月夜に 135
おはようございます。
お引越しです。(^^♪
それではどうぞ~❤
昨日は呼び出し音も鳴らなかった彼の携帯だったけれど
今回は呼び出し音が鳴りスリーコール目で彼が出てくれた
『櫻か?』
耳に飛び込んできた彼の声を聞いた途端
堪え切れない不安や恐怖が関を切ったように溢れ出し
私は電話口の彼に雛が居なくなった事を叫んでいた
その後の事はよく覚えていないけれど
髪を振り乱し息を切らし駆け付けてくれた彼の姿を見た時
何故かこれで雛は大丈夫
彼が無事に見つけてくれると確信めいた物が私の中に生まれていた
もしかしたら雛が戻ってくるかもしれないから
部屋で待っていた方がいいと言われ部屋へと道明寺と共に部屋へと戻る
道明寺が忙しく電話で指示を出し終えると
部屋に支配人と警備主任がやって来て
監視カメラを確認したところ
私が雛がいなくなったとフロントに駆け込む1時間程前に
雛が一人でホテルから出て行く姿が映っていたと告げた
「近くに不審者の姿は確認されておりませんので
お嬢様はお一人でホテルから出て行かれたようでございます。
どこに向かわれたかお心当たりはございませんか?」
心当たり…と問われ道明寺も私の肩を摩りながら
「櫻?何かあるか?」
と問い掛けてきた
「心当たりって…あの子はNYは初めてだし…
英語は話せるけど道だって知らないはずだし…」
「そもそもお前と雛はどうしてNYに居るんだ?
それにこっちに来てるんだったらどうして俺に連絡してこなかったんだ?」
道明寺にそう言われて初めて彼に伝言が伝わっていなかった事を知った
「あっ!?もしかしてあの子!」
「どうした?何か思い出したのか?!」
「あの子…もしかしたらあなたに会いに行ったのかも?!」
「俺に?!一人でか?」
「あの子、昨日の朝にいきなりあなたがお誕生日だから
おめでとうって言いたいって言い出して
それで押し切られて昨日こっちに来たの…
昨日あなたに連絡したけど繋がらなくて
秘書さんに伝言をお願いしてたの…」
「俺はそんな事聞いてねぇーぞ!
どの秘書だ?!」
「女性の秘書さんで雛と一緒にここに泊まってるからって伝言をお願いしておいたの…
けど貴方から連絡がなかったから忙しいんだと思ってた…」
「クソッ!俺に女の秘書は一人しかいない!あの女すぐ首にしてやる!」
そう言うと道明寺はすぐに電話を掛け始めたので
私はそれを止めた
「道明寺!今は先に雛をお願い!」
「あぁ、そうだな…あの女はいつでもクビに出来る!
それよりも雛が俺に会いに行ったってのは何か確信があるのか?」
「確信は無いけど…ここへ来たのはあなたに会いにだし…
なによりあの子あなたをびっくりさせるんだって言ってたから…」
「昨日ね空港からここに来る途中にあなたの会社のビルの近くを通ったの…
その時、あの子にあなたはあそこのビルで働いてるのよって教えたけど…
まさかあそこまで…」
「美作様、このマンハッタンを6歳の女の子が一人で歩いていればかなり目立つはずです。
それに子供の足なのでまだそれほど遠くへも行っていないと思います。
今、警察も従業員も全力で捜しおりますので
すぐにいい報せが届くと思いますよ」
支配人さんはそう言って私を勇気づけると
捜索状況を確認するために部屋から出て行った
部屋には私と道明寺だけ
二人だけになって気付いた
ずっと私の肩を抱きしめてくれている彼の手も微かに震えている
「ごめんね…こんな事になって…」
「お前のせいじゃない。
元はといえば俺の責任だ」
「道明寺…」
「そんな顔すんな!雛なら大丈夫だ!
なんていったって俺とお前の血を引いてるんだから
今にケロッと帰ってくるよ!」
「…そうだね…強い子だから大丈夫だよね…」
「あぁ、大丈夫だ!
それより雛がいつ帰ってきてもいいように着替えとけよ」
「そうだね…そうする」
着替えを済ませて道明寺と部屋でじっと連絡を待つ
時計の針が時間を刻む音が響くぐらい
道明寺と二人…
寄り添い息を殺して連絡を待つ間
一分が永遠にも感じられる程の
息苦しい時間を過ごしていた
突然、道明寺の携帯の着信音が部屋に鳴り響いた

応援ありがとうございます。
お引越しです。(^^♪
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昨日は呼び出し音も鳴らなかった彼の携帯だったけれど
今回は呼び出し音が鳴りスリーコール目で彼が出てくれた
『櫻か?』
耳に飛び込んできた彼の声を聞いた途端
堪え切れない不安や恐怖が関を切ったように溢れ出し
私は電話口の彼に雛が居なくなった事を叫んでいた
その後の事はよく覚えていないけれど
髪を振り乱し息を切らし駆け付けてくれた彼の姿を見た時
何故かこれで雛は大丈夫
彼が無事に見つけてくれると確信めいた物が私の中に生まれていた
もしかしたら雛が戻ってくるかもしれないから
部屋で待っていた方がいいと言われ部屋へと道明寺と共に部屋へと戻る
道明寺が忙しく電話で指示を出し終えると
部屋に支配人と警備主任がやって来て
監視カメラを確認したところ
私が雛がいなくなったとフロントに駆け込む1時間程前に
雛が一人でホテルから出て行く姿が映っていたと告げた
「近くに不審者の姿は確認されておりませんので
お嬢様はお一人でホテルから出て行かれたようでございます。
どこに向かわれたかお心当たりはございませんか?」
心当たり…と問われ道明寺も私の肩を摩りながら
「櫻?何かあるか?」
と問い掛けてきた
「心当たりって…あの子はNYは初めてだし…
英語は話せるけど道だって知らないはずだし…」
「そもそもお前と雛はどうしてNYに居るんだ?
それにこっちに来てるんだったらどうして俺に連絡してこなかったんだ?」
道明寺にそう言われて初めて彼に伝言が伝わっていなかった事を知った
「あっ!?もしかしてあの子!」
「どうした?何か思い出したのか?!」
「あの子…もしかしたらあなたに会いに行ったのかも?!」
「俺に?!一人でか?」
「あの子、昨日の朝にいきなりあなたがお誕生日だから
おめでとうって言いたいって言い出して
それで押し切られて昨日こっちに来たの…
昨日あなたに連絡したけど繋がらなくて
秘書さんに伝言をお願いしてたの…」
「俺はそんな事聞いてねぇーぞ!
どの秘書だ?!」
「女性の秘書さんで雛と一緒にここに泊まってるからって伝言をお願いしておいたの…
けど貴方から連絡がなかったから忙しいんだと思ってた…」
「クソッ!俺に女の秘書は一人しかいない!あの女すぐ首にしてやる!」
そう言うと道明寺はすぐに電話を掛け始めたので
私はそれを止めた
「道明寺!今は先に雛をお願い!」
「あぁ、そうだな…あの女はいつでもクビに出来る!
それよりも雛が俺に会いに行ったってのは何か確信があるのか?」
「確信は無いけど…ここへ来たのはあなたに会いにだし…
なによりあの子あなたをびっくりさせるんだって言ってたから…」
「昨日ね空港からここに来る途中にあなたの会社のビルの近くを通ったの…
その時、あの子にあなたはあそこのビルで働いてるのよって教えたけど…
まさかあそこまで…」
「美作様、このマンハッタンを6歳の女の子が一人で歩いていればかなり目立つはずです。
それに子供の足なのでまだそれほど遠くへも行っていないと思います。
今、警察も従業員も全力で捜しおりますので
すぐにいい報せが届くと思いますよ」
支配人さんはそう言って私を勇気づけると
捜索状況を確認するために部屋から出て行った
部屋には私と道明寺だけ
二人だけになって気付いた
ずっと私の肩を抱きしめてくれている彼の手も微かに震えている
「ごめんね…こんな事になって…」
「お前のせいじゃない。
元はといえば俺の責任だ」
「道明寺…」
「そんな顔すんな!雛なら大丈夫だ!
なんていったって俺とお前の血を引いてるんだから
今にケロッと帰ってくるよ!」
「…そうだね…強い子だから大丈夫だよね…」
「あぁ、大丈夫だ!
それより雛がいつ帰ってきてもいいように着替えとけよ」
「そうだね…そうする」
着替えを済ませて道明寺と部屋でじっと連絡を待つ
時計の針が時間を刻む音が響くぐらい
道明寺と二人…
寄り添い息を殺して連絡を待つ間
一分が永遠にも感じられる程の
息苦しい時間を過ごしていた
突然、道明寺の携帯の着信音が部屋に鳴り響いた

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