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月夜に 131

おはようございます。🎵
お引っ越しです。🎶
それではどうぞ~✴













まず私自身が変わらなきゃいけない


言葉にするのは簡単だけど
実際に行動に移すのは難しい


パーティー翌日には道明寺と雛の三人で出掛けたディズニーランドでも
一人考えこんでいて上の空だった


パリに帰っても同じような状態で
夜一人になるとずっと考えこんでいた


考え始めると止まらない…


私の悪い癖なんだろうけど止められない


将来の事

雛の事


あきらの事


道明寺の事


明確な答えが何一つだせないまま時間だけが過ぎて行く


今までならこんな時はいつもあきらに話しを聞いて貰っていたけど


今回は自分で答えを見つけなきゃ意味がない


そう思っていたしあきらも記憶が戻ってからは辛抱強く待っていてくれている


私の考えを変える決定的な出来事が立て続けに起こったのはそんな時だった


週末の昼下がりあきらはデンマークに出張に行っていて屋敷には私と雛だけ

学校も仕事もお休みの土曜日を
一日何をして過ごそうかと朝食を食べながら彼女と相談していた時に
花沢類から電話が掛かってきた


花沢類は今フランス国境に近いイタリアにあるぶどう畑に視察に来ているから雛を連れて遊びにおいで。
迎えは寄越したから…と用件だけ告げると私の返事を待たずに電話を切ってしまった


花沢類らしいちゃらしいけど…
少々呆気に取られて電話を切り雛に花沢類が遊びにおいでって言っていると伝えると

彼女は大喜びで朝食を途中でほうり出し自室に駆け戻り
お父様からプレゼントされたお気に入りのワンピースに着替えあっという間に準備万端で
私にも早く着替えろと急かす


雛に急かされ彼女が選んでくれた洋服に着替え終えると
計ったように迎えの車が到着した


車に乗り近くのヘリポートからヘリに乗り換え
あっという間にイタリアの国境を飛び越え花沢類が待つぶどう畑に到着してしまった


出迎えてくれた花沢類と並んで歩くぶどう畑


足元を乾いた風が吹き抜ける


雛は花沢類と一緒に出迎えに出て来てくれた庭師の息子さんとあっという間に仲良くなり
この辺りが一望出来る秘密の場所に連れて行ってあげると言われると
話しているしりから早速二人で駆け出している


駆け出す二人の後を慌てて追い掛けるSPさん達


二人はSPさんに任せて私は花沢類と庭でお茶を楽しむ


向かいあって座る花沢類は自分で呼び出したくせに
眠そうに欠伸をしている


「こんな風に牧野と二人だけで過ごしたいと思ってたんだ」


欠伸しながらそう言った花沢類は最後に
”日本じゃ司やあきらが邪魔して二人だけになれなかったからね”
と付け加えた


特別何か会話をするわけではなく

ただそこに互いの存在を感じているだけの時間


英徳の非常階段で過ごしていたあの時間と似ている


あの頃の私にとっては唯一寛げる大切な時間だった


花沢類は私にもう一度その時間をくれた


翌日にはパリに戻ったけれど
結局、花沢類と特別な事を話したわけじゃなかった


だけど私にとってはかけがえのない時間だった


何かになりたくて…
けど何者にもなれなくて…
ただがむしゃらに毎日を生きていたあの頃の私が過ごしていた時間を体験出来てよかった


無理に変わる必要なんてない

人の目を気にして無理に答えを出す必要なんてない


私は私のままで…


自然体でいればいいんだよと


優しく言われたような気がした










応援ありがとうございます。
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kirakira
Posted bykirakira

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