなら司が選んだのはお前なんだから
お前はそのままで堂々としてればいいんだよ
って言ってくれるんだろうけど

だけど・・

こんな時はどうしても私なんかって考えてしまう

悪いクセなのかな?

とにかく自信がなくて何もかもが中途半端な気がする
彼の横に立って共に歩くという事の大変さを
今夜のパーティで改めて実感してしまった


人並みを縫うようにして彼が私の方へと向かってくる

私の視線は彼に向けられたままで外せない

しっかりと絡み合ったままの視線が段々と距離を詰めて行く

私の目の前で立ちどまった彼はボーイからグラスを一つ受け取ると
私の手にしていたグラスに軽く傾けてから口をつけた

「大丈夫か?」

私の顔を覗き込むような仕草を見せながら
低く通る声で優しく語り掛けてくる彼

「うん、なんとかね。
 ねぇ?挨拶はもう済んだの?」

「あぁ、後少し残ってるけど後でいい」

「じゃあ、先に済ませてきてよ」

「なんでだよ?後でいいって言ってんだろ?
 今はお前と一緒に居たいんだよ!」

「私は居たくないの!」

「んだと!?なんで俺と一緒じゃ嫌なんだよ?!」

「もぅ!おっきな声出さないでよ!
 あんたと一緒にいると目立つから嫌なのよ!」

「はぁ?お前、そんな事気にしてんのか?!」

気にするわよ!


だってね・・

さっきから

正確には彼が私の方へと向かって来ている時から
それまでず~っと彼に向けられていた多くの視線が
今は私に向けられてるんだもん

なんだか値踏みされてるみたいで居心地が悪い

もともと他人の視線だとか世間の一般常識だとか
あらゆる物を無視出来てしまう俺様の彼には
そんな視線など気にならないのだろうけど
私はすっごく気になるのよ!

「だから離れてってば!」

「ヤダね!そんなもん気にすんな!
 お前は俺だけを見てればいいんだよ!」

何を言っても通じない

そんな事言ってるんじゃないわよ!って大声出したくなっちゃうじゃない!

もぅ!

離れてくれないんだったら私から離れるしかないわね

だけど

どうやってこの場から抜け出そうかしら?








応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

Comments 2

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2021/07/28 (Wed) 07:50 | EDIT | REPLY |   
kirakira

kirakira  

う○ちゃん様

こんにちは。\(^-^)/
コメントありがとうございます。😆

お話し楽しんで頂けて嬉しいです。💕
さてお問い合わせいただいた本宅ですが
スマホ版の画面では表示されませんのでお手数ですが
PC版に切り替えて頂いた画面に本宅というカテゴリーがありますので
そちらから本宅に飛べます❗👋😆🎶✨

2021/07/28 (Wed) 14:49 | EDIT | REPLY |   

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